2011/10/29 by Matsue

【馬軍】汚染地図、データバンクが支えるグリーンチェーン

馬軍の中国の水質汚染への注目は、香港での≪南華早報≫研究員時代に始まった。この10年近い間に、彼は河の流れの枯渇や湖沼の汚染など、心を痛める環境汚染事件を目撃してきた。彼は多くの科学技術文献、歴史書を精読し、何度も現地視察を行ってのち、1999年に≪中国の水危機≫を著した。この書を世に問うと、すぐに環境保護の領域に大きな反響を呼んだ。多くの団体が行うデータのない単純な講演とは異なり、彼の書の中では、多くの未加工のデータや図、表などの資料が用いられており、しかも発表したのが英語版で、これはデータを使用して話すのを好む外国の研究者を非常に喜ばせた。


データは文字のように直接的ではないけれども、文字に比べて更に大きな威力を生む。彼はこのことを経験してのち、如何にデータで社会の関心を引き、情報公開を進めるか意識的に調べ始めた。
20世紀末に発展を始めたインターネットが、彼に非常に多くの啓発を与えた。彼はアメリカのscorecardという環境情報公開のサイトを見つけ、一般の人が自分が関心を持つ地区の郵便番号を入力さえすれば、水質、企業の公害情報、汚染物の状況など現地の環境情報を手軽に見ることができることを知った。彼は中国版のscorecardサイトを製作し、中国政府とメディアが公表する環境情報を収集し、興味を持つ人が検索できる場を提供することを考え始めた。

2006年、彼は公衆環境研究センターを創立し、“中国水質汚染地図”と“中国の大気汚染地図”を開発して、中国初の水質汚染と大気汚染の公益データバンクを作った。
利用者はこの“中国大気汚染地図”という公益データバンクのホームページから、全国の31の省級行政区と300を超す地方都市級行政区のページに入り、現地の水質情報、汚染排出情報、また基準を超えて排出している企業や汚水処理施設などの汚染源情報を検索することができる。
2006年から2011年まで、彼とその団体は、水質汚染と大気汚染に対するデータバンクの更新を続けている。“中国水質汚染地図”にはすでに8万余の企業環境監督管理記録を掲載した。2008年8月、汚染地図を基に、公衆環境研究センターはグリーン選択連盟と名づけたサプライ・チェーン・マネジメントシステムを開発した。企業はサプライヤーの名称をサーチエンジンに単に入力するだけで、すぐに自分のサプライヤーが政府の処罰を受けたり規則に違反して基準を超えたことがあるかどうか分かる。

グリーン選択サプライ・チェーン・マネジメントシステムは市民が環境保護に参加するための新しい試みだ。情報公開と市民参加が呼び起こす原動力を、先頭を切る企業を通じて、膨大な数に上る世界中のサプライチェーンに伝え、そこから市場の力を結集し、発展途上国の環境保護が進展するよう促す」と彼は言う。
水質汚染地図で喚起した市民参加は、以前の単純に政府に頼る上から下への監督管理形式とは違う。公衆環境研究センターは政府発の情報を集めるほかに、現地のコミュニティや環境保護団体などの民間の力に頼って環境汚染問題を見つけ、これを手掛かりに政府の監督管理情報を探し出す。続いてメディアの相互作用とフォローアップを通じ、企業の汚染情報を社会に伝え、更に汚染企業に対し、世論の圧力を形成し、企業に改革を促す。これまでに、いくつかの地方政府も積極的に応じ、汚染のひどい企業に対して生産停止及び組織再編処置を行った。これにより、各利害関係者に良好な相互作用がもたらされたのである。

出所:社会創業家 2011/06
編集|盧昱
http://www.npi.org.cn/magazines.php?pid=2
翻訳:岡田由一
校正:松江直子

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