2012/07/30 by Tanada

中国の週刊誌『湖湘地理』掲載のLEAD&Beyond訪日研修報告シリーズ(2)

2012年3月10日から16日の日程で、中国LEAD and Beyondプロジェクト第2次研修団は1週間の訪日研修を順調に終えました。今回の研修は「イノベーションとリーダーシップ」をテーマとし、会社訪問、ディスカッション、講座、体験活動を織り交ぜたものでした。日中市民社会ネットワーク(CS net)は、日本が引き受け手として、今回の視察のすべての内容を計画し、コーディネートや翻訳等のサービスを提供しました。

5月29日の瀟湘晨報の週刊誌≪湖湘地理≫は今回の訪日研修とCSネットについて、詳しく伝えています。私たちのメンバーは、求めに応じて資料を提供し、各自の観点から訪問した団体や自身の感想を紹介しました。ただ、一部の活動内容が紙面の関係で掲載することが出来なかったため、この場を借りてすべてご紹介します。

E01:編者より ~Editor’s Note~

煩わしくも、希望に満ちた世界

3月のメモをめくると、鎌倉の海辺のとあるバルコニーでこのように記録していた。「熱愛は心を込めることが出来、心を込めることは美しい。『決して大きいのが悪いのではなく、彼らも非常に良い。しかし、わたしは自分の経験を通じて、小さいのが美しいという事業モデルについて思考を巡らせ、そして選択した。』、『陽光の家』の77歳の社長さんが日本語でこの話をした時、心の中で本当にうれしく思った」

心の中の大いなる喜びは”共感”があるから。この「知日派白書ハンドブック」はその共感の集大成だ。

今回、日本で高齢者介護を担っている「陽光の家」を収録していないのが残念だ。事実上、中国の高齢化問題はますます「針のむしろに座った」ようになっているからだ。その他の各ページ、E2-3 「核エネルギー」、E4-5 「自然学校」、E6 「スワンベーカリー」E7 “大地を守る会”は、みな日本国内の団体である。その分野は環境、エネルギー、有機農業、障がい者就職等にわたり、通して言うと、人と社会、自然の間の一種の循環したバランス体系に関する、尽きることのない試みと観察である。私が共感を覚えた内容に、奥の手や秘訣は少しもなく、どの事例でも訴えるのは誠実と熱愛のみ。

特に印象深い、いくつかの場面があった。東京で、「スワンベーカリー」赤坂店のスタッフが、私たちを繁華街の銀座店へ連れて行った時のことだ。道中、彼は言葉を発さなかったが終始にこやかで、上品で礼儀正しかった。銀座店のウェイターも同じだった。軽んじることのできない尊厳が感じられた。彼らはみな知的障がい者だった。「大地を守る会」の藤田和芳会長は非常にきまじめそうで、食事のとき私たちに彼のツイッターを見せてくれた。「私は毎日、妻が作ってくれた朝食をここに載せています。この粥に使われている米は誰が作っているのか、小皿の野菜は誰が栽培したものなのかを、みなに伝えています。」そのまま、朝食の生産者紹介が延々と続いた。私は思わず尋ねた。「あなたは理想に値打ちがあるとお考えですか?理想を追い求めながらお金を稼ぐことができますか?」と。妍焱が、やや躊躇しながら通訳する。しかし、藤田社長は逆に平然として、きっぱりと「できます!」と答えた。彼らの「大地を守る会」は理想の原則を掲げながら37年も事業を続けているのだ。駒澤大学のセミナー室で、私も田中優氏に聞いてみた。「首相選挙に出られてはいかがでしょう、あなたの脱原発の主張をもっと広げられますよ」と。彼はひどく笑い、「在野でなければ、独立した立場でなければならないんですよ。」と言った。自然学校を体験した時、富士山の麓に泊まり、風光明媚な場所を訪れたが、ひとつひとつの美しさは比べようのないほど大切にされていた。別れ際、現地のスタッフが、ずっと手を振ってくれた。お互いの姿が見えなくなるまで、ずっと。

「知日白書ハンドブック」は簡素ながらも、扉を開く試みでありたい。特にE8(ガイド)の「中日公益伙伴(日中市民社会ネットワーク、CSネット)」はお勧めで、「日本を知る」プロジェクトは均しく彼らが企画し、連携しながら実施したものである。手書きの地図を持って東京根津の下町を自由に散策したあの日の午後が本当に懐かしい。日本はもう記号ではない。それは人々、匂い、路地裏の猫、ケーキ店、それに、自転車に乗ったとてもハンサムな日本人の少年が横断歩道を歩くあなたに道を譲っている、リアルな世界なのである。(鄒容 Zou Rong)

 

出典:《湖湘地理》特集<知日派白書ハンドブック>(PDF)の表紙より

http://csnet.asia/wp-content/uploads/1fe7d4e592e0aa2c7f8248dd8459e7781.pdf

翻訳:岡田由一

校正:棚田由紀子

翻訳者および校正者の所属:日中市民社会ネットワーク

This post is also available in: 簡体中国語

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