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2011/01/28 by yanyan

日中環境ジャーナリスト/NGO交流セミナーに参加して

1月27日18:30~21:00、日本環境ジャーナリストの会(JFEJ)と早稲田環境塾の共催により「日中環境ジャーナリスト/NGO交流セミナー」が開催された。財団法人「地球/人間環境フォーラム」の助成事業の一環として行われたこのセミナーに、ジャーナリストを中心におよそ30名が参加した。CSネット代表の李(筆者)は早稲田環境塾の招きでこのセミナーに出席した。

「中国のエコタウン、ゴミタウン、ダムタウン:中国の“緑色”経済の光と影」と題するこのセミナーは2部構成で進められた。第1部は、プロジェクトの主要メンバーおよび中国から来日した「中国環境報」の元記者による発表であった。第2部は、中国の環境問題について取材/報道してきた各メディアの方々によるパネルディスカッションであった。

第1部の発表は、まず「中国最大級の低炭素パイロット都市」と題して、博報堂ディレクターの水谷哲氏によって唐山市で建設されているのエコタウンが紹介された。「末端公害除去装置と省エネ」で環境問題に取り組んできた日本の経験を尻目に、中国は現在欧州型の「システム全体の設計で公害問題に取り組む」という方法を採用しているという。スウェーデンが開発した公害克服/低炭素/経済成長を同時に追求した都市開発のブランド「Symbio City」を導入し、中国で200カ所エコシティを建設する計画がある。唐山市のエコタウンは、スウェーデンのストックホルムの低炭素街区を40倍の規模にして造られる予定で、スウェーデンの設計会社が中国地元の大学、企業と共にプランニングを行っているという。ほかにも13のエコタウンが低炭素パイロット地区」が建設されており、スウェーデンのみならずイギリスのコンサル会社、シンガポール政府も積極的に関わっており、ドイツの企業が受注で業績を伸ばしているという。「環境問題の分野で、アジアに教える」という立場を、日本はいつの間にか失ってしまったと水口氏は指摘する。それどころか、技術を含む多くの分野ですでに中国に抜かれていると自覚しなければならないのかもしれない。

続けて早稲田大学名誉教授、早稲田環境塾塾長の原剛先生から、「中国の都市化の暗部-北京市内のゴミのまちから」という報告があった。農民工の多くがゴミ拾いで生計を立てており、彼らの子どもたちの困難な就学環境と生活環境についても写真を交えて説明があった。「格差」問題の深刻さを物語る報告であった。そして「中国のダムタウン」と題して、環境NGO「緑家園」の代表、中国のジャーナリストである汪永晨に代わり、早稲田環境塾の吉川氏が怒江ダム建設問題を巡る環境NGOとメディアの活動について発表を行った。最後に、中国環境報元記者の陳氏から、中国環境保護省による環境NGOの育成と監督/管理に関する最新の方針について説明があり、その方針が打ち出された背景、成立に至ったプロセスやメディアの報道についても言及された。

第2部のパネルディスカッションは、朝日新聞の竹内氏、日本農業新聞の金氏、毎日新聞の田中氏、NHKでジレ区ターの西川氏を迎えて、「中国の“緑色”と“茶色”をどう報道するか」に関するディスカッションが行われた。興味深い点が多く提起された中で、最も印象に残ったのは、NHKの西川氏が指摘した、NHKの関連番組の内容に見られたトーンの変化であった。2007年にNHKが制作した中国の環境問題を扱った番組は、基本的に「途上国」である中国のイメージに忠実であり、日本はそんな深刻な環境問題を抱えた途上国の中国に対して、教えていかなければならないというスタンスであった。2008年の番組は、中国の環境NGOのリーダーや取り組みを取り上げ、「中国国内でも、環境問題のために戦っている人たちが現れた。応援しよう」というスタンスであった。しかし、2009年と2010年、状況が一変した。NHKスペシャル「灼熱アジア」の「日中韓 緑色戦争」が象徴的であるように、現在描き出されているのは、むしろ完全に環境問題、環境ビジネスにおいて乗り遅れ、置いていかれた「日本」の立場と現状である。「エコの世界では、日本は実は遅れているのだ!」というメッセージ。

これについては、私もまったく同感である。2007年以降の中国とそれまでの中国とは、全く異なる世界になったと考えて良い。たかが3年間。しかし、それは日本が浦島太郎になっていた3年間であった。気がつくと、隣の中国はすでに30年を一気に飛ばしてしまっている。日本の時間は、その間はほとんど止まっていた・・・

「中国に対しては、もはやシニカルな見方をする暇はない。正面からちゃんと見よう」。朝日新聞の竹内氏の言葉は、まさに私が常に伝えたいことでもあった。

文責: 李妍焱

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