2012/06/06 by Matsue

アフリカ市場に進出する中国企業によるCSR -ケニアでのHuaweiの人材育成事業

「走出去」政策の下、国外マーケットへの進出が著しい中国企業。その投資先ターゲットはアジアから遠く離れて、アフリカにも向けられており、アフリカにおける中国企業の猛烈な進出は、欧米、そして日本でも大きく取り上げられるようになりました。その多くの論調は、「中国企業は自分の利益優先で相手国の状況等全く顧みない」、「中国は自国から労働者しか連れてこず、現地に雇用を産み出さない、事業が終わった後には何も残らない」といった批判的な論調のものです。他方で、CSネットのウェブサイトでも幾度か紹介したように、中国企業の中でもCSRの試みが見られるようになってきており、現地の人たちとの関係がビジネスの上でも重要になってくる国際ビジネスの世界でも、こうした中国企業による社会貢献の試みが広がっています。

今回紹介するのは、東アフリカで経済発展を進めているケニアにおけるHuawei(華為技術会社)のCSRの事例です。国民の40%が貧困層といわれているケニアですが、スマートフォンの市場を拡大してきており、その中でも大きな市場シェアを持っているのが強い価格競争力を持つHuawei製品。そのHuaweiは、ケニアでどのようなCSR事業を展開しているのでしょうか?

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中国のHuawei(華為)とケニアの三大学、情報通信技術協力協定を締結

新華ネット、ナイロビ6月6日電。中国Huawei(華為技術会社)とケニア最大のモバイル通信会社のサファリコムは共同で、2011年6月6日にケニアのナイロビ大学、モイ大学、ジョモケニアッタ農工大学と、ケニアの高等教育制度における情報通信技術教育及び職業訓練レベルの強化の支援を旨とする協力了解の備忘録を締結した。

Huawei東南アフリカ地域責任者の李大豊氏は署名式で、アフリカの情報通信技術教育分野の教育内容は立ち遅れているものも多く、Huaweiはアフリカの国々の知識格差の是正を支援していくと述べた。サファリコムの企業事務部のディレクターのンキザ・ワイタ(Nzioka Waita)氏は、Huawei、サファリコムとケニアの三大学で教育と訓練の協力を展開し、ケニアのためにより多くの質の高い人材を養成していくと述べた。

ケニアの新聞・通信省の事務次官ビタンギ・ンデモ博士は署名式で、今の社会は情報が急速に発展している時代だと述べ、ケニア政府を代表してHuaweiとサファリコムの三大学で展開している協力に感謝を示し、これはケニアの情報通信技術人材の職業の発展に資するだろうと述べた。

Huaweiとサファリコムは共同で上述の三大学が電気通信分野で最新の知識と技術を獲得できるようサポートし、ケニアにあるHuaweiの訓練センターを貸し出し、学校関係の専門人材の最新技術の訓練をサポートした。このほか、Huaweiとサファリコムは三大学のシラバスの策定やインターンシップ、専門のシンポジウムやコンペといった活動等を助け、技術イノベーションのローカル化のレベルを高めている。

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中国がアフリカや途上国に進出し、協力を実施するときには、「平等互恵(平等でWin-Win)」というスローガンがよく掲げられます。現地の有名大学と連携しての人材育成事業は、現地での企業イメージを高めるのみならず、若いケニアの技術者の中での技術スタンダードやHuaweiやその商品への忠誠心を高めることにもつながる、Win-Winな結果を追求したCSR事業だといえるでしょう。中国企業が世界との接触を拡大していくに従い、このような戦略的なCSRによる現地との関係構築の試みも進化していくのかもしれません。

 

参考:

http://www.dn-peixun.com/Article/Print.asp?ArticleID=232

Huaweiによる記事(英語)

http://www.huawei.com/africa/en/catalog.do?id=763

翻訳とコメント:土居健市

校正:松江直子

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