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2012/06/28 by Matsue

社会起業家の半農半X生活

CSネット注:以下は中国の「新社会」ウェブサイトに掲載された海南島の博学生態村を紹介する4回シリーズの第4回部分の翻訳。第3回までのあらすじは以下の通り:

陳統奎は海南島の農村出身で、リベラルな編集方針で人気のある時事雑誌<南風窓>の政治記者。故郷の観光開発が進んでも、地元の人が豊かにならないことに心を痛めた彼は、社会起業家の理念で自分が生まれ育った小さな村を改造することを思い立つ。そこで、2010年から、人口わずか300人の火山口地区にある古い村を、徐々に、現代的で利潤を上げることができ、名の知られた村へと変革する道へと前進させた。

2009年に訪れた台湾南投県の桃米生態村をモデルとして、故郷に「博学生態村」を創設。海南島初のマウンテンバイクのサイクリングコース、農家体験エコツアー、民宿、蜂蜜ブランド設立などを次々としかけ、地元の資源を最大限に活かしたエコビレッジを作り上げた社会起業家として注目されている。


◎写真説明:陳統奎が姚明(訳注:米国で活躍するバスケットボール選手)を博学生態村へ客として招いた折、姚明が村のために書いた扁額

半農半Xの生活

2011年7月、私は桃米生態村を再訪した。二度目の桃米を私は更に子細に見て、最初の時に見落としていた一つのキーポイント――新住民を見出した。新住民は桃米生態村の立ち上げ段階で発動機の働きをし、現在でも依然として、桃米のモデルチェンジを支える中堅的役割を担っている。

羅樹海はその中のひとりで、もともと農業技師として貴重な漢方薬材“金線蓮”を研究開発し、台北で生計を立てていた。12年前、桃米生態村に来て民宿を建て、同時に“金線蓮”の研究開発と栽培を行いながら、のんびりと素朴な生活を過ごしている。羅樹海の経営する宏観山居という民宿は海抜800㍍の山頂にあり、桃米生態村で最も高いところにある人家だ。宏観山居には5つの客間、研究開発室、栽培ハウス、そして当然売店があり、生産した“金線蓮”系列の産品を地産地消で売っている。

どうして桃米に来たのか、という問いに彼は「十分な生活費を稼いだ。次は健康を手に入れなければならないから」と答えた。台北は暑くて騒がしく、競争が激しいため、生計を立てるのも大変だし、生活にも疲れる。羅樹海は桃米に来て、宏観山居を経営する素朴な生活方式を選んだ。身心の健康を第一目標にし、金もうけを第一にしているのではない。この生活スタイルは“半農半Xの生活”と概括されている。このスタイルには、人を非常に引き付ける「自分らしく生きると同時に、社会にも貢献できるという生活スタイルがきっとある」という信念を内包している。 ある調査によれば、台湾では43%の都市人が、現在の仕事を放り出して田舎へ引っ越し、素朴な生活を送ることを希望しており、これはすでに顕著な傾向となっている。1990年代以来、台湾では帰郷して民宿を開くのがブームとなっており、非常に多くの民宿がひしめいている。彼らは林間に夢の家屋をしつらえ、ストレスを如何ともし難い都市生活に取って代えているのだ。イギリスでも、1年に300万人のイギリス人が“低きへ移動”することを選び、甚だしいのは、前首相ブレアの二人の補佐役もこの列に入っており、そのうちの一人は彼の広報秘書だ。ニュース報道によると、全欧州で数千万人がシンプルな生活を目指している。

実際、2009年に桃米生態村を訪ねて帰ってのち、如何にこうした新しい力とその資源を博学生態村に引きつけ、旧住民を動かして変化を起こすかについて、私はすでに「1ム―の土地試験(訳注:ムーは土地の単位。1ムーは667㎡)」というやり方を考えだした。農民は宅地を提供し、新住民は投資して民宿を建てるが、所有権は農民の所有とする。新住民はその建物のメイン部分の50年の使用権を獲得し(自分が居住あるいは親戚友人が休日を過ごす。自分が商業経営することはできないが、農家に経営を委託することは可)、余った客室は民宿経営に使い、新住民は50年の受益権利を持つ。経営所得の面では、営業収入の10%は博学生態村公共積立金に回し、残り90%は新住民と農家が平等に分ける。これが“50年新生活方式+50年収益”という、生活と投資の二つを合わせて一とするやり方であり、新旧住民が共同して“生活者の楽園”を創る道筋だ。博学生態村発展理事会の議決に基づき、“1ム―の土地試験”は少なくとも1つのメイン部分、6-12の客室、1つの共同厨房を含むことになった。

現在、“1ム―の土地試験”は、すでに博学生態村に4戸の新住民―大連人、江西人、天津人、海南人を引き付けた。私たちの第一段階の計画では、5年ぐらいの時間を費やし、20戸程度の新住民を受け入れ、マウンテンバイクのサイクリングロードの周りに、民宿を主体とする新たな集落を造る。この夢を達成するために、私は勇敢に1歩を踏み出し、50万を投資して、ひとまとまりの民宿を建てた。8つの客室と1つの共同厨房、1つのボランティア起居室を含む。これらの民宿は今年の12月20日、つまり博学生態村2周年に営業を始める予定だ。

面白いことには、口コミとミニブログによるマーケティングを通じ、まだオープンしていないにも関わらず、もう5人の客が2012年の冬は博学生態村に避寒に来ると予約している。そのうち1人は上海で働いている台湾女性。彼女は冬の上海の寒さが我慢できず、暖かくて静かな民宿を捜して冬を過ごすことにしたという。私たちのこの民宿は彼女の要求に合致したのだ。更に面白いのは、ある杭州人が2013年の冬の部屋を予約したことだ。海南には冬暖かいという特に恵まれた気候があるため、我々の民宿は休暇村としての価値がある。即ち北方人に“渡り鳥族”になって海南に来てもらい、私たちの民宿に泊まって半農半X生活を体験してもらえるのだ。お客さんは海南の生活を体験することができ、もう一方でお客さんの消費は生態村の発展を促す。ウィンウィンだ!

もちろん、私たちの民宿は“半農半X生活”の条件を提供する。つまり私たちの菜園を無料で住民に提供するのだ。そして労働に参加し、自分で野菜を植え、収穫を手伝った人は誰でも、無料で主人と一緒に農家料理を食べることが出来、また共同厨房を利用しご飯を作るのも無料で出来る。主人から季節の野菜も提供される。実際上、本当に農家の生活を体験することになるのだ。農事を体験することで自分をリラックスさせることができると同時に、小さな力とはいえ生態農業の実践を支え、個人と社会の協調と統合を促し、他人に幸せをもたらすことに力添えもできるのだ。

博学生態村のような辺境は、大都市にない田舎の魅力に満ちている。地元の人と新住民の創意を結びつけ、みなの心を凝集すれば、地元の観光業に潜在的な力を与えることが出来るばかりでなく、“半農半X生活”を一緒に作ることが出来る。“X”が代表するのは、一人一人の志向である。北京、上海、杭州などに最近出現した“農夫の市場”(訳注:産直市)現象に現れているように、私たちは“素朴でエコな生活”がだんだんと時代の潮流になっていると見ている。更に、都市に住む、能力を持つ消費者が若年化してきたという現象もある。彼らは余計にお金と時間を使っても農産品生産過程を理解しようとする新世代である。しかも、この傾向はますます加速している。

私を信じてほしい。古くからの村落を基礎とする生態村を運営し創造することは、時代の向かう方向に正しく沿っているのである。

関係文章(中国語):

社会起業家の半農半X生活(1)http://xinshehui.org/?p=1678

社会起業家の半農半X生活(2)http://xinshehui.org/?p=1675

社会起業家の半農半X生活(3)http://xinshehui.org/?p=1672

出典:新社会ウェブサイトhttp://xinshehui.org/?p=1668

翻訳:岡田由一

編集・校正:松江直子・棚田由紀子

 

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