2011/06/01 by yanyan

CSnet Mail Magazine No.5

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日中市民社会ネットワーク(CSネット)メールマガジン 20115月号(第5号)

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【目次】

  • はじめの言葉:大学生からの素朴な疑問
  • CSネット活動報告と今月のお薦めコンテンツ
  • 連載1:屋久島プロジェクト-「記念サロンin上海」
  • 連載2:日中間の不理解に挑む-「震災後の復興がなぜ遅いのか中国人には理解できない」
  • 今月のありがとう!
  • ネットワーカーの活動報告

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【はじめの言葉:大学生からの素朴な疑問】

大学では「市民社会論」という授業を受け持っていますが、いつも「市民社会」という言葉の意味を学生に理解してもらうことに苦労しています。最近は原発事故や震災関係の市民の動きを例に挙げながら、「公共の問題に対して、政府から距離を取って、良識に基づいて、協力関係を基本として、強みを発揮できるようにネットワークを組んで、自主的に行動する人々」というイメージを何とか伝えようとしています。今日、学生からこのような質問がありました。

「日本政府は市民の意見を代弁するために働いている人たちで形成されているはずなのに、なぜ市民は政府から距離を取らなければならないのだろうか?市民の味方をするために作られた組織なのに、うまくいかないのはなぜなのだろうか?」「民主党が本当そのキャッチフレーズのように、国民生活を第一に考えてやってくれるなら、市民社会の役割はどうなるのか?要らなくなるのではないだろうか?」

素朴なように見えて、答えようとするととてつもなく時間がかかりそうな問題です。民主主義を学んできたはずの日本の大学生から出たこのような質問、皆さんならどう答えますか?

CSネット代表

り・やんやん

【CSネットの活動報告と今月のお薦めコンテンツ】

★屋久島プロジェクト開始記念サロンを、4月下旬に上海で開催しました!詳しくは、この後の連載1をご覧ください!

★CSネットのコーディネートにより、北京西部陽光農村発展基金会の梁暁燕氏のご尽力の結果、中国非公募基金会論壇からRQ市民災害救援センターに1775万円の寄付金が送金されました!http://csnet.asia/archives/5459

今月は18本の記事を新たに追加しました。お薦めコンテンツは以下のとおりです。

★やんやんによる被災地訪問記録写真(1-3)

http://csnet.asia/archives/5173

http://csnet.asia/archives/5177

http://csnet.asia/archives/5180

★中国でも官民協働で防災?。

http://csnet.asia/archives/5446

★CSネットの交流事業として、日本の自然学校で3ヶ月間学んだ中国環境NGOリーダーによる報告

http://csnet.asia/archives/5223

★農民工をサポートするアモイのNGO

http://csnet.asia/archives/5443

★組織を成功させるリーダーシップとは?

http://csnet.asia/archives/5454

★長谷川公一教授(やんやんの恩師なんです~)がメキシコシティで講演:「横浜を希望の

港にしよう」

http://csnet.asia/archives/5269

皆様、どうぞhttp://csnet.asia をよろしくお願いします。

【連載1:屋久島プロジェクト】記念サロンin上海

4月に正式に発足した屋久島プロジェクトは、4月27日に上海でスタート記念サロンを行いました。小規模ならではのアットホームな集まりで、あつい議論の末、予定の2時間をはるかにオーバーした3時間の会合となりました。参加者は、CSネット事務局長・朱惠文、旅行雑誌『携程自由行』編集長・李攀さん、世界遺産保護の研究者・フリーライターの王国慧さんなどプロジェクトの担当者のほか、上海オアシス生態保護センター、上海野鳥の会、夢田エコファーム、上海楊浦区雷励青年公益発展センターなどの公益団体や、環境雑誌『炭商』の編集長、及び『携程クラブ』会員代表など約20人が集まりました。また、日本政府観光局上海事務所の副所長とマネージャーも駆けつけてくれました。

始めに、CSネットの朱より、地図や映像を使って、中国の人々にはまだなじみがない日本最初の世界遺産のひとつ「屋久島」の概要を紹介しました。参加者に宮崎駿アニメの世界に魅了された若者が多かったため、屋久島が『もののけ姫』のロケ地となったエピソードを披露した所、さらに興味が高まったようでした。その後、今回のプロジェクトの趣旨と今後の予定について説明しました。東日本大震災は、被災地に甚大な被害をもたらしただけでなく、直後に起きた原発事故は、観光業にも大きな打撃を与えました。この時期に、屋久島プロジェクトを予定通りに進めるべきかどうかは、かなり議論がありましたが、最終的に、内容調整の上、プロジェクトを発足させることができました。「屋久島プロジェクトは単純な観光促進ではありません。原発危機を、皆さんのライフスタイルや価値観を見直すチャンスに転換させるためにも、ぜひエコツーリズムを通して自然共生型社会という理念を打ち出し、エコツーリズムに関わる日本と中国のキーパーソンをつなげ、理論と経験、そして知恵を共有できる交流の仕組みを作り上げたい」というところで、委託側の一般社団法人act beyond trustと実施側のCSネットは意見が一致したからです。朱は、来場者に協力と応援を呼びかけました。

次に、『携程自由行』の編集長・李氏は、中国側のパートナーとして、屋久島プロジェクトに寄せる思いを伝えました。旅行雑誌『携程自由行』は、創刊以来、ずっと環境に配慮する観光を提唱してきました。特にエコツアーのトレンドや世界各地のエコツアースポットの紹介に力を入れています。今年の夏に、雑誌『LOHAS』と共同で「世界エコツアーベスト10」というイベントを行う予定です。そういう意味で、屋久島プロジェクトは非常にタイムリーな企画であり、雑誌の理念とも一致しています。また、『携程自由行』は、日本政府観光局や地方観光局と長期的な協力関係を結んでおり、この2年の間に、北海道、北陸、関西、九州などの日本各地、特に地方の観光名所を取材し、報道を重ねてきました。「昨年末に九州の七つの県を全部訪れました。しかし、屋久島だけは行けなかったので、当時は残念で仕方がありませんでした。九州の旅は、本当にエコツアーそのもののように感じたので、屋久島プロジェクトに参加できるのは、本当にうれしく思います。311大震災は、日本の観光業に大きな打撃を与えましたが、しかし、近いうちにきっと回復できると信じています。先日、中国のメディアに日本政府観光庁から一通のメールが届きました。東日本大震災に対して中国から寄せられた支援に感謝し、同時に、日本では原発の影響を受けていない地域がたくさんあるので、ぜひ引き続き日本へ観光に来てほしいという内容です。私たちの雑誌も、公益活動や日本観光業の復興にできるだけ協力したいと思います」と、李氏が暖かい言葉をくれました。

イベントの後半は、2時間ほどの自由討論を行いました。各環境NPOは現在実施しているプロジェクト、例えば、自然観察会や農業体験ツアー、青少年遠征ツアーなどの取り組みを紹介し、それぞれが直面している問題点、特に「人と自然」や「人と文化」など根本的なテーマについて参加者全員が議論に加わりました。海外経験豊富なジャーナリストたちは各国の移住者と原住民の関係及びその変遷を比較し、エコツーリズムと地域固有文化の保護との関係性を指摘。「人と自然」について、夢田エコファームの韓氏は「自然を征服するのではなく、自然を尊重し、理解することが重要で、人間はもっと謙虚にならなくてはいけない」と、思いを熱く語りました。

「携程クラブ」の会員代表はみな旅行愛好者で、経験豊富なエコツアーファンもいました。彼らは、屋久島でどんなエコツアープログラムを体験できるのか、といった観光情報を求めています。それに対して、プロジェクトの担当者たちは、今後CSネットのホームページで定期的に紹介し、同時に読者の質問に答えると約束しました。そしてこれからも、CSネットは『携程自由行』雑誌と一緒にさまざまな交流活動を行う予定であることを伝え、参加者に協力を求めました。

今回、寄せられた質問をテーマごとにまとめてみました:

屋久島のエコツアーについて
1、屋久島エコツアーの特徴は?
2、どんなプログラムがありますか?その価格は?
3、屋久島のエコツアーはどんなタイプの観光客におすすめですか?観光客がクリアしなければならない条件は?例えば、日本語・英語ができることや、体力など。
4、どんなところで詳しい情報、例えば装備、コース、ガイド、宿泊など、が調べられますか?
5、観光コースに関連する学習プログラムはありますか?例えば、動植物保護や伝統文化交流など。

伝統文化や地域生活について
1、今まで屋久島のことは知らなかったですが、「もののけ姫の森」と聞いて、すぐに親近感を持ちました。アニメのストーリーは屋久島の伝説に由来するものですか?もっと屋久島の風土や伝統を教えてほしいです。
2、自然資源のほか、どんな伝統文化関連のイベントに参加できますか?
3、屋久島住民たちの自然観や、島の観光業に対する考えが知りたいです。

安全問題について
1、屋久島は311地震の影響を受けていますか?交通の便は?
2、屋久島は放射能の影響を受けていますか?体や、食品、アウトドア活動への影響など。

以上の質問は、屋久島の住民や専門家など、回答に相応しい方に伺ってきますので、次回のメルマガでお答えします。お楽しみに!

【連載コラム2:日中間の不理解に挑む】震災後の復興がなぜ遅いのか中国人には理解できない

中国の友人からよく聞かれます。「日本は先進国だし災害も多く経験しています。何でこんなにも復旧が遅いの?」「それはね、日本という国はね、何でもルールに則って物事を処理している訳で、中国のように乱暴に素早くは動けないのよ」と答える私。そう言いながら実はいつも苦虫を噛みつぶす思いでいます。

東日本大震災の発生からもうほぼ80日間。周知の通り復興の足取りは重苦しい。なぜかかつて野党が法案の可決を延ばすために「牛歩作戦」をしていたことを思い出しました。震災後の復興を「牛歩」にしてしまったのは、どこの誰でしょうか?

まず、中国人にはとても理解できない日本の政治システム。何よりも一国の首相なのに、言うこと成すことことごとく叩かれ、批判され、何一つ実現しないということはまず信じられません。何のための首相なのか分かりません。そして何一つ実現できないことを理由に、内閣不信任案を突きつけられたことにもついて行けません。日本の首相は、残念ながら実質的なリーダーではないことを中国の皆さんにどう説明すれば良いのか、私はいつも苦慮しています。日本の政治システムはリーダーの足をとことん引っ張り、消耗させ、負け犬にしてしまうシステムなんです。一年足らずで首相の座を投げ出してきた今までの方々を見ればはっきりと分かるように、首相を辞めたとたん、彼らの顔につやが戻るのですから。

第二に、日本のマスコミも中国人にとっては不思議そのもの。日本では言論の自由が保障されていると、多くの日本人は思っているようですが、大半の中国人はそれを信じていません。だって、原発事故について日本のメディアはちっとも真実に近づけていないのですから。海外で深刻な汚染状況がいち早く報道されたことに対して、日本国内のメディアは「海外の反応が過敏すぎる」との一点張りで、まるで政府と東電の広報部のような発言ばかり繰り返してきました。どこのテレビ局を見ても同じようなトーンで同じような作りの番組しか見当たりません。「本当は規制されているんでしょう?」と疑いたくなるのも当然ではありませんか?

最後に、行政の動き方は、中国人からすれば宇宙人並みに理解不能です。「公平にしなければならない」「手続きをしてからじゃなければならない」「稟議を経てからじゃなければならない」「前例がないから難しい」「それはこちらの担当ではないので分かりかねる」。一人一人が過労状態で、自分の家族や生活にかまう余裕もなく働いている行政職員が多いのに、なぜか物事がスムーズに動いてくれません。「それはですね、日本の行政を動かしているのは職員ではなく、既存の手続きと前例だからなんです。中国の行政のように激しい出世競争もないので、個人プレーで派手に能力を見せつける必要もありません。ですから能力のある人でもなかなか発揮できないのですよ」という説明しか思いつかないのですが、皆さんはどうお考えでしょうか?

以上やんやんでした。

【今月の“ありがとう!”】

今月もサイトの更新は翻訳ボランティアの皆様のご協力によって無事進められました。日頃の感謝をいっぱいいっぱい込めて、ここで「ありがとう!」をお伝えしたいと思います。

今月ご協力いただいた皆様は、朱月媚様、任晨静様、黄淑珺様、陸依柳様、毛淑華様、李楠楠様、姜晋如様、小嶋祝夫様、丸山志野様、岡田由一様、A.K様、西口友紀子様、宮崎いずみ様。

ありがとうございました!!

【ネットワーカーの動向報告】

★JICA北京事務所に寄せられた中国からの支援

日本を応援する子どもたちの写真入り!是非ご覧ください!

http://csnet.asia/archives/5319

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※このメールマガジンの転載を歓迎します。ご転載、ご引用の際は、日中市民社会ネットワーク(CSネット)からの転載であることをご明示ください。

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