2011/10/20 by Matsue

アミタ持続可能経済研究所―岡田健一氏との交流記録

2011年9月9日、第2回富平LEAD and Beyond来日研修の最後の訪問先として、一行は東京・三番町の株式会社 アミタ持続可能経済研究所を訪ね、東北事務所の岡田健一氏にお話を伺った。
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アミタは1977年兵庫県の姫路で設立、現在南は北九州から北は仙台まで、現在12箇所の拠点がある。もともとは非鉄金属を扱う商社だった。オイルショックによる景気悪化の中、廃棄物処理に悩む顧客と、原料高騰に悩む顧客を結びつける仕事をはじめた。すべての物に価値があるという理念のもとで、持続可能な社会を実現することをミッションとする社会的企業として以下三つの事業に取り組んでいる。

 

1. 地上資源事業・・・地下資源は地上に出てきて、利用された後は最終的に廃棄物として捨てられるが、その廃棄物を再資源化する。この再生資源はいわば「地上資源」。全体の売り上げの約9割を占める。
2. 環境ソリューション事業・・・廃棄物リスクマネジメント・ゼロエミッション・農林水産業経営のコンサルティング、環境認証サービス(森林認証、漁業認証など)
3. 自然産業創出事業
地域が持つ自然の価値を高め、持続可能な地域づくりを支援。

また、東日本大震災に関して、廃棄物処理支援、復興支援、募金、ボランティアなどを行っている。

質疑応答
Q:中国は政府の資源コントロールが厳しいので、ある企業の廃棄物を他の企業に売るというよりは、ひとつの企業内部で資源を循環することが奨励される。
A:中国は地域ごとに資源処理のやり方が違うので、そんなに簡単に参入できるものではない。たとえば、中国の水処理技術などではヨーロッパの方が日本より参入している。それは、欧米はかなり現地化してまかせているのに対し、日本は自分がコントロールしようとするので失敗する。中国と日本の基本的技術はほぼ同じレベル。中国企業は日本企業のノウハウとブランドがほしい。最近の中国企業は、外国企業というよりは、国内のライバル企業に勝つことへの関心が強くなってきていると感じる。

Q:中国は、たとえば環境でも、技術はあるがノウハウがないのでは?
A:技術は問題を解決するための手段のひとつ。ノウハウは技術やいろいろなものを組み合わせて問題を解決する力。高度な技術より簡単な技術で解決できる方が、ノウハウが高い。今後中国でも環境基準が厳しくなってくれば、自然とノウハウもついてくるだろう。

Q:中国では新しいことをはじめるとき、参考のために海外の取り組みを見るが、アミタは自分たちだけで模索してきたようだが、どうしてその自信が持てたのか?

A:会社ができた当時は、今のような再資源化事業のモデルはなかった。お客さんの悩みや要望に応えてやってみたら、不要な廃棄物が必要とされる資源になることが分かった。つまり、この世には無価値なものはないことということ。競争は価値のあるものを奪い合って起こるが、世間が価値を認めないものに価値を見出して事業をやれば、すぐに1番になれる可能性が高い。中国において、成功するための手法としては正しいと思うが、その先に行こうとすると、新しい発想が必要になる。

Q:アミタのほかのグループ会社の規模、収益構成、社員構成は?
A:2010年の数字では、売上高は地上資源事業で約47億円、環境ソリューション事業で約5億円、自然産業創出事業で約2億円。人員はアミタ等グループ全体で220人程度。

Q:社会的課題の解決を目指す事業はコストもかかるが、ビジネスとしてやっているのか、それとも会社全体の利益率が低くなっても社会的コストを支払うという考えか?
A:あくまでビジネス。事業を通して社会的課題の解決に寄与することが企業の使命。何をして儲けるにしても税金を納付すればよいという考え方もあるが、税金を払うというのは国や行政にお金を払って社会的課題の解決を委任することといえる。そうではなく、事業を通して社会的課題の解決に寄与するほうがずっと良いお金の使い方であり、ポジティブな投資といえる。CSRや寄付ではなく、ビジネスとしてやることで持続可能となる。また、社会的課題を解決する事業でなければ会社が持続しない。

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最終日の総括では、アミタの事業がもつ業界の基準作りと規範効果がキーワードとして挙げられた。

文責:松江直子

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