2008/05/20 by GLI Japan

【広瀬敏通】四川大地震で災害救援専門家―広瀬敏通氏を再訪

5月12日の地震発生直後から、GLI各言語サイトでは被災者へのお見舞いを申し上げ、日・中サイトでは募金などの支援情報もお伝えしていま す。中国語サイトでは、2月の雪害をきっかけに「災害救援とNPO」欄を設け、日本や台湾のNPOによる災害救援・再建援助の経験を伝える記事を掲載して おりますが、今回の地震に際し、再び災害救援専門家の広瀬敏通氏を訪問し、現在災害救援に取り組んでいる中国のNPOにアドバイスをいただきました。(松 江)
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わずか三ヶ月で、再び広瀬さんを訪問することになろうとは、思ってもいなかった。そして今回、私達の気持ちは前回よりも重く、話の内容はより具体的なものだった。

わずか一時間の訪問であったが、私たちは広瀬さんに被害の最新情報およびNGOの救援活動についての状況を紹介し、ボランティアが災害救援活動とそ の後の復興に関わる可能性について伺った。 朝4時まで仕事をしていたという広瀬さんは疲れも見せず、前回と同じように生き生きとした表情で話してくだ さった。

長年に亘る災害救援活動の経験から、広瀬さんは災害救援とその後の復興を4段階に分けている。

第一段階:(地震発生後1週間以内)72時間以内の救援が最も重要。しかし、1週間は生存の可能性がある。
この段階では軍が救援の主体となる。

第二段階:(地震発生後1ヶ月以内)食料・水・医療サービスを被災者に届けることが主要な救援活動となる。
この段階で適切にこれらを得られないと、飢餓・伝染病などの二次的被害を起こす恐れがある。

第三段階:(地震発生後1年以内)仮設住宅の建設、応急作物の生産など、臨時の生活生産設備を整える。

第四段階:(地震発生後4~5年、あるいはそれ以上)生活・仕事環境の再建および被災者の心理ケア。

第二段階で、NGOは軍に協力し、物資の分配作業をより細かく周到に行うことができる。

再建段階になると、より多くの事に参与できる。大地震後には、肉親を失った人や障害の残った人など、心に大きな傷を負った人が沢山生まれ、長期的な 心理ケアが必要であるが、NGOはまさにそのサービスを提供できるはずだ。それぞれの村に留まり、被災者のケアをすると同時に、農業生産を回復するため に、種苗や農具などを集めることもできる。ジャガイモは成長が早い上に栄養価と腹持ちもよいので、再建初期の需要に応えられる。

生活再建の過程で、被災者は自立しなくてはならないが、「自然学校」のような自治組織を作ることが有効である。リーダーは、村の学校の教師でも幹部 でも、この事業に情熱を持つ人なら誰でもよい。老人や子供だけが残された家もあるだろうが、組織はこのような人々の世話をする。しかし、組織に頼るだけで は長期的に維持できないので、都市など他の地域のNGOたちが援助する。多くのNGOが共同で災害救援連合会を設立し、長期的な募金活動を行ったり、被災 地のボランティア組織を通じて、人員・物資・資金をそれぞれの村に届けたりすることもできるだろう。 要は、長期的に持続できる支援体制を確立すること だ。

「人は忘れやすいものです。世界中で災害は絶えず発生していますが、人々はいつでもすぐに忘れてしまうのです。これらの経験と教訓を忘れないため に、自ら現場に赴いて救援作業に参加することは、とても重要です。そこで流した涙や行った作業は、とても重要な記憶となり、また災害が起こった時に、すぐ に態勢を整えて適切な行動を取ることができるのです」

これは、広瀬さんの災害ボランティアに対する期待の表明であるが、私達一人ひとりにとっても、防災意識を高めなくてはならないという重要な指摘である。

最後に広瀬さんは、今後も連絡を取り合い、災害救援や再建に関する相談に応じてくださることを、快く承諾してくださった。

文責:朱恵雯
翻訳:松江直子

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