2011/10/27 by Matsue

【宮崎いずみエッセー】北京幼稚園事情ー保護者会

一人っ子政策の中国。国民が豊かになるにつれ、幼児教育もますます進化してきているようです。宮崎さんのレポートから、子どもの教育に賭ける親と教師の熱い気持が伝わってきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日は娘の幼稚園の保護者会がありました。1時間半にわたる園長先生からのお話+質疑応答という会でしたが、日ごろ保護者の方々から出された意見に対する答えの形での発言も多々あり、中国の現状がかいまみられる機会となりました。
園長先生のお話は、幼稚園での「お勉強」についての科目設定や内容についての説明から始まり、子供への教育上、留意してほしい点が述べられました。例えば、何でも親がしてしまう(例えば、通学時のかばんも大人が代わりに持つ)ことや、幼稚園でせっかくしつけた習慣(例えば昼寝時に着替えた服をきちんとたたむなど)が家庭ではルーズなために週末家庭で過ごすとまた元に戻ってしまうなど。基本的には、「よい習慣を身につけるよう厳しめにしつけましょう。」というメッセージでした。一人っ子で、甘やかされているということもありますが、親自身も反省の余地ありといったところでしょうか。

(写真1 保護者の前で話をする園長先生)

なにより印象的だったのは、幼稚園で出される給食の安全性について、細かく説明があったことです。以前レポートしたように、幼稚園では朝・昼・晩の3食+おやつ2回が提供されるわけですが、その材料の購入先、厨房の管理方法などについて、例えば鶏肉はどこのスーパーのどの生産元のものか、油はどのスーパーで購入し、遺伝子組み換えでないものを選んでいるなどといった点まで報告がありました。中国では最近頻繁に、残飯の油を再利用している(再利用した油を購入している)レストランや、腐りかけの野菜を使用している小学校の食堂などの報道が聞かれ、みな、食の安全性に敏感になっているのでしょう。
また、おやつの果物に旬以外のものを強く希望された親御さんがいらっしゃったとかで、旬に反した果物は栄養価も漢方的な体との相関関係もよくないため、絶対出しませんとのこと。この幼稚園では、日常飲む水も単純な湯冷ましではなく、秋冬はせきによいとされる梨や大根を煮た汁や、ちょっとした漢方薬剤を煮出したもの、夏は体の熱をとるとされる緑豆の煮汁などを出してくれており、さすが医食同源の国、飲食への気遣いがよく分かります。
飲食と言えば、こちらでは「飴」が「悪者」になっていることについて、過敏になりすぎないようにとの話もありました。「肥満」や「虫歯」の元凶としてでしょうか、多くの親御さんが子供が飴を食べるのを禁止しているようです。私もママ友たちとのおつきあいでもそれを強く感じました。幼稚園のおやつの時間も果物だけですし、子供の軽食用に持ち歩くのも果物がけっこう多く、「お菓子」の類は日本と比べるとまだ肩身の狭い存在のようです。母親が子供におやつのお菓子を作ってあげるようなことはまだ聞いたことがありません。

(写真2 中国で以前から人気のある米菓。日本の「雪の宿」という商品名のお菓子と同じものです。)

話が「飲食」ばかりになってしまいましたが、今回の保護者会で、園が教育そのものだけでなく、生活全般についても細かい気遣いをもって運営されていることがわかり、安心感を得ることができました。この幼稚園は私立で、熱心に取り組んでいらっしゃることも事実ですが、同時に保護者の方々からのプレッシャーも無視できないでしょう。一人の子供に両親、おじいちゃんおばあちゃんたちからの目。それは子供自身に注がれるだけでなく、幼稚園にも細かな要望や意見が出されます。幼稚園は子供たちに健全に育ってもらうため、そして問題を起こさないように、最善を尽くしているという姿勢が感じられます。公立の幼稚園ではまだまだ高圧的な態度のところもあるようですが、このように保護者の理解と満足の上に運営を進めようとしている幼稚園も存在しており、中国の経済と意識の変化を感じます。

(写真3 幼稚園の運動場での朝の体操)

宮崎いずみ

Facebook Twitter 微博

CATEGOLY