2012/05/31 by Matsue

【王艶蕊】すべての高齢者に自宅での楽しい晩年を―楽齢合作社

楽齢合作社は2006年末に設立、中国の高齢化問題に照準を合わせ、住み慣れた地域コミュニティでの在宅介護サービス推進に尽力する民間公益団体である。2008年末に北京楽齢老年文化発展有限公司として登録、設立された。

 

ビジョン: 高齢者一人一人が自宅で楽しく老後の時間を過ごせるようになる事を目指す。

使   住み慣れた地域コミュニティでの高齢者サービスという楽齢モデルを推進し、楽し い老後の環境を造る。

    景 :中国は徐々に高齢化社会に移行しており、2010年末には60歳以上の高齢者人口は1.74億人で総人口の12.78%に、また2051年には4.37億人のピークに達し、総人口の31%前後を占めると予測されている。最近の調査によると都市部では平均49%のお年寄りが身近に息子や娘がいない生活に直面している。高齢化は数多くの社会問題を引き起こし、高齢者層のニーズは増える一方だ。これに如何に対応し解決するか、楽齢合作社は基盤となる地域社会で活動を展開している。

“楽齢”名前の由来

楽齢”という言葉はライフステージに新しい解釈を加えるだけのみならず、ある種の全く新しい生活態度を提唱するものである。それは健康で楽しく積極的・自主的な老後の新生活であり、現代の高齢者達が伝統を越えた精神や気概を自己表現する事である。(晩年を表す言葉として)“銀髪族”ではあまりにも平凡、“夕陽紅”は元気が無い印象、“桑楡”は夕焼けに照らされるイメージ、“金秋”は正に落ち葉の中……。楽齢―楽しく年齢をエンジョイする―簡単な一語だが、まさに読んで字の如し。高齢者は楽しみを享受するだけでなく、楽しさを伝えていく事、楽しさを広めていく事もできる。なぜなら、楽しみは彼ら自身のものであると同時に、彼らの子孫のものでもあり、家庭のものでもあり、ひいては社会全体のものなのだから。

長期的戦略目標

  • 社会全体が高齢者をいたわる事を提唱する
  • プロとして信頼される在宅介護社会団体となる
  • 地域ぐるみで高齢者の自主的参加や価値の実現をサポートし、積極的な老後の生活スタイルを提唱する

楽齢の歩み

2006年末  設立計画を開始する

2007年3月 試行地区における業務を正式に開始

2008年7月 「都市における地域コミュニティ参加型自治のためのリソース・プラットフォーム」プログラムとフォード財団(Ford Foundation)に申請した地域コミュニティイノベーション計画が通り、地域に在宅介護サポート・プラットフォームを建設するプログラムが正式にスタート

2008年10月 北京楽齢老年文化発展有限公司を設立、登録

2009年 3月 友成企業家扶貧基金会とブリティッシュ・カウンシル主催の社会起業家技能研修に参加し組織委員会特別賞を受賞、専門職による訪問サービスを始める

2009年 6月 NPI(新規公益事業育成支援機関)による支援開始

2010年10月 石景山区コミュニティ・サービスセンターと契約、96156サービス(地域の公共サービス・ホットライン)の提供事業者となる

2010年 2月 同センターと契約、同区の訪問介護サービス提供事業者となる

2010年 6月 NPIの支援終了

2010年 9月 石景山区青年起業“ベスト公益民生賞”を獲得

2010年10月 北京市人民政府より“北京市高齢者サービス先進団体”に認定される

2010年11月 2010年壹基金の“潜在的な社会的影響力のある公益モデル・イノベーション賞”を受賞

2010年12月 北京市ボランティア連合会と国連ボランティア組織が認定する“2008年北京オリンピックを通じて中国ボランティアサービス事業の発展を促進する公益実践モデルプログラム”に選ばれる

2011月 3月 石景山区2010年度のコミュニティ・サービス優秀事業者に選ばれる

業務内容

楽齢の地域コミュニティ高齢者サービスのモデル

  • 地域の高齢者の互助の場であることが特色
  • 専門的なケアを提供
  • 生活が困難など特殊な事情を持つ高齢者を重点的にサポート

一、高齢者婦人に対する援助

 地域の互助グループに働きかけ、経済的身体的な問題を抱える高齢者婦人に技能訓練を行い、彼女たちが手工芸品を開発するのをサポート、バザーなどの方法で収入が得られるようにし、高齢者の生活の質を改善するという目的を達成する。また団体研修を行って高齢者婦人達に物心両面でのサポートを行い、最終的には高齢者達に自身の存在価値を実感させ、尊厳のある老後生活を送ってもらう。

2007年3月試行地域で行われたプログラムは計6名の高齢者婦人の参加があり、各婦人に毎月100元の生活補助を提供した。

2008年5月より、手工芸品一件につき労務費発給を開始。2010年末までに、楽齢は続々と石景山区の五つの地区にこのプログラムを展開、毎月援助する高齢者は30名に上り、120回前後のグループ活動を行った。

二、地域の高齢者の相互扶助の場

楽齢合作社は試行地区と協力し、地域コミュニティへの参加という理念と試行地区の特色を結びつける。各界の資源を整理再編し、高齢者が積極的に地域づくりに参加するよう励まし、地域が高齢者の暖かい家庭となるよう共に尽力する。2007年3月より、楽齢は(石景山区)古城地区の天翔コミュニティと協力して、“天翔コミュニティ夕陽紅楽園”を設立、地域ぐるみで“コミュニティ参加型”のサービスを展開している。

“夕陽紅楽園”は高齢者の興味や嗜好に合わせて研修、講座、相互訪問、サロン、茶館等多種の形で活動を行っている。月曜日から金曜日の午後は合唱、編み物、おしゃべり、保健、囲碁の五つのグループに分かれ、自分たちで班長を選び、管理規則を定める。これらの活動を通じて高齢者の主体的な参加、自主活動、自己管理を奨励し、それぞれ自己の興味や趣味にあった活動に参加することで、自分の能力を再確認し、自信と高齢になっても社会に貢献するという気持ちを持たせる。

2008年7月、我々は試行地区での経験をもとに、コミュニティに於ける在宅介護支援プラットフォーム・プログラムを始動した。

コミュニティの高齢者活動グループは自助或いは互助の高齢者サービスプログラムを行う中で、申告すれば小額の公益活動資金を得られる。このやり方で高齢者グループの自主的な参加と自給自足型サービスの能力を更に向上させ、高齢者グループの地域コミュニティへの自主的参画、社会的能力を広げた。本プログラムの目的はNGOと地域コミュニティの協力モデルという形を通じて、地域コミュニティにおける在宅介護サポート・ネットワークを構築し、高齢者の生活の質を高め、その需要を真に満たして高齢化問題を解決する実践モデルを模索することである。2010年6月、北京市ボランティア連合会の春芽計画 (ボランティア育成プログラム)の協力の下、このプロジェクトは多くの地区で推進され始めた。

2010年末までに18の高齢者公益活動グループを設立させ、サービスを受けた高齢者は3000人余りに達した。

三、プロの高齢者介護サービス

専門的で質の高い高齢者介護サービスは楽齢が一貫して追求する目標である。我々は様々な対策をとり高齢者サービスのレベルアップを図っている。《訪問による調査研究作業の流れ及び重点作業の細分化》、《予約サービスの流れと主な内容》、《訪問サービスマニュアル》等の制度を策定することで、専門的な管理システムを形作った。中級ソーシャルワーカー、補助ソーシャルワーカー、セラピスト、中級介護士、初級介護士、リハビリ士等の職業資格を持つスタッフを多く採用・育成することで、専門サービスチームを構築。積極的に専門的な独自のサービスを展開し、地区内の高齢者家庭、高齢者を対象に予備評価を行い、個別化されたサービスメニューを定めている。専門的な技能を持った専従介護スタッフを養成し、訪問又はデイケアサービスを通じて健康管理や生活面でのお世話、精神的なパートナー、リハビリのサポート、保健上の問い合わせ等の専門サービスを提供し、高齢者が安心して老後を暮らせるようサポートしている。

住所:北京市石景山区コミュニティ・サービスセンター 223号室 (楊庄路)

メールアドレス:leling.org@gmail.com

翻訳:西口友紀子

校正:松江直子

This post is also available in: 簡体中国語

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