2011/01/13 by Matsue

中国の農民代表が日本の有機農業を視察

2010年12月5日~11日、北京富平学校と日本の大地を守る会が共同で主催する「富平-大地プロジェクト-中国の農民代表による日本有機農業視察の旅」が成功裏に行われた。GLIからは三人のスタッフと一人のボランティアが参加した。

大地を守る会の入念なアレンジの下、四川・河南・河北・山西などから参加した17名の農民代表は、同会の関連施設を見学したほか、彼らの契約農家を実地に訪れて日本の同業者と交流した。一行にとって今回は、同会の有機農業経営理念を学ぶと同時に日本における有機農業の発展を実際に見聞する機会となった。

12月6日午前、一行は千葉県幕張にある大地を守る会の本社を訪れ、同会の概略及び農業生産基準について説明を受けた。午後は同会の物流センターを訪れ、検査室・仕分けライン・倉庫などを見学したのち、同会の物流システムについて紹介を受けた。また、低温物流管理などの専門的な問題について、物流センターの責任者と質疑応答並びに意見交換を行った。

12月7日、一行は東京の北にある群馬県に向かい、高崎市倉渕町の有機農業生産者グループ「くらぶち草の会」を訪れた。同会は1988年に当時の倉渕村鳴石地区で三人の生産者が率先して無農薬・無化学肥料の栽培を始め、グループを結成したことから始まった。1996年、正式に「くらぶち草の会」と命名し、2000年から東京首都圏の消費者団体及び有機農業企業との協力を開始。2001年には、環境保全型農業推進コンクールで「農林水産大臣賞」を受賞し、有機JAS認証制度とエコファーマー制度への取り組みを開始した。2005年、(有)草志舎(同会メンバーの100%出資による)を設立、同会生産物の出荷、販売の窓口とした。同会の責任者から概略の紹介を受けたあと、一行はほうれん草生産者の農場に向かった。長年ほうれん草の生産を行っている農場主は一行を暖かく迎え、収穫後のほうれん草の選別作業を見せてくれた。一行と草の会メンバーは夕食会の場でも更に交流を深めた。

(くらぶち草の会による講義)

(見学後の記念撮影)
12月8日は、朝早くから群馬県甘楽町にある甘楽町有機農業研究会を訪ねた。同会は1986年設立、28軒の農家が参加しており、目的は消費者に無農薬・無化学肥料の安全な農産物を普及することだ。研究会は事務局を甘楽町役場の農林課(現在の産業振興課)内に置いている。1989年、研究会は有機農産物セットの宅配業務を開始した。1996年から東京都北区の小中学校が給食残渣などを利用して作った堆肥を甘楽町が利用するリサイクル・プロジェクトを行っている。1999年には群馬県と朝日新聞社が主催する「明日への環境賞」を受賞、2000年に国の有機認証を取得、2009年には第39回日本農業賞特別部門、第6回「食の架け橋」を受賞した。
一行は、まず町内のキウイフルーツ農園と有機野菜農園を見学し、その後山の中腹にある市民体験農園-甘楽ふるさと農園-を訪れた。この農園を耕す「農家」は、都市に住む「週末ファーマー」だ。週末に一家でやってきて、自分の借りた区画に植えた作物の世話をし、田園の楽しみを味わう。一行は農園付属の学習センターで研究会の方のお話を伺った。

(甘楽ふるさと農園の見学)

(美しい農園風景)
午後、一行は東京に戻る途中、埼玉県の瀬山農園に立ち寄った。この農園は瀬山さんの一家四人で営む個人農園だ。ここで一行は新鮮な野菜を味わったが、ほかにも彼らの目を大いに惹きつけたのは、日本の農家が具える各種の便利な農具だった。夕方、一行は大地を守る会直営の雲南料理店で行われた歓迎宴に出席し、これには同会の消費者会員も参加した。

(瀬山農園の見学)
12月9日朝、一行は千葉県山武市のさんぶ野菜ネットワークを見学した。このネットワークには48軒の農家が加盟し、一昨年の販売額は5億円に達した。彼らの基本理念は以下の通り。
1.土壌消毒剤・除草剤を使用しない。
2.化学肥料を使わず、堆肥・緑肥作物による土作りを重視する。
3.特定の品目に偏らない作付けをし、輪作体系を重視する。
4.取り組む耕地を明確に特定し、登録する。
5.「いのち」に直結した食べ物を供給することを常に意識し、消費者と顔の見える関係つくりを目指す。

午後、一行は大地を守る会の幕張本社に戻り、畜産品の基準について、その責任者から紹介を受けた。夕刻、同会は今回の訪問についての意見交換交流会を開き、藤田社長を含む三人の同会創始者もご多忙の中、参加してくださった。

交流会では、今回の訪日視察日程をアレンジした大地を守る会の周到な準備に対し、富平学校のスタッフと農民代表は感謝を表し、農民代表は、日本の有機農業の経営理念やビジネスモデル、農民の働き方や態度、国民が食品安全を重視していることなどについて、各自の見解を述べた。彼らはまた、今回、大地を守る会の生産者との交流を通じて、「大地文化」の核心を理解し、有機農業が長期にわたり誠実に耕作し、土地を愛し、自分と他人の健康に責任を持つ生産過程であることを理解したと語った。まず、有機農業は持続的に堆肥を施し土壌改良を必要とすること―これは十年、数十年間堅持すべき長期的な仕事である。次に、有機農業には人手が要ること―これは絶えず改善を重ねていく過程であり、病虫害の予防、草取りから収穫、包装などの作業のすべてにおいて、細かい規範が必要となる。

最後に、これが最も重要なことだが、有機農業とは健康を守ることを己の責任とし、自家用と販売用の農産物を分けることをせず、農家として安全な食品を提供する自尊心を持つことだ。
藤田社長は交流会の最後に総括的な発言を行い、日中の有機農業分野での協力を通じ、中国農民の生活レベルが向上し、中国社会の貧富の差が縮小することを望むと述べた。

日本訪問の最終日、一行は東京で最も賑やかな銀座を訪れ、銀座三越百貨店に出店している大地を守る会の青果ショップとデリカショップの経営状況を視察した。

文責:丁一帆

GLIサイトより翻訳して転載

http://www.globallinksinitiative.com/news/?p=1874
翻訳:松江直子

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