2012/07/02 by Matsue

LEAD and Beyond 2012年3月訪日研修メンバーの感想から

2012年3月、第3回LEAD and Beyond訪日研修がCSネットのプロデュースによって実施されました。訪問先の皆様が温かく受け入れてくださったおかげで、メンバーたちはたくさんの発見とたくさんの感動、たくさんの学びを胸に、中国に帰国しました。
今年で三回目の実施ですが、毎回共通するのは、メンバーたちが必ず日本のことが大好きになって帰って行くことです。彼らにとって日本はもはやただの「国の名前」ではなく、街の風景や匂い、生の人々の具体的な顔を思い出させてくれる、大好きなところになりました。帰国後は、各自が回りの人々に日本の良さをたくさん話し、東日本大震災が発生した時も、彼らはいち早く自発的に募金活動を始めてくれました。
百聞は一見にしかず。このような地道だが効果的な「顔の見える関係づくり」を、これからもCSネットは微力ながら進めていき、中国社会を「民」の視点から良くしていこうとする民間のリーダーたちに、日本からポジティブな影響を着実に与えていきたいと思います。
先日、メンバーたちから訪日の感想がまとまって届きました。訪問先ごとに一部抜粋してお伝えします。

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1.くりこま高原自然学校―佐々木豊志さん

楊暁静:日本の森バイオマスネットワークは地域色豊かなイノベーションであり、日本の森林資源を効率的に運用し、自然との共生という面で大きな役割を果たしている。「現実に基づいた“現地化”を特色としたプロジェクト」こそ最も可能性の大きいプロジェクトであるという信念・啓発を受けた。もっとも得意なことをするべきで、他の引き移しではだめだ。 木質バイオマスエネルギーが今後の実践と改善を通じ、中国の農村でも広く使われるクリーンエネルギーになり、現代社会の化石燃料への依存を脱することになれば、とてもよい日中合作プロジェクトになるだろう。個人的に大変興味があり、詳しく知りたいし、河南省の農村にモデル地点を作って研究・普及したい。 

2.ホールアース自然学校による富士樹海の洞窟探険

馮潔:日本人は資源を大切にするとともに十分に利用しようという気持ちをもっており、資源を損なわないよう努力しつつ、富士山を極限まで利用してさまざまなタイプの体験プログラムを作り出している。

鄒容:質の高いスタッフをつなぎとめているのは、理念や理想?それとも経済的利益と理想の相乗作用によって彼らに尊厳を与えているのだろうか。

3.ホールアース自然学校―山川勇一郎さん

徐楠:今日の中国と30年前の日本は似たところがある。このような社会背景において、社会的観念が徐々に自然回帰にむかう事は合理性がある。中国でも同様に自然回帰の精神的潮流が出現したが、すぐさま商品化され、各種のエコツアー、体験ツアー、田園経済、野外体験といった具合に、それぞれのマーケットを形成した。しかしそれらの内実は贅沢な消費が大部分を占め、エコロジー理念が占める割合は少ない。それをどう増やし、その部分に引きつけられる人々を集めて贅沢な消費とは違うということをわかってもらうにはどうすべきか、検討に値する問題だ。 

4.田貫湖自然塾

卜媛:田貫湖自然塾のことを大好きになった。様々な教材が机や棚に効果的に配置され、子供たちには大人気だろう。壁や床を余すところなく利用しており、盛り沢山な感じがした。2000年に設立されたそうだが、12年たっても古びていないのはすごい。ここには子供と共に泊りがけで来たい。

5.サンフォーレ―堀井利修さん

張寧: 非常に細やかに配慮されており、高齢者が楽しく、尊厳を持って生活できるよう工夫されている。知力ケアという考え方は非常に新しく、優しい心遣いだ。ターミナルケアのイノベーションには啓発を受けた。薬膳スーププログラムには潜在的な可能性があり、より詳しく見学したい。社長さんは大変知恵のあるお方だ。

劉莉:サンフォーレの小規模介護方式は、一人ひとりの高齢者により目配りができ、同時により多くの雇用を提供することにもなる。また、職員の総合的な資質や能力を高め、高齢者に対する尊敬と愛情を高めることができる。職員は仕事を通じて人として成長し、それを体現しているので、徐々に職場の外でも人に良い影響を与えることができるだろう。

6.ユーミーケア―高橋 正さん

卜媛:とてもビジネス化しているが、競争力は高いだろう。高齢者たちにも頼られているようで、とても好ましく思った。自分も歳をとったら、このような所で暮らしたい。

馮潔:ユーミーケアの介護問題に対する分析は明快で、標準化した、または専用の製品を多くデザインし、生理的なサービス以外にも不動産処分など多くの特殊サービスを行っている。物事の多くはイノベーションから普及へという経過を辿るが、普及という観点から見ると、ユーミーケアは複製しやすく、サンフォーレは独特の魅力がある。こうした多様化は良い事だ。 

7.大地を守る会―藤田和芳さん

劉莉: 外からみると売買関係だが、その内側では信頼や人間関係、生活の質の向上といった発展をもたらす産直の仕組みを作りだした。売買モデルを通じて、整理とレベルアップを実現しており、こうした創造こそ本当の生命力を持ち、革新的な創造と言える。

巴雅爾図:大地を守る会の使命は、日本の第一次産業と人々の生命及び健康を守ること。生産者・消費者・会の良好な信頼関係を構築したことが、彼らのイノベーティブな所だ。信頼のシステム・物流プロセス・製品化技術は長年の経験で培われた。経営理念に基づく行動が周囲の人々に影響を与えている。将来再度訪れて信頼のシステムや物流システムなど重要なプロセスについてもっと知り、生産者・消費者と会い、信頼に基づく農業の経営管理モデルを学びたい。

8.(株)良品計画

張敏:30年前の創業時、日本はまさに経済成長まっただ中で、その中にあってシンプルライフへの回帰を提唱したのは時代を先取りしていたと同時に、革新的な考えを打ち出すチャンスはいつでもあることを証明している。

楊暁静: MUJIはシンプル・節約・適用などを提唱し、余計なデザインをそぎ落としている。これは、ある種「回帰」の力と言えるだろう。「物の使用を控え、材料も削減する」という考えは、まさに中国伝統文化が提唱する所の「大道至簡:基本的な原理や規律は至極簡単である」と符合している。MUJIが30年という時間をかけてこのような消費・理念・デザインを提唱してきたのは並大抵の努力ではない。持続的に成長する企業というのは、必ず優秀な文化的核心を内包している。個人的には日本の「小さいながらも美しい」という特徴が好きだし「発展には限界がある」ことにも同意する。有限な資源を大切にしてこそ真の生存・発展の道が開かれるであろう。

9.田中優さん

徐楠:核の問題は現在の日本の政治・経済の枠組みの中ではもうすでに行き詰っている。強大な利益集団の形成と、選挙による政治が公共の利益に照らした政策決定をほとんど行えないからだ。民間の力が将来もっと役割を発揮できるメカニズムはあるのだろうか。

劉莉:田中さんは反核運動のリーダーで、以前はスローガン・運動・批判を主体としていた。今は自分たちにできることを提唱し、生活の中の簡単な操作による節電方法を人々に伝えることで原発がいらなくなる社会を目指している。成熟したリーダーシップの取り方だ。社会はひとりの批判者を覚えはしないが、何かを成し遂げた人の事は覚えている。田中さんはどうやって批判型から実践型に変わったのか知りたい。そのプロセスには困難があったのだろうか。

10.スワンベーカリー―海津 歩さん

張若紅:すべての人に長所があり、それを生かす。その長所をお互いに補い合って、団体を形成する。能力の高い人と連携する機会を得たいと思ったら、まず自分が自立し、強くなる必要がある。ソーシャル・イノベーションを社会の隅々に浸透させたい。

万涛:「企業は企業であって、特に障害者職員を売りにはしない」と強調されていた海津さんの姿勢が非常に良いと思った。中国の一部の恨みがましい団体とは全く違う。 

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一行は、以上の訪問先のほか、広域防災公園で防災訓練を体験し、日比谷公園での3.11追悼・脱原発集会に参加し、共に被災者のために祈ってくれました。初めて日本に来た人が多かったのですが、日本が清潔であること、大規模集会でも非常に落ち着いた雰囲気であることなどが目新しかったようです。また東京の下町散策では、暮らしを楽しむ庶民の姿や、新旧の文化が混然一体となった様子を垣間見ました。 CSネットでは、2013年3月に第4回の訪日研修を行う予定です。

 

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