2011/10/31 by Fancy

屋久島コラム7:ゆっくりと、堅実に進めよう

ニーハオ!屋久子です。「自然共生型社会をめざす」をテーマにした屋久島プロジェクトも、今月、いよいよクライマックスを迎えました。10月12日から17日までの六日間、雲南省から招いた6名の環境保護、地域づくりの専門家が屋久島を訪れ、交流フォーラムと視察ツアーに参加し、日本側の関係者とふれあい、じっくりと交流することができました。

屋久子としても、屋久島を訪れたのは今回が二回目でしたが、一回目よりもさらに多くの発見がありました。同じ方の話でも、新たな角度から見ると、また新しい認識が生まれます。それは時間の経過によると同時に、その場を共有する人たちのおかげでもあります。

到着の翌日、「世界遺産地域における自然共生型社会の実現に向けて」をテーマとした「屋久島・雲南交流フォーラム2011」が屋久島環境文化研修センターの会議室で行われました。当初は公開イベントとして計画しましたが、関係者の合意によって内輪の会議となりました。東アジア地域でのネットワークを作るという最終目標を変えたのではなく、外に向かって発信する前に、まず関係者同士で十分に議論し、共同認識を得ることが重要だという認識に基づいた変更です。一年間のプロジェクトだからといって、急いで進めると、挽回できない重大なミスを犯す可能性もあると考え、慎重に進めようと決めたわけです。

9月に来日したLEAD訪問団のメンバーで、チベット族の楊出雲さんの言葉を思い出しました。「チベット人と日本人はとっても似ていると思います。それは“急がないで、ゆっくりと行く”ことです」。

今回のフォーラム参加者は合計18名。中国側は、プロジェクトパートナーの王国慧さんを除いて、全員が雲南省からの参加者―白馬雪山自然保護区の肖さん、斯那此里さん、提布さん、雲南省で自然保護、地域づくりを支援する国際NGO・Winrock国際農業開発センターの馬さんと李さん2名、そして梅山雪山で環境調査活動に携わる実践者の姜さんです。日本側の参加者は、NPO法人日本エコツーリズムセンターの代表理事・広瀬敏通さんと屋久子のほか、全員屋久島在住の関係者―NPO屋久島うみがめ館代表大牟田さん、森林保護運動家・柴さん、屋久島野外活動総合センターの小原さん、一般社団法人Act Beyond Trustの代表・星川さんご夫妻、陶芸家山下さんご夫妻、及び2名の傍聴者どが参加しました。

発表者は日中各4名で、交替で報告を行いました。日本側の皆さんの活動は初めて聞いたわけではありませんが、様々な活動を同じ場で報告し、議論することによって、参加者の認識がさらに深まり、化学反応が起きたと思います。なぜ保護する亀を食べるか?なぜ屋久島を「自然共生型社会」の発信源にしたいか?エコツアーと大衆観光とは根本的な違いは何か?人々が心から求めているエコツアーはどんなものか?等々。30年という長い歳月をかけて亀や森の保護活動をする人々、地道な事前調査を重ねてから提供する「一ヶ所をじっくり回る」エコツアー、地域の人とのふれあいに時間をかけたからこそ得られた感動、どれも、「ゆっくりと、堅実に進める」というメッセージが伝わってくるものばかりでした。


屋久島のゴミ分類に興味津々の訪問団一行

一方、中国側の発表からも同じメッセージが読み取れました。白馬雪山自然保護区はなぜ地域から支持を得られたか?なぜ梅里雪山がごみ問題で悩まされているのか?チベット族の人々はどうのように自然と付き合ってきたのか?世界遺産が直面する問題とは何なのか?

答えはおそらく同じでしょう。「急がばまわれ」。時間と努力を惜しまず、堅実にものごとを進めていく人は、大事なものを守れる、いいものをつくれる、肝心なメッセージを確実に伝えられると思います。

送別会で、参加者たちはそれぞれの思いを語り合い、長期的な協力関係への意欲を確認しあいました。次のステップに移すために、何をしなければならないかについて、現在、日中関係者同士は真剣に考えているところです。CSネットの役割は、今までの交流活動の成果を最大限に生かし、継続的に「自然共生」のネットワークを広げていくことだと思います。


友情のために乾杯!

フォーラム当日の日程と参加者リストは、http://csnet.asia/archives/6917をご参考ください。
では、また今度。再見!

屋久子

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