2011/05/27 by Matsue

中国からの支援―JICA中国事務所ニュース4月号より

3月11日の東関東大震災発生後、JICA中国事務所には中国各地から多くのお見舞いと励ましの声や義捐金が集まった。特に四川大地震の被災地(綿竹・北川・都江堰など)からは、普段日本と何の関わりもない多くの庶民が支援の声や義捐金を寄せたという。
以下、JICA中国事務所ニュース4月号の「東日本大震災特集」から引用する。

写真:事務所の入り口に張り出された各地からのメッセージ

■ 中国の緊急援助隊の活躍
今回の東日本大震災に際し、中国政府は、中国地震局応急救援司の尹光輝副司長を隊長とする国際救援隊15 名を3 月13 日から21 日まで日本に派遣しました。救援隊は、岩手県大船渡市において、幾多の困難の中、救助・捜索活動をされました。15 人の隊員の中には、JICA が中国で実施中の「日中協力地震緊急救援能力強化プロジェクト」の救助分野カウンターパートであり、中国地震応急捜救センターの教官でもある胡傑さんが含まれています。胡さんは、今回の日本での活動について、JICA 中国事務所に対し、「今までにみたことの無い津波の被害の激甚さに驚いた。一方で、防災・行政機関の対応が早かったこと、被災者が秩序正しいことにも驚嘆した。日本の消防機関と連携し仕事が出来たことに感謝したい。」と感想を寄せてくれました。
(所員 可児希代子)
■ JICA 有志義援金
JICA では有志が呼びかけ人となり全世界から義援金を集めました。JICA 中国事務所にも1113 名の方々から協力が寄せられ、合計640 万円の義援金が集まりました。JICA 全体では合計5 千万円近くにものぼり、この中でも中国からの協力は人数においても金額においても最大級でした。皆様からの暖かいお気持ちに心から感謝を申し上げます。義援金の配分は、被災自治体である宮城県、福島県、岩手県と、被災者への救援活動を行う国際協力NGO センター(JANIC)に、それぞれ四分の一ずつお渡ししました。皆の力が結集されたJICA 有志義援金は、緊急フェーズおよび復興フェーズの双方に活用される予定です。
(所員 林伸江)
■ ボランテイア配属先機関等からのエール
中国全土には現在約60 人のJICA ボランティアが活動しています。今回の地震に際しては、ボランティアの配属先からも、たくさんの義援金とメッセージをいただきました。義援金については、JICA 中国事務所へ届けられたものは、JICA 有志義援金として、それ以外は中国紅十字基金会を通じて日本へと送られました。JICA ボランティアの配属先から寄せられた寄せ書きやメッセージ動画などは、被災地の方々の元へと届けられました。子どもたちに何か作品を作ってもらい、それを日本に送って日本の子どもたちを元気付けよう、と考えたのは、石井敬子隊員の配属先である湖南省株洲市の太陽宮芸術幼稚園です。2 歳児から6 歳児までの子どもが先生と一緒に慣れないペンを手に取り、「ガンバレ 加油」と桜の花をかたどった紙に書き、大きな桜の木を作ってくれました。桜の幹は、子どもたちの手形でできています。子どもたちは、「ガンバレ、ガンバレ」と口にしながら桜を制作しましたが、それは、ほとんどの子どもにとって、初めて口にした日本語となりました。

写真:被災者・避難者を受け入れている青年海外協力隊二本松訓練所にて。掲示されたメッセージを見る子どもたち

配属先の所在地が被災地と友好関係にある場合は、メッセージは、その友好関係にある自治体へ届けられました。湖北省から福島県へ、吉林省から宮城県へ、そして、遼寧省撫順市から福島県いわき市へ。浙江省温州市は、被災地の中でも特に大きな被害を受けた岩手県石巻市と友好都市関係にあります。宮坂智夏隊員の配属先である温州市外国語学校の生徒が心をこめて書いたメッセージは、石巻市立蛇田小学校と同蛇田中学校へ届けられました。

写真:福島、頑張れ! 日本、頑張れ!
(ボランテイア調整員 亀田春雄)

■ 四川にて (編注:四川省に派遣中の専門家から、震災後の様子を寄稿いただきました。)
私たちはちょうど1 年ほど前、2008 年の四川大地震で被災した山の修復のため、治山技術を伝えに四川省にやってきました。一緒に仕事をする相手は、四川大地震で最も被害が大きかったブン川県、北川県、綿竹市の3市県の林業関係者です。
治山事業という、中国の林業部門にとって初めての事業の実施には戸惑いがありました。昨年一年間をかけてやっと工事が完成し、北川県の治山施工地で、にぎやかに記念植樹祭を終えての帰路のバスの中で、日本の大地震と津波の一報を受けました。
カウントパート等関係者から、まず3人の日本専門家の家族が無事かどうかの問合わせが多くありましたが、その後は以前と変わらぬ態度で接してくれています。彼らはこの3 年間プレハブの仮設事務所で仕事し、家族や同僚の多くが被災しているに違いないのですが、ともすれば彼らが大きな試練を背負っていることを忘れがちになるほど、元気です。それだからこそ、私たちもこの1 年間遠慮なく議論をしながら、一緒に山を作ってきました。
カウントパート達がこの3 年間どんな思いでやってきたのかはわかりませんが、言葉ではなかなか伝えられないことがあります。いつもと変わらず普通に接してもらっている中で、気遣いを感じ励まされる思いです。
(四川省震災後森林植生復旧計画 日本専門家一同)

■ 四川の子ども達から東北の子ども達へ-被災地同士の支え合い
「日本の友だちへ、私たちは同じ地球市民です」「私たちは震災から立ち直ってきました。ともに手を携えて困難を乗り越えていきましょう!」-心励まされる手書きのメッセージが四川大地震の激震被災地、北川県の子ども達から寄せられました。こころのケア人材育成プロジェクトの研修に参加した中学校教師が、東北の子ども達のせめてもの支えになれば、との想いで集めたものです。   同じくプロジェクトのモデルサイト、崇州市元通小学校からは子ども達のビデオメッセージとともに、多くの絵や書道が寄せられました。2010 年4 月に発生した青海省大地震の被災地・玉樹から、集団で四川省都江堰に移転している中学生からも「日本加油!(日本がんばれ!)」という写真付きメッセージが届きました。同じ被災地同士、痛みを分かち合いたい。そんな想いが伝わってきます。
プロジェクトに度々協力いただいている精神科医師、臨床心理士、スクールカウンセラー、学校教師といった兵庫の専門家たちはいま、様々な形で東北太平洋沖地震の被災地に入り、災害直後のこころのケアや学校再開支援などに従事しています。プロジェクトをとおした「四川」と「兵庫」の絆をこのような応援メッセージとともに、様々な形で「東北」につなげていきたいと思います。
(所員 小田遼太郎)

写真と文:JICA中国事務所ニュース4月号より転載
http://www.jica.go.jp/china/office/others/newsletter/201104/01.html

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