2007/07/30 by GLI Japan

ブログガ企業ヲエコニスル 非対立・提案型の新しい消費者運動

うなぎのぼりに増えるブログ人口、その影響力を利用した斬新なエコアクションが好調である。昨年2月に生まれた非営利サイト「ブログミーツカンパニー」(広田奈津子代表)。市民レベルのエコ提案を集め、企業に届けて検討してもらい、採用してくれた企業を口コミやブログで応援するという新しいタイプの消費者運動だ。

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音楽を通じて環境と平和を考える非営利音楽ネットワーク「環音」の代表でもある広田さんとそのお姉さんの二人で、2006年2月にサイトを立ち上 げたところ、想いを同じくする消費者や環境活動家が次々と参加。現在は、10人ほどのコアスタッフが関東、中部、関西にまたがってボランティアでサイトを 運営している。

また、ソーシャルネットワーキングのMIXIにも、680人のメンバーを擁するコミュニティを持ち、メンバーは個人的に企業へ問い合わせなどを行って、掲示板での情報共有をしているほか、34人のボランティアスタッフがコアスタッフのサポートをしている。

企業と消費者をつなぐ窓口といえば、今も昔も「お客様相談室」だが、代表の広田さんには、この窓口の限界を感じた、小さなエピソードがある。 広田 さんは、「環音」の活動で交流のある東ティモールで、西パプアの人から熱帯雨林の危機的状況を聞いた。帰国後に大手製紙会社のお客様相談室に電話して国産 木材による製紙をやれないか“相談”したものの、「環境配慮の重要性は承知だが……」、担当者の対応はやはり歯切れが悪かった。

利益追求が宿命の企業にとって、消費者の声は大事なマーケティング情報である。コストのかかる環境対策に取り組むために、消費者からの声は大きな判 断材料になる。とはいえ、一人だけの声では企業としても動けない。そこで広田さんは、消費者がエコ提案を実現できない企業を責めるのではなく、提案を受け 入れてくれた企業やその商品を、ネット上や口コミで応援できる仕組みをつくることを考えた。「そうやって企業の中に潜在している環境に優しい気持ちを引き 出そう」と。

サイトの「参加の手順」ページにあるフローチャートを見てみよう。賛同者の多いエコ提案を受けた企業の次のアクションは、二者択一になっている。 「YES」はもちろん「実践」、「NO」なら「見送り」。「NO」の先で「ごめんね」と言いながら小さく微笑む企業人のイラストはまるで、「現状ではすぐ 実施できないが、この提案を忘れずに努力しますよ」と言っているようだ。

「ブログミーツカンパニー」のサイトには、様々なエコ提案が並んでおり、眺めるだけでも楽しい。社内では取り上げてもらえない提案を、自分の会社を 念頭に書き込むこともできるだろう。普段の生活で感じる「勿体無い!」を気軽に発信できる場があれば、提案をあれこれと考えたり、面白い提案への賛同を仲 間に呼びかけたりするのも楽しい。

また、「進行中の提案」ページから、いいと思う提案に投票すれば、その提案の賛成メンバーとしてカウントされ、賛成数が多いものからサイトスタッフ によって企業に届けられる。企業が提案を実現したら、サイトスタッフが賛成メンバーへメールで知らせ、メンバーは口コミや自分のブログで企業の行動をPR 、商品の卸し先を探したりもする。企業にとっては強力な応援団である。

はじめて提案が実現したのは、処理しにくいプラスチックゴミが多く出る「納豆」だった。「納豆のゴミを減らしたい」という提案を受けて、茨城県の (有)菊水食品が開発した。間伐材で作った経木と紙に包まれた三角形の「頑固一徹納豆」は、思い切ってタレやカラシを省き、豆の味にこだわった。(有)菊 水食品によると、コストは従来容器の6倍近いそうだが、サイトを見た容器メーカーさんから紙容器を共同開発しないかという申し出があり、思わぬ効果も生ま れている。

環境負荷を減らすため、一人ひとりの草の根活動も大切だが、やはり大きな影響力を持つのは企業の英断である。その背中に直接働きかける「ブログミーツカンパニー」は、企業と消費者の連携に、新しい可能性を拓いた消費者運動と言えよう。

「どうせ変わらないと思わずに、小さい変化を楽しんで、声を上げていこう!」という姿勢に、多くの共感が寄せられている。

(文責:松江直子)

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