2010/12/28 by yanyan

中国初「ソーシャル・イノベーション大賞」発表

中国ではいまや「イノベーション大賞」が一大ブーム。さまざまな業界でイノベーション大賞がさまざまな主催者によって設けられ、てんやわんやしているうちに華やかに発表!ほとんどがここ1-2年で始まった大賞であり、そのうち、特に民間公益分野と関わりのある大賞として、先月このサイトでも記事を掲載した貧困救助イノベーション大賞のほか、「南方致敬・慈善イノベーション大賞」と、今年初めて開催された「ソーシャル・イノベーション大賞」が挙げられる。

イノベーション大賞の大半は技術分野や経済、経営分野。珍しい物としてはテーマパークに関するもの、地方レベルの教育制度に関するもの、思想教育、共産党建設に関するものもある。

民間主催の大賞は、一般的にはマス・メディア、財団(中国語は“基金会”)、大学、企業などによって共同主催の形式を取ることが多い。ソーシャル・イノベーション大賞は北京大学政府イノベーション研究センター、中央編訳局、北京華夏経済社会発展研究センターが発起人として呼びかけ、DELL、ソニー、インテル、IBM、トヨタ、フォルクスワーゲン、サムソン、マイクロソフト、SKグループなどの大手企業のほか、赤十字やWWF、ユネスコなどの国際NGOや国際機関も支持者として名を連ねている。今年5月26日に北京大学で開かれた「起動式」においては、2005年にイギリス政府は第三セクターオフィス(The Office of the Third Sertor,OTS)を設立し、2006年に『社会的企業行動計画』を交付したこと、アメリカでは2009年5月にオバマ大統領が、5000億ドルを拠出して2010年にソーシャル・イノベーション基金(Social Innovation Fund)を設立すると発表し、政府としてソーシャル・イノベーションに投資していくことを決めたこと、さらにアメリカやイギリスのみならず、カナダとインドなどでもソーシャル・イノベーション大賞が設けられていることを列挙し、「我が国でもこのような大賞を設けること」の重要性を強調した。起動式以降、全国範囲で公募が始まった。

出典:http://www.socialinnovation.org.cn/html/pxdt/1.html

公募締めきりである9月30日に至るまで、実行委員会には全国22の地域から161の申請が集まった。審査の結果、11月29日に、20のプロジェクトが最終審査に残り、12月27日、最終的に受賞した以下の10のプロジェクトが発表された。括弧の中はプロジェクト実施団体名。

1、「思いやりの小包」プロジェクト(中国扶貧基金会)

2、「辺境少数民族HIV感染者互助・生産自助ネットワーク」プロジェクト(雲南省瑞麗扶助児童発展センター)

3、「障がい者社会起業インキュベーションモデル」プロジェクト(広東省深セン市障がい者の友グループ、深セン市鄭衛寧慈善基金会)

4、「都市参加型コミュニティガバナンスのキャパシティ・ビルディング」プロジェクト(北京市東城区社区参与行動サービスセンター)

5、「市民社会の種まき者」プロジェクト(江蘇省南京市愛徳社会組織育成センター)

6、「市民参加による“蓮花モデル”」プロジェクト(河南省周口市沈丘県淮河水系生態環境科学研究センター“淮河ガード”)

7、「花渓郷農村コミュニティ生態健康促進」プロジェクト(四川省巴中市通江県大巴山生態と貧困問題研究会)

8、「守護天使ターミナル期パートナー」プロジェクト(上海市浦東手と手・心理ケアセンター

9、「親旧市民融合のモデル」プロジェクト(浙江省寧波市社会融合組織促進会)

10、「一対一学資支援」プロジェクト(青海省西寧市格桑花教育救助会)

なお、このほかに最終選考に残ったプロジェクトとして、「フェアトレード製品支援計画」(上海市楽創益フェアトレード発展センター)、「市民権利に関する対話グランドテーブル」(重慶市緑色ボランティア連合会)、「公益組織インキュベーション」(上海市浦東非営利組織発展センター“NPI”)、「合陽県農村女性参政モデル事業」(陜西省西安市女性理論婚姻家庭研究会)、「農村部出稼ぎ者留守児童教育保護“青神モデル”」(四川省眉山市青神県婦女連合会、婦女児童共同発展促進会)、「社会的サポートに基づく家庭介護を進めるプロジェクト」(浙江省寧波市海曙区星光敬老協会)、「新しい故郷計画」(四川省成都市根と芽環境文化交流センター)、「社会的安定化を図る委託事業」(山東省新泰市平安協会)、「永済富平マイクロファイナンス」(北京通州区富平職業技能訓練学校)がある。

市民権利、市民参加、女性参政など、市民社会の仕組み作りに関わるプロジェクトがいくつも入っていること、高齢者介護の問題、農村部留守児童の問題、四川大地震後の故郷再建問題、農村部でのマイクロファイナンスなど、現在の中国で最も注目される分野のプロジェクトが含まれていることが、強調に値する。「イノベーション」という言葉にふさわしい選考結果であったと言えよう。

文責:李妍焱

参照:http://www.socialinnovation.org.cn/Default.shtml(ソーシャル・イノベーションネット)

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