2011/01/11 by Matsue

王鯤:薬物中毒者を導く星の光

明けの明星”は薬物中毒者に奉仕する公益組織で、組織内の全員が薬物中毒の経験者だ。責任者の王鯤は「現在の活動は一定の効果と社会的影響力を得ましたが、目標まではまだ非常に遠い。でもその実、目標は非常に簡単です。社会と政府が薬物中毒者にも平等に関心を示し、差別視と冷淡な態度を減じ、彼らに本当に適正な薬物脱却のリハビリをさせ、社会復帰への良好な環境と道を与えることを望みます」と話す。

「私が薬物中毒者でも、握手してくれますか?」

王鯤 薬物中毒者の経歴を持つ、明けの明星北京の中毒者奉仕センター責任者

 空が明るくなる前後に、東の地平線上に時に特別明るい「暁の星」を見ることができ、人々はそれを「明けの明星」と呼ぶ。それは暗い中で一番光る星で、夜明けの象徴だ。北京の様々なタイプの公益組織の中には、専門に「IDU/HIV」(訳注:IDUとはInjection Drug Use=注射器による薬物乱用者)中毒者の人々のために奉仕する公益組織もある――明けの明星北京中毒者奉仕センターである。

  私たちの組織の名称「明けの明星」のように、私たちは、自らの光で途方に暮れている仲間たちを明るい光の方向へ導く。

 国家の法律が整い、薬物犯罪撲滅活動の展開に力が入るにつれ、社会大衆は現在、「薬物の話をしただけで顔が青ざめる」状態にあり、“薬物中毒者”に対し明らかな偏見と差別を持っている。本来、薬物の深刻な害をすでに受けた仲間たちは、社会復帰の人生の道で……家庭の無理解、社会の拒絶と各方面の世論と差別視に呆然とさせられ、ついには精神を崩壊させ、再び薬物に手を出し深みにはまってしまう。

 今、我々は何を深く考えるべきか?私と組織内の全員は中毒の経歴を持つ仲間であり、私たちはかって同じように途方に暮れたことがある。社会復帰後に私たちは何をしなければならないか?どのようにすべきか?今後、私たちは同じ失敗を繰り返すのか?……私たちはいつもこのように苦痛を繰り返すが、私たちの問題の解決を助ける方法は本当にないのか?

 わが心の中で思う。もし私たちが本当に徹底的に薬物を断ちたいという仲間たちと協力し、相互に助け合い、励まし、ともに進む活動グループを形成するなら、私たち自身を助けることが出来るだけでなく、同時に更に多くの仲間を助けることができる。それならなんと素晴らしいことか!

 社会が我々に与える薬物中毒脱却のリハビリ環境は不完全だ。そこで私たちは仲間たちの健康回復に利する環境を創るよう社会に呼びかける。

 私たちが「明けの明星」を設立したのは、薬物が仲間の生活にもたらす厳しい問題及び影響と、私たちの組織内の中毒歴を持つ数人の仲間たちみんなの努力を結びつけることで、共同の願いを達成したいと思ったからである。私たちの組織名の「明けの明星」のように、私たちの光で今途方に暮れている仲間たちを光の方向へ導くのだ。

 そこで、私たちは自発的にメンバーを組織し2008年3月、薬物の害を軽くする仲間内の相互ボランティアに従事し始めた。組織形成の初期、愛知行研究所と北京十大薬物撲滅ボランティア「雪莉」の大きな支持があったが、私たちは非常に苦労した。2008年10月に至って、私たちはやっと正式に「明けの明星北京中毒者奉仕センター」を設立した。

 中毒者のために奉仕する草の根組織として、私たちが直面しているのは、その他の草の根組織と同様の困難ばかりでなく、社会各層から受ける更に多くの圧力と差別視だ。

 明けの明星の設立から発展中期までは、ずっと各方面の困難に耐えて堅持し続けた。社会の無理解、経費の不足、対象者の散在、一定しない執務場所、企事からの資金調達の不調などの困難に直面したが、私たちは一貫して薬物被害の軽減作業に力を入れ続け、政策提言、仲間による薬物脱却リハビリの心理サポート、VCT(訳注:Voluntary Counselling and Testing – HIV検査とカウンセリングを自発的に受けること) 及びメサドン療法実施施設紹介などの作業で、ある程度の成果を得た。2009年の6・26国際薬物撲滅日の期間中、私たちは東城区薬物撲滅チームと協力し、東城区の10の街道事務所及びその管轄の100近い居民委員会主任と共に「差別視を軽くし、調和を創る」大型座談交流会を展開した。

 現在、我々はNPI提供の各種活動の中で局面を打開した。中央テレビの≪小崔説事≫の番組のインタビュー後から、明けの明星は全国の、ひいては国際的な注目を集め、また私たちの活動の展開の妨げになる多くの障害を減らした。もっとも肝心なのは、メディアを通じて、私たちが明けの明星の未来図を本当に伝えることができたことだ。それは、社会の中毒者に対する偏った見方と疎遠を改め、中毒者を本当に社会復帰させることだ。

 北京 明けの明星の中毒者奉仕センター

 仲間による教育の力は比べようがなく、中毒者の中にあって、特にそうだ。“明けの明星”は多くの良好な節度を保っている元中毒者、中毒者の家族及びボランティアによって構成され、薬物脱却リハビリの心理サポート、VCT、メサドン療法実施施設の紹介及び各種の案内サービスを提供している。仲間による教育方式を採用し、自助・互助を通じて中毒者に薬物を断ち切らせ、健康回復・社会復帰させて、薬物の個人、家庭及び社会に対する害を軽くしている。

連絡先:wk76426@sina.com

 『社会起業家雑誌』3月号52-53ページより翻訳して転載

http://www.npi.org.cn/uploads/magazines/npo/2_1474_165059.pdf

翻訳:岡田由一

校正:松江直子、廖芳芳


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