2011/12/15 by Matsue

循環経済の実現に向けて ~循環型経済推進プロジェクト中間成果発表会開催~

「中国の持続的な発展には、循環型経済の構築が不可欠。プロジェクトを通じて、中国の資源循環の一層の構築を推進したい」。環境保護部国際合作司の徐慶華司長の挨拶で幕を開けた「循環型経済推進プロジェクト」の中間成果発表会。これにこたえる形で、日本側からは「『足るを知る』の価値観を共有する日中両国の協力の意義は高い」(日本大使館山﨑公使)、「民間企業をはじめとする方々との連携を通じて初めて実現する循環経済」(JICA中川所長)との挨拶が続きました。

循環型経済推進プロジェクトは、中国政府が2009年に制定、施行した循環経済促進法の趣旨を踏まえ、持続可能な発展の実現に協力すべくJICAと中国環境保護部が協力して実施しているプロジェクトです。本プロジェクトでは、循環型経済推進のための課題を、資源投入・生産から廃棄・処分に係る一連のサイクルに沿って4つ(①環境に配慮した事業活動の推進、②国民の環境意識の向上、③静脈産業類生態工業園(エコタウン)整備の推進、④廃棄物の適正管理の推進)に整理し、その各々をサブプロジェクトとして位置づけ、活動を行っています。

今年は本プロジェクト実施期間(2008年10月~2013年10月)の中間地点にあたるため、これまでのプロジェクトの成果を広く共有し、今後の活動の参考とするため、10月26日、北京市内の日中友好環境保全センターにて中間成果発表会を開催しました。日中環境協力、環境ビジネスに関わる両国の政府関係者、民間企業、学術研究者など、合計で約120名が参加しました。

中国側からは本プロジェクトの成果として、上場企業環境情報公開ガイドライン案(2010年9月発布)、企業環境報告書作成ガイドライン(2010年6月発布・2011年10月施行)、企業環境監督員制度の制度案や教材(6分野)の開発、試行的研修(約8000人)の実施について報告されました。また、日中友好環境保全センター内に開設予定の「環境技術情報プラザ(仮称)」で活動する予定の環境解説ボランティアの育成研修が実施されているとともに環境教育教材(教師用・学生用)が完成したことが紹介されました。

廃棄物適正管理に関する協力では、中国に最適な管理分類として17種類の廃棄物分類リスト及び28種類の廃棄物統計リストの完成が紹介されるとともに、ダイオキシン類簡易測定法に関する技術マニュアル案の完成とその改善にむけた取り組みが紹介されました。

一方、日本側からは日本がこれまでに経済発展と環境汚染拡大の経験をもとに築き上げてきた環境保全法体系の紹介と課題解決の歩み、エコタウンの枠組みなど、循環型社会の推進状況についての解説が行われました。その中には、「公害防止管理者制度」に関する不正事とその対策や、「生活ごみ焼却施設の建設」に関する問題の解決に必要な住民参加の重要性など、現在中国が直面している課題へのヒントが含まれています。

参加者からは、「中国の循環型経済の推進状況や今後の政策の方向性が一度にまとめて理解できた」、「今後自分が担当業務を推進する上での参考になった」、「日本の環境政策の最新動向を具体的に理解できた」などといった感想や、本プロジェクトのさらなる成果達成への期待など、様々な意見が寄せられました。

中国政府は2009年に循環経済促進法を制定・施行し、持続可能な発展の実現に向けた取り組みを推進しています。本プロジェクトでは、引き続き環境保護部、日中友好環境保全センターならびに日本環境省と協力し、企業、自治体や研究機関等と連携しながら、循環型経済推進に向けた取り組みを行っていきます。

(所員 那須毅寛)

JICA中国事務所ニュース(2011年11月号)より転載

http://www.jica.go.jp/china/office/others/newsletter/201111/pdf/201111.pdf

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