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2007/02/27 by GLI Japan

柳州愛農会 周錦彰、駱沢紅、彭輝

柳州愛農会(広西省)の「土生」法

なぜ『柳州愛農協会』という名称が、以前の『土生良品店(展覧館)』(地元優良品展覧館)に比べて、よりふさわしいのか?プロジェクトを進める彼ら (周錦彰、駱沢紅、彭輝)自身もそれを意識していないかもしれない。ただ、名称が変わってから、彼らの仕事はますます順調に進んでいたのは事実である。

はじまりは「味」

「土生良品店(展覧館)」が正式に成立したのは2005年12月のことだが、その考えが芽生えたのは2年以上前の事だった。「土生良品」とは、「そ の土地の伝統品種を栽培し、栽培過程で農薬や化学肥料、飼料添加剤を使っていない」ということ。広西省は、農耕の歴史が長く、「農産品種の多様性」がきわ めて豊かな地方である。例えば、ここには非常に多くの伝統的な「籼米(うるち米の一種)」品種がある。長い栽培の歴史の中で、土地の複雑な気候と環境条件 に徐々に適応した品種であり、口当たりは非常にいいが、生産量がやや低い。そこで、これに水稲を交雑して普及させた上、農薬と化学肥料を使ったため、生産 量は高まった。そして伝統品種は徐々に消えて行き、人々が懐かしがる「米の味」も失われた。先祖伝来の「古い穀物」を失うのを惜しむ一部の農家のみが、毎 年少し植えて種を残し、自家用にしている。また、ここの地鶏も素晴らしくおいしい。一部の鶏種は山里の壮族が野生を飼いならしたもので、木の枝にとまるの を好み、飛ぶように速く走るので、昼間に捕まえることは出来ないほどだ。

最初、周錦彰たちはこれらの「美味」に引かれ農家に来た。彼らは好んで山里を訪ね、里人は客好きで、自家製の米酒や地鶏と新鮮な野菜で彼らをもてな し、土地の風俗、農業事情、市内の新しい出来事を話題にする。帰り際、彼らはいくばくかの食事代を払うが、何回か通ううちに、里人と友達になり、親戚や友 人を連れて訪ねていく仲になった。これらの珍しくもない小さな出来事は、実は彼らのプロジェクトが発展するための堅実な基礎となっている。「コミュニティ が支える農業(CSA)」のやり方に接して後、彼らは柳州においても同様のプロジェクトをやることが出来ると感じ、「土生良品店(展覧館)」をオープンす るという考えに至った。彼らがこの一歩を踏み出したのは、頭で考えたのではなく、「行動から」出てきたものだ、とも言える。

混沌の中の「第一歩」

彼らは農村からのスタートを選び、コミュニティが農業を支えるというシステムを確立したが、それは、彼ら自身の経歴と密接な関係がある。周錦彰は広 告会社勤務。柳州周辺の農村で「中国移動柳州支店」のために広告業務を行っていた。もともと農村文化に興味のあった彼は、仕事ついでに農民の考えをより理 解し、農村の風俗、いろいろな農事に対しても更によく知るようになった。駱沢紅は彼の同僚で、余暇に自然を撮影することを趣味にしており、彭輝は三人の中 で最年少、山里を歩くことが好きだ。「土生良品店(展覧館)」のオープン前から、彼らはよく連れ立って山里へ遊びに行っていた。

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彼らの周囲の親戚、友人のうち、このような活動が好きな人も、よく彼らと一緒に農村を訪ね、農家の食事を楽しんだ。帰りがけ、農家から新鮮な卵や 米、果物などを買ったが、それは金儲けのためでなく、みんな割り勘式で、共同で費用を負担した。活動の手配も気の向くままで、彼らはネット上にフォーラム を設けて時間を決め、行きたい人はネット上に申し込む。人数が決まると、彼らは協力して交通機関を手配し、農家に連絡する。参加人数も次第に増え、一回の 最多人数は70余人。車を持っている人は車を、車を持たない人は同乗しガソリン代を払う。彼らが活動の中から感じたのは、参加した人々が農村を好きになっ ていくのは、一人や二人の考えや感銘ではない、ということだ。柳州は重工業都市であり、工業化がひどい環境汚染をもたらした。機械がこの都市の紐帯とな り、人と人の間の基本的な相互信頼は失われた。農村での活動体験は、この都市の現状と鮮やかな対比を形成する―――もともと互いに知らない家庭、子供たち が一緒に小動物にえさをやり、大人たちは子供たちの周りでお百姓さんとお茶を飲み雑談する。活動に参加した人の多くが、親戚友人を伴って再びやって来る。 時には「大部隊」と一緒でなく、自分で手配をして、友人と一緒に農家を訪ねる人も出てきた。

この間、もちろん若干のトラブルはあった。農家を「汚い」と感じて、言葉が不遜になったり、農家の労働を尊重せず、食事の時にひどく浪費したり、農 民の謙遜した態度に対し、却って無礼にふるまったりする参加者もいた。周錦彰たちは、これらの出来事をネットのフォーラム上に公開し、参加者が自分自身を 照らす鏡の役目を果たした。また一方では、実際に出かける前に、参加者に農村の実態を伝え、心積もりをさせた。こうした努力の結果、トラブルは少なくなっ ていった。

こうして、彼らは徐々に自分のコミュニティを形成し、共同の価値観と文化をもつようになった。つまり、比較的自然な状態で、コミュニティが農業を支 えるという「雛形」を確立したのである。愛農会、協力農家及び都市共同購入者グループの間の信頼が、このような具体的な活動の中にしっかりと根を下ろして いる。また、彼らもその中から事業に対する重要なきっかけを見つけた―――「都市の人たちの農村ツアー需要は不規則だが、‘食べる’ことは日常生活の一部 であり、この部分の需要は安定している」。 農家で食事をごちそうになると、出される米、野菜、鶏の味は市場よりいいと誰もが感じる。それは、農民が、自家用農地にはそれほど多くの農薬や化学肥料を 撒いていないためだ。形は市場で買ったように美しくはないが、味と栄養ははるかにいいので、多くの人が帰りがけに、いくつか買い求める。参加者は、再びこ こを訪れるとは限らないが、「農家のご飯」は食べたいと思うだろう。これは周錦彰たちが「土生良品店」を設立するきっかけとなった。

●「都市共同購入者グループ」はどのように結成されたか

中国の環境保護団体が「コミュニティが支える農業」プロジェクトを行う際、最大の問題は「如何にして安定した共同購入グループを形成するか」であ る。人々の環境保護意識は高いとは言えず、都市の消費者も、化学肥料と農薬を大量使用することによる危険性を明確には感じていない。一方、人と人の間の基 本的な相互信頼は失われ、現代は、工業、農業にかかわらず「金儲け」第一という傾向がある。「農産品の生産を監督できないならば、どのようにして貴方が栽 培の過程で化学肥料や農薬を使用していないと信じることができるのか?」

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都市共同購入グループは、「健康的な飲食理念」や「伝統的な農村文化」に対し、強い肯定感を持っている。そのニーズを掴み、直接体験の機会と雰囲気 をつくり、相互の交流を進めることで、個人間の信頼を確立する。それが、柳州愛農会のやり方である。友人と農村に遊びに行くことから始め、土生良品店(展 覧館)を建設した彼らは、その次に「土生良品試食会」を行ったり、農民を都市に招いて「都市と農村対面交流会」を行ったりした。これらの活動は、彼らに とって「それ自体が楽しみ」なことなのである。

彼らは細かな部分で非常に頭を働かせている。例えば彼らは竹の札をたくさん作らせ、農家が農産品を販売するのを助けるとき、竹の札に生産者の名前、 所在地、買い上げ時間を書く。こうすれば、村での活動及び対面交流会の時に、消費者は自分が買った農産物の生産者は誰か、どのように生産されたのか、ひい ては「その農家の籼米はどんな味か!」まで知ることができる。彼らは「緑色野菜」認証などコストの高いやり方に代わり、自分たちが編み出した「地域ならで はの」やり方で作物を売る。これが「小農経済」にはふさわしいからである。

柳州には環境保護団体も環境保護に関心を持つ民間グループもないが、健康的な食品を食べ農村の風俗の体験することには、「市場」がある!これが柳州 において適したやり方なのである。コミュニティが支える農業というシステムを形成する主要な推進力は、愛農会のメンバーたちだ。彼らは柳州の土地文化の中 で成長し、その自然と文化に深い愛着を持ち、このような体験と理念を他の人にも伝えたいと考えている。同時に、コミュニティが農業を支えるというやり方を 通じ、彼らも体験を理性の認識に転化している。例えば彼らは現在「柳州の伝統的農産品種の多様性を保護」し、コミュニティが農業を支えるというプロジェク トを展開することの重要性を強く意識している。

自己と農民の利益をひとくくりにする

「土生良品店(展示館)」から「柳州愛農協会」に至る経験から、周錦彰たちはプロジェクトの核心が「自己と農民の利益をひとくくりにする」ことにあ ると切実に感じた。農民が考えるのは主に二つの点である。一つ目はリスク、自分が作っているものが売れるかどうかの心配。二つ目は少しでも高く売りたいと いう希望。また、もう一つの管理を必要とする現実の状況は「現在の都市と農村間で、人と人との基本的な信頼関係はすでに破壊されている」ことである。新た に信頼関係を確立しようとするならば、必ず日常の小さな作業の中で擦りあわせをしながら発展させなければならない。上述の三点に基づき、周錦彰たちは模索 の中からいくつかの有効なやり方を見つけた。

「過ちを許す」受容力を持たなければならない。例えば昨年の春節前、彼らは都市の共同購入グループの求めに応じて、農村で地鶏を買いつけた。農民は 以前「鶏屋」に売った時のやり方を踏襲し、地鶏の中に「飼料鶏」を混ぜた。彼らはまず地鶏価格で支払い、次に鶏を受け取るとき、名前を挙げずに批判した。 こうすれば、直接の衝突を避けられる上、農民は自分の鶏が引き取られるのを見て、引き続き地鶏を飼う気持ちになれるからである。この過程はまた、農民が感 情面で「愛農会」の考え方と要求を受け入れるのにも役立った。

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農民に実益を感じさせなければならない。周錦彰たちはいつも「市」へ行くが、あるとき定期市で、ある人が現地の伝統品種の米を売っているのを見つけ た。彼らは農民の家に行って、化学肥料、農薬を使わないでこの種の米を作るよう頼み、一括買い取りを約束した。農民には、農薬と化学肥料を使わないと収穫 が落ちるという意識があるため、リスクがあると心配しているからである。また、その後、愛農会がこの農民の家に行ったとき、この家で数頭のブタを飼ってい るのがわかった。柳州には、豚を屠殺し、ソーセージを作って年越しをする習慣がある。そこで彼らは都市の友達を連れて農民の家に行き、「農家へ行って、ブ タを屠殺し、ソーセージを作ろう」という年越しイベントを行い、ブタ一頭に200余元多く払った。このお陰で、再び稲作について話した時には、ずっと順調 に進めることができた。

農民が負担するリスクを本当に理解出来なければならない。農民は自分の経験から、協議書では、自分の利益を本当には保証出来ないと思っている。周錦 彰たちが試したやりかたは、農民の通常の栽培法による生産量に照らした収益を計算し、現金を事前に支払う一方、農民には化学肥料、農薬を使わない方法で栽 培するよう厳しく求める。畜産品、例えば地鶏の飼育での彼らのやり方は、当地の優良な伝統鶏の品種を探し、無料で養鶏にふさわしい農家に提供し、鶏が成長 し、あるいは卵を産むようになるまで待って、買い上げる。彼らの買い付け価格は一般に比べて高いから、農家も彼らに買ってもらいたいわけだ。このようにす れば、農家は運用上大きなリスクはない。双方ともに書面の協議書を求めず、すべて長い時間の交流を経て確立した信頼によって行う。彼らが今年の春地鶏卵を 提供した飼育農家は、2年前から付き合いを始めたのである。彼らは三江、融水から続々と探し出した約20羽の優良品種の鶏をこの農家に提供し、2年の発展 と環境適応を経て、現在この農家にはすでに100余羽おり、毎日約1㌔の卵を産んでいる。彼らは都市の共同購入グループ内でもすでに公的信用を確立し、グ ループの人も進んで比較的高い価格で保証つきの卵を買う。現在、卵は需要に応じきれない。

もう一つ重要なのは、小農経済の特徴をつかむことである。土生良品展覧館は農民の要求と共同購入グループの需要に基づき、自分の重点プロジェクト以外に農家が作った木炭、竹製品、サツマイモ粉などの販売に協力する。

●「小農経済」の特徴をつかむ

「愛農会」が奉仕するのは「小農」であり、「小農経済」の特徴の一つが総合的な「産出」である。農民が売るのは「生活の中の余剰産品」であり、「自 給」後の「余り物」である。愛農会が買い付けのとき、考慮しているのは都市の共同購入グループの需要及び農民が本当にこれらの産品を売る必要があるかどう かである。このようにして、土生良品展覧館で販売する産品は、内在論理の基礎の上に、豊富な特徴を現している。春節後、私は土生良品店に行って見たが、そ こで販売している小農産品は、茶油、籼米、地鶏、地鶏の卵、アヒルの卵、ベーコン、木炭、竹製品、サツマイモ粉などであった。

もう一点の興味深い特徴は、農村の「物々交換」である。例えば農村の肉用鶏と産卵用鶏は物を買うのに用い、農夫が言うところの「小遣い銭!」であ る。葉物野菜は自分の家で食べる。だからもし貴方が彼の飼っている鶏を買うなら、彼は貴方に一緒に付け合せのネギやニンニク、葉物野菜などの物を渡すであ ろう。彼らはこれらのものがお金に値しない、「義理人情」の範囲と感じている。現在の商業社会では、売買は金儲けと同一視され、お金は魔力と魔法を持つ物 になった。しかしここでは、「売買」の本質がより体現され、生活のために便利さとサービスを提供しているのである。

また、現在中国の農業が追求している大規模化・工業化のやり方と違い、「小農経済」が重んじているのは「効率的な生産」であり、「生産の速度」では ない。ある面では、労働原価を除いて、「小農」のやり方の原価は比較的低い。彼らは農薬や化学肥料を使わず、地元品種は、その土地の病気への抵抗力と土 壌、気候に対する適応力に優れており、収穫量も安定し、持続的に生産できる。自家製肥料を施し、自家用トウモロコシを地鶏に与え―――、生産に習熟した農 民であれば、このような生産システムの原価は比較的低い。CSAの在地消費方式により、柳州から比較的近い農民は、自分で自転車に乗って少量の農産品を直 接土生良品店(展覧館)に運び、輸送コストを下げた。また、市場が認可した小農産品の市場売価も高い。化学肥料、農薬と飼料を使わず生産した農産品は確実 に一般農産品に比べ口当たりが良い。例えば、私は柳州で紫紅色の籼米を食べたことがあるが、甘くておいしく、歯ごたえと口当たりが極めて良かった。1斤の 価格は3.5元程度である。このような生産方式は、もともとの統一買い付け統一販売、つまりただ生産高を重視するシステムの下では、優勢と見ることは出来 ない。しかし現代社会で、人々が食品の安全と栄養をますます重要視するにつれ、この種の生産方式の優勢がだんだんと具体的に現れてきている。

核心的能力に回帰する

愛農会のスタッフグループの素晴らしい経営能力は、彼らの核心的能力である。プロジェクトを立ち上げる前に、彼らはすでに農村の状況、農民の考え方 と各種の農事活動を熟知していた。彼らはシステム全体の最大の経営リスクを引き受け、非常に慎重に発展の規模と速度を制御し、苦労をいとわず、小農家との 「一対一」の協力方式を追求し、着実に進めていった。言葉を変えていうと、彼ら自身が遵守しているのも「小農経済」の法則であり、またこの種の方式が優れ ていることが、だんだんと具体的に明らかになっている。

彼らはすでに次の活動―――友人と共に「愛心豆腐店」と「土生良品試食館」を作ることを考えている。これらの活動の展開も、愛農会の核心的能力に基 づいて成立するのである。一方、これまでの活動を通じて、彼らは今のシステムの「供給量」をほぼ掌握している。また、彼らはこの過程で非常に多くの農村の 「職人」も発見した。彼らは竹製テーブル、竹製腰掛、飯籠、木製の門やテーブル、草で編んだ腰掛や敷物などを作ることができる。愛農会は直接彼らに注文 し、原価も比較的低い。彼らの協力農家が製作したものもあり、これも小農自給経済の特徴で、大部分の日用品は自家製である。このことはまた、彼らが経営場 所を装飾する際、「地元」の特徴を具体的に現すために役立った。根本的にいうと、すべてのこれらのやり方は、彼らの農村生活と文化への深い愛着からきてい る。農村の路上で、周錦彰はいつも「珍しい物」を発見する。例えば草むらの中に隠れていた大トカゲ、岩石中の貝殻の化石、草地の野生キノコ。納社の道で、 駱沢紅は私に樹上の野生キクラゲを一掴み取ってくれた。まさに彼らが長い間農村で過ごしているからできることであり、彼らは自分の生活からスタートし、自 分にあったやり方を見つけ出した。彼らの最大の挑戦もまた、「農夫の法則」を以って、如何に「愛農会」をうまく経営していくかである。

土生良品:http://tuguan.bokee.com/

作者:朱明、《民間》より転載
翻訳:岡田由一

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