2012/07/04 by jixin

市民参加による気候変動対策—JICA中国事務所ニュースより

気候変動と聞いて、どのような問題を思い浮かべますか。京都議定書等、国際的な枠組みについては活発な議論が展開されていますが、温暖化防止等の具体的な解決策においては、政府や企業、更に市民一人一人の参画が不可欠です。中国では、省エネやリサイクルなど、生活スタイルの改善を通じた循環型社会の実現を目指し、市民レベルの活動が推進されています。各地域での推進役は、各省の環境保護宣伝教育センターが担っています。地元のNGO、学校、社区、メディア、企業と連携し、低炭素社会に向けたライフスタイルの転換を進めています。

写真1 キックオフセミナーでは、中国環境保護部、国家発展改革員会気候変動司、社会科学院、CANGO(ネットワーク型の環境NGO)などが講演。

 

今般JICAは、環境保護部宣伝教育センター、そして日中友好環境保全センターと協力し、「市民参加による気候変動対策推進プロジェクト」を開始しました。今後2年間で中国国内8カ所でセミナーを開催するほか、訪日研修を通じて、市民参加を促す制度、活動の管理ノウハウ、エコ生活を支援するNGOや企業との連携について取り上げます。

写真2  西城区の胡同で活動するNGO。地元の住民と家庭菜園やフリーマーケットを行っている。

 

4月25日には、北京で本プロジェクトのキックオフセミナーを開催しました。集まったのは、中国全国40都市の環境保護宣伝教育センターのスタッフ60名と、北京のNGO、大学関係者、そして日本の企業の方々など、合計155名です。日本から、環境省地球環境局染野憲治専門官と、一般社団法人 地球温暖化防止全国ネット長谷川公一理事長が講演し、またパナソニック(中国)環境推進部が日本企業による環境活動について紹介しました。またセミナー2日目には、日本での取り組み事例を踏まえて、中国全国40都市の環境保護宣伝教育センターの活動計画の検討を行い、その結果、広州、青島、天津、石家庄における活動が優良事例として共有されました。

CO2の排出源は、先進国諸国と開発途上国全体で半々です。国別では、中国からの排出量が全体の24%、次いでアメリカ18%、EU12%、インド6%、ロシア5%を占めています。日本では1990年以降、産業部門からの排出量削減が成果をあげていますが、家庭からの排出量は全体の27%に上り、家庭での対策の余地は残っています。日本の環境省では、市民への直接的な働きかけに着手するため、「みんなで止めよう温暖化 チーム・マイナス6%」を推進してきました。地球温暖化問題への認識を「他人事」から「私事」へと改め、「クールビズ」などに代表される消費行動の変容を具体的に提案してきました。家庭でのCO2排出源は、4割が電力消費によるもので、3割がガソリン消費によるものです。日本各地の地球温暖化防止活動推進センターでは、「うちエコ診断」を実施し、家庭ごとのCO2排出量を「見える化」し、節電やエコドライブ、家電の買い替えなど具体的なアドバイスを行っています。

写真3  北京市の環境保護宣伝教育センターでは、市民に対して省エネやリサイクルを紹介している。

気候変動対策のように地球規模の課題に取り組むには、社会全体での継続的な取り組みが必要です。今後、中国各地の環境保護宣伝教育センターは、コーディネーター役としての機能を一層強化し、地域の知見やノウハウ、人材、そして資金を組み合わせ、温暖化防止に取り組んでいきます。本プロジェクトでは、各地でセミナーを開催することなどを通じて、各地域の活動を推進していきます。

(林伸江)

 

JICA中国事務所ニュース2012年5月号より転載

http://www.jica.go.jp/china/office/others/newsletter/201205/01.html

 

This post is also available in: 簡体中国語

Facebook Twitter 微博

CATEGOLY