2011/09/30 by Matsue

北京市民の365日青空日記

北京市民の盧為薇は外資系企業の中堅社員、藩涛はファッション雑誌の契約カメラマンだ。彼らは言う。「朝から晩まで下を向いて歩いてないで、顔を上げて毎日空を眺めてみよう。誰でも自分の得意なこと、好きなことを通じて環境保護ができますよ」と。365日、雨にも負けず、風にも負けない「青空日記」は、北京の空を記録した環境日記だ。空が灰色のとき、彼らは道路標識だけを撮る。青空のときは、通りすがりの人にユーモラスな黒いサングラスを掛けてもらい、心からの笑顔をカメラに向けてもらう。すべての写真には地名を示す道路標識と、当日の日付が入っている。

盧為薇と藩涛は、ともに北京生まれ。自転車で学校に通った頃のことをとても懐かしく思っている。あのころ、北京の空は「とても青く、空気はきれいだった」。「環境問題を扱う写真の中には、あまりにグロテスクだったり暴力的なものがあって、人を落ち込ませるし、却って反発したくなる」。「China Dialogue」(訳注:著名な環境情報サイト)のインタビューに藩涛はこう答えた。「青空に白い雲が浮かぶようないい天気の日にちょっと写真を撮る。こうした何気ないやり方で普通の人たちみんなに北京の空への関心を持ってほしい。手軽にできる小さなことでいい。環境保護は重い犠牲を払って大々的にやらなきゃいけないということはないのだから」

写真はすべて、捨てられていた簡易カメラで撮影された。「環境保護は、少数のエリートたちの贅沢な行為ではなく、高価な機材も必要ない。重要なのは気持ちだ」。盧為薇と藩涛は、自分達の行動でそれをみんなに伝えたかった。

彼らの写真記録によれば、2009年5月31日から2010年6月1日までの期間、北京で青空が見えた日は180日だった。これは環境保護局の発表する数字より100日あまり少ない。この「北京青空日記」は、市民に注目され、公式データの真実性に対する熱い議論を呼んだ。公式データは、曇りの日もむりやり青空に数えて行政の手柄にしていたのではないか―。

「北京青空日記」は、民間による善意の呼びかけと期待であるとみなされている。二人の記録者は、人々が物事を直感で捉える重要性と、大気の質を自分で判断する積極性が必要だと強調している。市民の幸福感にとって、大事なのはデータではなくて、顔を上げたその瞬間に見えたものが、気持の良い青空なのか、陰鬱な灰色なのか、だ。

この組写真が引き起こした議論は、一般市民と環境保護局担当者との間に対話ムードをもたらし、世論はこれを歓迎している。『新京報』が開催した「2010年度コミュニティに最も感動を与えた人物」のコンテストで、「北京青空日記」は環境保護局リーダーによるノミネートと賞賛を得、第4回「SEE.TNC」生態賞の選抜においても、盧為薇と藩涛のマイクロブログは最も人気が高いとして、「weiboエコパワー賞」を獲得。彼らの粘り強い精神はみなを感動させた。

365日、毎日の取るに足らない簡単な行為が、メディアと多くの市民の注目を集めた。盧為薇と藩涛は、自ら行動を起こして環境に注目することで、人々の間に、共に頭上の青空を守っていこうという機運を喚起したのだ。

『社会起業家雑誌』2011年6月号より翻訳して転載
http://www.npi.org.cn/uploads/magazines/npo/2_1011_103812.pdf

編集:天行健(第4回「SEE.TNC」生態賞授賞式記事、『China Dialogue』等からも一部引用)

翻訳:松江直子

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