2011/09/02 by yanyan

CSnet Mail Magazine No.8

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日中市民社会ネットワーク(CSネット)メールマガジン  20118月号(第8号)

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【目次】

  • はじめの言葉: 「被災地の今」
  • CSネット活動報告と今月のお薦めコンテンツ
  • 連載1:今月は雲南省で現地交流を実施しました!詳しくは別便で!!
  • 連載2:日中間の不理解に挑む-「高速鉄道の特許申請に関する本メールマガの文章へのコメント」のご紹介
  • 今月のありがとう!

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【はじめの言葉:被災地の今】

8月26日から29日まで、4ヶ月ぶりに宮城県の被災地を訪れました。4ヶ月前の訪問は、私自身を鬱のぬかるみから救い出し、勇気を与えてくれる訪問でした。4ヶ月も経過した今、復興している現地を見れば、ますます希望が感じられるようになるのではないかと、期待を胸一杯に仙台に降り立ちました。

まず仙台にあるアミタの東北事務所を訪れ、がれき処理の状況、その中で、資源の循環を進めるアミタの立場や役割をお聞きし、南三陸で着手しようとしているプロジェクトについても伺いました。「外から見て至極合理的なプランに見えても、現地ではすんなり受け入れられるとは限らない・・・。都市の論理が競争だとすれば、田舎の論理は共存。災害によってもたらされた格差は、この共存の論理を困難にしている」。深く考えさせられるインタビューでした。

その後南三陸町の志津川と歌津をそれぞれ訪れ、登米市にある日本の森バイオマスネットワークの事務所やRQ市民災害救援センターの現地本部も伺いました。歌津では、仮設住宅に入居している被災者の方の話も伺いました。「自分の家がダブルローンでどうしようもないのに、まちづくりだなんて・・・仕事ができるようにさえしてもらえれば、あとはいくらでも頑張るけどねえ」と、嘆きながらも漬け物の茄子と甘いブドウを出してくれた奥さんの顔が忘れられません。

「希望を感じる」ことは何らかのきっかけがあればできるのですが、「希望を持ち続ける」ことは、そう簡単ではありません。被災直後には、「とにかく踏ん張る」という気概があったとしても、これだけ時間が経つと、さまざまな現実問題に被災者は直面するようになります。被災によってもたらされた格差が、人々の間に感情の亀裂をもたらしかねません。これらの亀裂は、現行の「賛同基づく決定プロセス」をきわめて非効率的なものにしてしまう恐れがあります。私たちのような「外の人間」に、いったい何ができるのでしょうか・・・

そんな被災地でしたが、山も緑も空、まぶしいほど美しく、愛おしかったです。

 

CSネット代表

り・やんやん

【CSネットの活動報告と今月のお薦めコンテンツ】

★今月の屋久島プロジェクトにおいて、雲南省で日中のキーパーソンによる交流活動が行われました。8月のコラムおよびメールマガで毎回お届けしている連載は、この交流克つづを踏まえて、別便にてまたご案内いたします。どうぞお楽しみに!

★LEAD来日研修は、名前を「LEAD and Beyond」に変更し、9月4日から10日まで実施することになりました。8月は、その準備作業を行いました。

http://csnet.asia/archives/6160

★9月9日には、CSネットのネットワーカーである皆様限定で、参加者を募集して、LEADメンバーとの交流会を開催する予定です。是非お申し込みください!

http://csnet.asia/archives/6162

★中国非公募基金会論壇からRQ市民災害救援センターに寄せられた支援金は、8月末を以て使用期間終了となります。このあと3ヶ月以内に、中国の支援者に活動報告書と会計報告書を提出する予定です。CSネットがその作業を担当します。

今月はサイト上では13の記事を更新しました。お薦めは以下です。

★脱サラして、耳の不自由な方のために創設した社会的企業の物語

http://csnet.asia/archives/6125

★80年代生まれ(80後)のボランティア集団―「土豆愛心団」

http://csnet.asia/archives/6114

★出稼ぎ者の子どもたちのために活動する「活力キューブ」

http://csnet.asia/archives/6110

★CSネットボランティア土居健市さんの文章「中国のエイズ問題」。

http://csnet.asia/archives/6095

★新世代農民工はどんな人たち?

http://csnet.asia/archives/6051

★中国の健康雑誌に掲載された「大地を守る会」の紹介:「日本人が安全野菜を手に入れるまで」(その1)

http://csnet.asia/archives/5988

★「日本人が安全野菜を手に入れるまで」(その2)

http://csnet.asia/archives/5993

皆様、どうぞhttp://csnet.asia をよろしくお願いします。

 

【連載1:屋久島プロジェクト】

今月の連載は、雲南での交流活動についてご報告する予定ですが、また別便でお送りします(担当の屋久子は雲南から戻ってきたばかりで、万感極まりにつき、文章がなかなかまとまらないとのこと。悩む屋久子、頑張れ~!)

 

【連載コラム2:日中間の不理解に挑む】高速鉄道の特許申請に関する本メールマガの文章へのコメント紹介

 7/1のメールマガにやんやんが書いた文章「高速鉄道の技術を中国が特許申請しようとしていることについて」に関して、システックエナジー研究所合同会社(SERI)代表パートナーの加藤和正様から2回に分けてコメントをいただきました!!ありがとうございます!ご本人の承諾を得て、今月号で紹介させていただきます。

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(コメント一回目)

 私は日本の鉄鋼会社に35年あまり勤務し、今は友人達と設立したエネルギー技術のコンサルタント会社で仕事をしています。かつて勤務した会社は日本の新幹線の車輪、車軸、台車も商品の一つとして製造していました。国鉄、JRと続いた日本の鉄道輸送の技術を支えたのは鉄道総研です。

 新幹線はこの鉄道総研をセンターに開発され、私がかつて所属した会社もこの技術発展を支えました。工業所有権(今は意匠権なども含めて知的財産のかたちで権利が保障されています)は鉄道総研自身とそれを支えた素材、部品の各会社によって権利化され、その努力は対価のかたちで補償されています。これがルールで、中国はパリ条約(1984年)およびPCT条約(1993年)に加入済みです。この国際条約は国際ルールですから、これに従って対価を支払っていれば全く問題は発生しません。たとえ、中国の新幹線が日本の新幹線と酷似していようとその知材権としての対価を日本側に支払っていれば全く問題無い訳です。さらに、一旦使用権を購入した技術をベースに加えて新たなアイデアを構築して新しい財産権を設定するのは全く自然な事です。かつて、日本が欧米の特許を購入してそれを礎に新たな工業使用権を設定して行ったのと同様です。

 「高速鉄道の技術を中国が特許申請しようとしている」と言う情報は私も見たり聞いたりしました。その時思ったのは、日本のジャーナリズムはちゃんと知的財産の権利関係の実体を押さえて報道しているのかと言う疑問です。この情報が提供されない限り何とも理解し難い。それでなくても、中国政府が情報を制限、コントロールしているとか、上海万博のテーマソングはかつての日本の流行歌のコピーだとか、ディズニーランドのキャラクターで構成したアミューズメントパークを無断に運営している等々、中国にとってマイナスサイドの事実が意識的に報道されています。ここには、日中両国のジャーナリズムの問題(すなわち偏ったキャンペーン報道)の問題と知的財産権尊重意識の欠如の実体が存在します。さらに言えば、日本国民にとっては中国政府の海軍軍事進出の情報も気になります。つまり、覇権主義で中国に迷惑をかけた日本が、今度は逆の立場で中国の覇権主義に制圧されるかも知れないと言う恐れが煽られているのです。そして、このポリティカルな扇情は良く効くのです。

 解決方法は、ネット情報の活用、そして更なる日中の市民交流の促進、深化だと考えています。

(コメント2回目)

 特許、あるいは工業所有権、すなわち今で言う知的財産権は直接お金に絡む権利なので昔からトラブルが多いのが実状です。しかも、制度自体はいわば紳士協定的ルールの形態なので徹底するのががなかなか難しいのです。つまり、破る奴が多い。例えば、私が東南アジアの国々で体験した数々のAdidos(Adidasではない)の問題です。でも、当時Adidasはクレームを発しなかった。これはお金のない国の人々に対するドイツの余裕です。日本のメーカーも同様でした。例えばHONDAです。金ができた時に払えばよいと言う「有るとき払いの催促無し」と言う日本のことわざと思い出します。

 そして今回の中国の新幹線問題、中国新幹線がこれだけ日本の新幹線に似ている訳だから知的財産権の取引は間違いなく存在すると思います。それをベースに考えると、これに付加的に技術あるいは意匠の権利を設定するのは全く正当な事です。しかし、日本と中国の会社の間でちゃんと知的財産権契約が設定されていたかどうか、これはは当事者でないと分からなくなるのです。もし相手が自分の知的財産権を侵害していると確認できれば解決は裁判になります。これがグローバルルールです。いまの中国政府がこの実態をコントロールしてグロバルになれるかどうか、とても興味のあるところです。

 中国は将来自分が真似されることを考えて今を考える必要があると思っています。

 加藤様、本当にありがとうございました!皆様からも、是非お気楽にコメントや情報をお寄せください!(やんやん)

 

【今月の“ありがとう!”】

今月もサイトの更新は翻訳ボランティアの皆様のご協力によって無事進められました。日頃の感謝をいっぱいいっぱい込めて、ここで「ありがとう!」をお伝えしたいと思います。今月ご協力いただいた皆様は、朱月媚様、黄淑珺様、陸依柳様、姜晋如様、A.K様、岡田由一様、西口友紀子様、ダラックマふいめい様、宮崎いずみ様、土居健市様、季新様。

ありがとうございました!!

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※このメールマガジンの転載を歓迎します。ご転載、ご引用の際は、日中市民社会ネットワーク(CSネット)からの転載であることをご明示ください。

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