2016/02/10 by Tanada

≪ソーシャル・イノベーションの星≫ 蘭紫

蘭紫氏:識字障害の子供を二度と落ちこぼれさせない

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識字障害の子どもに補習をつけている様子

推薦の言葉:

「楽朗楽読」は学習塾市場における相場と同等か低めの価格を設定している。読み書きが困難な識字障害を持った児童に矯正サービスを提供するため、収入の低い家庭の学費を免除するため、持続可能なビジネスモデルを用いることでより多くの識字障害児に利益をもたらしている。蘭紫氏と「楽朗楽読」のこれらの試みは、その社会的な効果と利益に70万米ドルをはるかに超える価値がつけられた。

20160210-2蘭紫氏は「楽朗楽読」というあるNPOの創始者である。2007年から始め、既に300人あまりの識字障害児を救うことに成功している。だが、彼女が言うには、このような活動は依然として非常に微々たるものであるという。中国には1500万人の識字障害児がおり、北京だけでも10万人もいる。

2006年、ある偶然の機会が訪れた。蘭紫氏の出版社は親子読書のための図書の選定に関わることになったのだ。彼女が識字障害という概念に触れたのも、その時が初めてだった。

この年、蘭紫氏は自分の出版社を解散し、識字障害児へのサービスに全力を注ぐことを決めた。香港児童啓発協会などの機関による専門的な指導を受けたあと、2007年に蘭紫氏と志を同じくする友人たち数名で「楽朗楽読」を正式に設立した。

「楽朗楽読」を設立した当初、蘭紫氏らは政府の関連機関から課題研究費という名目で毎年8万元を得ていたが、これは雇っている教師の基本給を賄うに過ぎなかった。サービスを必要としている児童の膨大な数を考えると、焼け石に水である。

この活動を長く続けていくために、「楽朗楽読」が取った方法は、募集した学生5名につき1名、経済的に困難な家庭の子供の学費を免除することだった。今のところ、ここで指導を受けている子供は比較的良い家庭環境にいる子供であり、大多数の父母は英語で書かれたサイトを検索して中国語の「楽朗楽読」のサイトを見つけ自分の子供が識字障害という問題を持つことを発見したのだ。知識レベルがあまり高くない父母にとっては識字障害とは何かを知る方法すらほとんどない。

ここ数年、蘭紫氏が北京市の各大学で行っている講座により、たくさんの保護者が識字障害に関心を持ち始めている。しかし経済的に困難な家庭は1か月数百元の費用でも工面できない。「費用を払えないお母さんは、プライドがあるからはっきりそうとは言わないけれど、私は心苦しいです」。

7歳から12歳は識字障害を矯正するのに最適の年齢だという。教育資源が比較的整っている北京でさえもなおこれほど多くの子供がこの時期の指導を逃しているのだから、都市から遠く離れた後進地域の状況は考えたくない。

子供たちが必要としているのは「楽朗楽読」だけではない。1500万人の子供が助けを必要としているのだから、より多くの人材とより多くの資金があって初めてこれが達成できるのだ。友成企業家扶基金会と南都公益基金会が相継いで「楽朗楽読」に資金援助した。2012年上半期、「楽朗楽読」は70万米ドルのベンチャーキャピタルを獲得し、国内で初めてベンチャー投資を受けた社会企業となった。

蘭紫氏は言う「真の理想的な方法は外国と同じにようになることです。政府が資金面と法律面からどの子供も落ちこぼれさせないように保障するのです。しかし国内では、我々が推し進める必要があります。多くの人は、識字障害を明らかな大問題とは思っていないかもしれませんが、社会の調和と発展のためには、子供を一人も落ちこぼれさせてはいけません。できるできないにかかわらず、私たちはやはりやってみなくてはならないのです」。

執筆者
執筆者所属 社会創業家
翻訳と校正 翻訳:松本喜子、校正:棚田由紀子
メディア http://csnet.asia/wp-content/uploads/6ce108d384e3efef49169dfdb28c3542.pdf

松本喜子

 

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