2012/02/17 by Matsue

携帯電話でゴリラを守れ!‐ A SEED JAPAN「ケータイゴリラ」―エコプロダクツ2011シリーズ(1)

2011年12月15日‐17日、752の企業・団体が参加する日本最大級の環境展示会、「第13回エコプロダクツ2011」が東京ビッグサイトにて開催され、およそ18万人が最先端の環境製品や関連技術・サービスそして様々な環境活動について知ろうと集まりました。CSネットは同展示会の中国語対応サポートを担当し、中国語での情報発信・ガイドツアー・ブース対応を行うとともに、スタッフが気になるブースを取材しました。今後数回に亘り、会場で見つけたお勧め情報をお届けします。第一回目はA SEED JAPANの「ケータイゴリラ」プロジェクトです。

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いまや人々の生活になくてはならないものとなった「携帯電話」。 私もずっと使うつもりで1台目の携帯電話を買ったが、数年後に家族の都合で機種変更をした。なんとなくそのまま手元に残った古い携帯電話。それを正しくリサイクルすることで、絶滅危惧種のゴリラ保護に役立つ活動があると知り、エコプロダクツ2011の「ケータイゴリラ」ブースを訪ねた。

この「ケータイゴリラ」プロジェクトは、国際青年環境NGOのA SEED JAPANと中間支援組織FLAT SPACEの共同企画。二つの廃棄物処理会社の協力のもと運営している。FLAT SPACE代表であり、A SEED JAPANの理事でもある羽仁カンタさんが概要を説明してくれた。

“携帯電話には何種類ものレアメタル(=希少な金属)が使われています。そのレアメタルの一つ、「タンタル」はアフリカのコンゴ民主共和国で一部産出されています。世界中で携帯電話が爆発的に普及していく中、タンタルは需要が急増し、採掘するためにコンゴのジャングルが次々と荒らされてきました。

その結果、ジャングルに生息するゴリラは、採掘を巡って起きた内戦に巻き込まれたり、長期的にジャングルで過ごす採掘労働者の食用として密猟されたりして生息数が激減し、今や絶滅の危機に瀕しています。(マウンテンゴリラは世界に約700頭、ヒガシローランドゴリラは約1500頭のみ)

過去に失われたゴリラの命は取り戻せませんが、不要になった携帯電話を業者に買い取ってもらうことにより、得られる売却益を、全額ゴリラの保護に取り組む団体(注1)に寄付することで、生き残っているゴリラを守ろう!というのが、この「ケータイゴリラ」プロジェクトです”

さっそく私も古い携帯電話を鞄から取り出し、廃棄依頼書に電話のシリアル番号を記入の上、サインをした。情報漏洩防止のため、その場で羽仁さんが手動の機械で携帯電話に穴をあけ、起動不能にする。まだ使えるものを壊すのだから、「ガチャ」という破壊音に胸が痛むが、ゴリラの保護と資源循環に少しでも寄与できたと思うと、ちょっとだけ救われる気がする。

手続きはこれで終了。あとは、処理業者に運ばれ、人の手で一つ一つ解体され、含まれる金属を取り出して売却するそうだ。1台あたり約50円の収益は全額ゴリラの保護団体に寄付される。 ホームページによれば2012年2月10日現在で携帯電話・携帯充電器・PHSの回収実績は10,727台、355,245円の寄付を行い、今後、デジカメやパソコンの回収も県手旺しているとのことだ。
より多くの人にこの活動に参加してもらうため、「ジャングルボックス」と名付けた常設回収ボックスの貸し出しや、回収に必要な道具をまとめて貸し出すパッケージレンタル、また法人からの一括回収などの方法を提供しているので、イベントなどで大いに利用してほしいものだ。

このほか、A SEED JAPANでは、FLAT SPACE、FoE Japan、アムネスティ・インターナショナル日本と共に「エシカル(ethical:倫理的・道徳的)ケータイキャンペーン」実行委員会を運営し、身近な製品の中の金属資源に対して、メーカーに以下のことに配慮して採掘された鉱物を使用するよう求めている。

・野生の生物を傷つけず、貴重な生態系を壊さない
・先住民族・居住者の生活や土地を尊重する
・児童労働や劣悪な環境での労働を行わない
・武装勢力の資金源とならず、紛争を助長しない

同キャンペーンの内容を紹介した折りたたみ式リーフレットを開くと、はじっこのページは葉書になっている。葉書には、今後自分が一消費者として製品を大切に利用しリサイクルに取り組むこと、そして自然や人々を傷つけないよう配慮された金属で作られた製品をメーカーに求めるという宣言が印刷してあり、署名をして事務局に送る仕組みだ。ウェブサイトからの賛同も可能。結局、ひとりひとりの消費者が、物を買う際にそれがどのように作られたかを考慮して選べるのかどうか、メーカー側もそこに注目している。多くの消費者の声が必要だ。「都市鉱山」といわれるほど、多くの金属を所有し利用している私たちの暮らし。買い物はよく考えて選び、大事に使い、廃棄するときはできるだけ資源循環させたい。

注1:ポレポレ基金・国際ゴリラ保全計画・ヴィルンガ国立公園

参考:A SEED JAPANについて
A SEEDとはAction for Solidarity, Equality, Environment and Developmentの略。1992年に開催された地球サミットに青年の声を届けるため、世界約50ヶ国70団体が参加した「A SEED国際キャンペーン」を機に世界の5地域に設立された国際青年環境NGO。このときの地球サミットでは、これまでばらばらな問題だと思われていた個別の環境問題は、無秩序な開発や成長を求め続ける経済の仕組みが原因となって生じており、密接につながった地球規模の問題だということが明らかになった。

A SEED JAPANでは環境問題とその中に含まれる社会的な不公正に注目し、現在の大量生産・大量消費・大量廃棄のパターンの変更と、南北間・地域間・世代間の格差の解消を求め、より持続可能で公正な社会を目指している。現在進行中のプロジェクトは以下の通り。

・ケータイゴリラチーム
・エシカルメタルプロジェクト
・ごみゼロナビゲーションチーム
・エコ貯金プロジェクト
・メディアCSRプロジェクト
・水源WATCH!プロジェクト

一部の写真はケータイゴリラのウェブサイトより借用

文・写真:松江直子

 

 

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