2011/09/12 by Matsue

草の根NGO“格桑花”の“神話”――玉樹地震でのネットカンパ

2010年4月14日、(青海省)玉樹地震が起きてまもなく、一人のIDをzuolaとするネットユーザーが、良く知られたミニブログ(中国版twitter)で、「とても優れたオンライン財務システムを持っているという理由で、私は格桑花西部教育支援サイトに寄付をした」とのショートメッセージを発した。(編注:8月の当記事掲載後、当団体についていくつかの問題点があきらかになったので、文末に注釈を加えた

この情報は、多くのネットユーザーに非常に早く伝わった。その日、“格桑花”(文末参照)の公式ウェブサイトに急拠設置された玉樹地震緊急専用募金は、20万元近い浄財を集めた。3日後には、5台の車が80万元あまりに相当する救援物資を被災地区に運び、世間の人に“格桑花”のオープンなやり方が彼らにもたらした募金神話を再び証明してみせた。青海省の一隅で活動し、勉学の援助と災害救援を目的とした格桑花は、インターネットのプラットホームを通じ、全国各地のネットユーザーやボランティアの注目と支持を得ることとなった。

2007年から、格桑花は自主的にドッキング寄付システムの開発を行ってきた。オンライン操作と情報公開を簡素化・明瞭化し、徹底して使いやすいよう改善して作業効率を高めると同時にオンラインの支払い方法を増やしたことが、格桑花の電子情報化の発展を継続的に推し進めることとなった。
“格桑花”の苑旭は、自分たちの成功の秘訣を次のように語った。“一連の完備したプロセスと完全なシステムが、団体の信頼性を非常に高めました。寄付者はすべての段階ごと、プロセスごとに、簡単に理解・参加でき、子供のすべてのフィードバック情報を得ることができます。すべてがオープンで、素早く、透明で、寄付者が歓迎するシステムなのです”

◎寸評 [by付涛(中国発展ニュース編集主幹)]
“格桑花”は公益チェーンにおいて、個人の寄付者と支持者、公益団体及び援助を受けるコミュニティとの間の“継ぎ目のない”ドッキングを実現した。コミュニテイに近い側では、格桑花は青海に根を下ろした地元団体として、現地のコミュニティとの血の通った連携を行い、それが、コミュニティのニーズに対し、通常対応と応急対応という二つの能力とメカニズムを持たせる結果となっている。寄付者に近い側では、インターネット技術の効果的な運用を通して、格桑花は辺境地区の公益団体にありがちな地縁的な資金調達の限界を打ち破り、公益プロジェクトと公益行動のプロセスの透明化とリアルタイムの情報のフィードバックを低コストで実現した。また、多くの小額寄付者とボランティアに、簡単で素早い参加と監督のツールを提供すると同時に、社会的信任を蓄積してきた。格桑花は新技術が全国民の公益に力を与えることができることの小さな例証である。インターネットとニューメディアの運用は、中国公益事業の構成要素の一つの新しい様態となりつつあるのだ。

注:“格桑花”について
2005年に成立した民間就学支援団体で、フルネームは“青海格桑花教育救助会”、略称:格桑花、もともとは“格桑花西部助学”という。青海省など西部地区の青少年に資金援助を行い、彼らが学業を全うし成長環境を改善するのを助ける。
格桑花ウェブサイト:http://www.gesanghua.org/

『社会企業家』2011年新春号より
http://www.npi.org.cn/uploads/magazines/npo/2_1849_103317.pdf

翻訳:岡田由一
校正:松江直子

2011年9月12日補足:

2011年8月23日、『公益時報』は陳江宏記者によるレポート「“格桑花”、会員名簿偽造発覚と財務状況混乱により発展の危機に陥る」を発表した。これより前、世論は“格桑花”に対し、一貫して肯定的・賞賛的態度を取ってきた。報道によれば、“格桑花”の年度審査報告書の内容は、実際の情況と合致しないという。以下はこのレポートの要旨。

、秘書長の不一致 “格桑花”は今年6月1日に青海省民政庁に提出した年度業務報告書の中で、秘書長は法定代表者の立新であるとしている。しかし“格桑花”が今年6月3日にウェブサイト上に発表した理事会公告では、“現秘書長の徐来は全体コーディネートと日常の事務を統括し、プロジェクト部、寄付助成部、総合部の一部も分担管理する・・・”とある。

、“格桑花”ウェブサイト上に公開している財務報告書には、12の専用基金と少なくとも6箇所の作業所を列挙しているが、青海省民政庁のスタッフが記者に示した“格桑花”が提出した報告書の、下部団体、代表団体、専門基金管理団体、事務局団体、経営実態の情況などの欄はどれも空欄だった。

、署名関係が混乱した有償契約。--“格桑花”ウェブサイトの公開情報によれば、彼らは2010年末に一件の有償サービス契約を結んでいる。しかし、契約の乙方は中国国内には存在しないことをボランティアが発見した。さらに、署名・捺印と団体名称が一致せず、当時契約団体はすでに“格桑花”から4万元を受け取っていた。ボランティアたちはのちに契約団体と事後に香港で登録した乙方団体の両者の法定代表者は、どちらも“格桑花”内部のスタッフの一人であることを知った。

、会員名簿は事実と違う。--2009年“格桑花”は青海省民政庁に登録をするとき、規定に従い、50人の会員名簿を提出した。それらのひとの大部分は“格桑花”の就学援助連絡人をやったことのある人だった。最近、この50人の会員のうちの多くの人が記者に語ったことによれば、彼らは自分が“格桑花”の会員であるとは認識しておらず、入会申請も出していないので、“格桑花”会員の権利と義務についても知らず、“会員証”も見たことがないし、会費を払ったこともないという。

、財務方面のデータが非常に混乱している。--“格桑花”が青海省の民管局に提出した『2010年度財務審査報告書』には収支データに非常に大きな差が出現し、ボランティアたちから疑問の声が上がっている。レポートには、彼らがウェブサイト上に公開した『2010年財務報告』と、“格桑花”が監督管理団体に提出した『2010年財務審査報告書』の間で一致しない大量のデータが列挙されている。

以上の様々な問題は、“格桑花”の管理の混乱を表しているだけでなく、中国の社会団体管理法規が合理的か否かという問題をもあぶりだしている。たとえば社会団体に対し、50人の会員がいることが必要であったり、そのうち95%が現地の住民でなければならないという規定は、地方の社会団体が、外部の会員を大量に募集するときなどに問題となってくる。この件に関し、『公益時報』は読者の議論を歓迎している。

原文:「“格桑花”会員名簿偽造発覚と財務状況混乱により発展の危機に陥る」『公益時報』陳江宏記者

http://www.gongyishibao.com/News/201108/137659.aspx?category=bbdj&date=2011&pageIndex=0

編集:李君暉
翻訳:松江直子

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