2010/12/28 by yanyan

ドキュメンタリーとNGOのコラボレーション

今年4月16日から20日まで、北京でユニークなイベントが開催された。「非営利組織ドキュメンタリー鑑賞会」と題するこのイベントは、映像制作会社である「影弟工作室」と、公益組織のインキュベーション組織である北京NPI非営利組織発展センター、そしてイビリア現代芸術センター(伊比利亚当代艺术中心、北京798芸術区内にある)の共催によるものであり、放映以外に、ドキュメンタリーが扱うテーマに関連するNGO団体の解説と来場者を巻き込んだ討論も、特徴の一つであった。合計10本のドキュメンタリーが上映された。

放映されたドキュメンタリーは以下の10本。

1,『老年男女』、高齢者社会がテーマ。監督:訾瀚。自称54歳(実年齢84歳、男性)の主人公に「婚活」生活を描く。「交流の相手がいることが高齢者にとって最高の幸せ」であることを訴える。

2,『木組』、森林伐採がテーマ。監督:于広義。黒龍江省で伐採業に従事する男たち。100年前と同じ作業方法で厳寒の中で仕事をする彼らの生き様、自然との関係を描く。

3,『ユートピア』、障がい者施設がテーマ。監督:王逸人。二十数年前、吉林省の山奥に障がい者と精神病患者を収容する施設が造られた。ほかの村から遠く離れたこの地で、彼らは助け合いながら畑を耕し、自給自足の生活をしている。それでも「狂人村」と呼ばれている。

4,『袁学宇を探せ』、未成年の保護がテーマ。監督:鈄江明。15歳の時に仲間と鄭州郊外のある工場に出稼ぎに行った袁学宇。たった2週間で行方不明になってしまい、父親がすべてを放り出して2年間探し続けた。その間に数名の少年を「奴隷労働」から救い出したが、ついに息子を見つけ出すことはできなかった。

5,『馬さん一家』、水資源がテーマ。監督:査暁原。寧夏にある小さな貧しい村で暮らす馬さん一家の生活を淡々と描く。今の時代に貧困地域で暮らす農民の生存状況、彼らの仕事と生活のあらゆる面を丁寧に追いかけ、結婚と育児に伴う彼らの苦悩を描き、水資源の乏しさの深刻な影響を明らかにしている。

6,『無定河』、就学と就業がテーマ。監督:黎小鋒。陝北地域、農村から街に来て三輪リアカーで生計を立てる「苦労人」たち。やっとの思いで子どもを遠方の大学に行かせた。4年間が経ち、子どもに就職が見つからず、下の子どもが大学受験を迎えようとしている。それでもまるで本能に逆らえられないように、彼らはまた次の子どもに希望を託す。

7,『龍兄貴』、ドラッグ依存がテーマ。監督:周浩。監督の友人がドラッグにはまっていく物語。期せずしてできたドキュメンタリー。

8,『冬の日々』、地方役人の生活がテーマ。監督:周浩。離任まで3ヶ月の小さな町の共産党書記。投資を誘致して地方経済を発展させようとし、社会の発展に伴って起きる各種矛盾に全力で取り組もうとする彼の仕事と生活を描く。

9,『人間童話』、児童心理がテーマ。監督:衛鉄。ベランダから取った隣の小学校の記録。グランドで走り回る子どもたち、体育の授業で若い教師から体罰を受ける子ども、卓球台で汗を飛ばせながら夢中になる子どもたち。彼らの中にはかつての自分がいた。

10,『オルクヤ、オルクヤ』、少数民族がテーマ。監督:顧桃。中国北部の大興安岺で暮らす伝説の民族「オウンカ」。代々猟と鹿の飼育で生計を立ててきた。2003年、禁猟をきっかけに彼らは住み慣れた山から出て、政府が提供した住居に引っ越した。生業を失った彼らの寂しさを描く。

出典 http://fanhall.com/group/thread/16802.html(現象ネット)

いずれも入場無料で、先着90名限定で放映された。「想定している観客は一般人や芸術業界ではなく、多くのNGO関係者」と主催者側が語っている。いわば「NGOの、NGOによる、NGOのための」イベントと、きわめて陳腐な台詞でまとめられそうなイベントだが、たいへん興味深いと思った。

文責:李妍焱

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