2015/11/09 by Tanada

CSnet Mail Magazine No.55

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日中市民社会ネットワーク(CSネット)メールマガジン 日本語版
20
1511月号(第55号)
http://csnet.asia
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【目次】
★はじめに:「
トヨタ財団助成プログラムが始まります
CSネット活動報告&活動予告
★マンスリー・ダイジェスト
連載 日中間の不理解に挑む:「日本の市民活動はなぜ新しいメディア技術を使おうとしないの?
今月の“ありがとう!”

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【はじめに】 「トヨタ財団助成プログラムが始まります

 CSネットは過去5年間で、主に環境分野の日中草の根の連携に尽力してきた。いずれも継続可能な交流と連携に向けての「種まき」的なプロジェクトで、とりわけJICAの支援を得て実際に中国で自然学校のムーブメントを引き起こしたことは、大きな成果だと言える。自然学校のプロジェクトは日中の交流を通して、「人を育てる」「ネットワーキングの仕組み構築する」ことを主な目的としたが、同時に「思想と価値観、智慧を共有する」ための場づくりとして、私たちは上海で東アジア地球市民村のイベントを主催してきた。「人」「仕組み」そして「思想と価値」、この3つの着眼点から、CSネットは日中間の交流活動の仕掛け人、仲介人、文化の翻訳者の役割を果たしていきたいと、考えている。

そして、トヨタ財団国際助成プログラムが、11月から正式に起動する。これはCSネットが日中間の交流からイノベーションを生み出すことができると考えるもう一つの主要な領域――高齢化社会という領域でデザインした交流プログラムである。思いは明確。「尊厳のある老後を実現するような生活圏コミュニティを可能にする仕組みとはなにか」、日中の専門家と実践者の交流・学び合いを通して答えを導き出すことである。ケアしてもらうだけの老後ではなく、最後まで「尊厳」を放棄しない老後。行政コミュニティに任せるのではなく、市民目線で市民主導の生活圏コミュニティをつくる。単発的で偶発的な「取り組み」ではなく、ある程度普遍性を持つ「仕組み」を見出す。1年間だけのプログラムでどこまで「答え」を導き出せるか、おそらく完璧な答えにはならないと思う。しかし、CSネットが一貫して求めてきた「種まき」効果をしっかりと発揮できるように、心して取り組みたい。(やんやん)

【CSネット活動報告】
★10月14日から21日まで、中国・山水自然保護センターと共催で、北海道自然学校視察ツアーを行いました。北海道といえば、ねおす。これまでも何度も、中国人の自然学校関係者の視察や研修を受け入れてくださっています。また、山水自然保護センターも、JICA草の根プロジェクトやCSネットとの共催を通じて、日本の自然学校の活動や取り組みについて理解を深め、中国での活動にフィードバックしています。
★10月24日から26日まで、岡山で開催される「日中韓環境教育ネットワーク(TEEN)会議」に代表の李が出席しました。
★10月26日に行われたトヨタ財団助成金贈呈式に、事務局長の朱を始めとする3名が出席しました。翌27日には、代表の李とプロジェクトメンバーによるプレゼンテーションも行われ、いよいよ本格的なプロジェクトがスタートします。プロジェクトの期間は1年、内容は高齢者の尊厳ある生き方を支えるコミュニティの仕組みとはなにかについて、日中双方の専門家と実践者が学び合いを通して探求するもので、最終的には提言書にまとめ上げていく予定です。
★10月30日から11月1日まで、事務局長の朱が「第16回CONEフォーラムin白山」にパネリストとして参加しました。フォーラムの様子は、こちらの facebook からどうぞ →→ https://www.facebook.com/coneishikawa/

【CSネット活動予告】
★11月7日から21日にかけて、東アジア地球市民村・ピースウォークを実施します。スタートは上海の魯迅公園、ゴールは南京の中山陵です。1日平均20kmを歩き、道中は民家や寺院に宿を借りる予定で、15日かけて全行程約300kmを踏破します。どんなゴールが待っているのか、事務局はドキドキしながら見守っています。
★11月13日から15日にかけて、事務局長朱がいったんピース・ウォークを離れ、杭州で開催される第2回中国自然教育全国フォーラムに日本側のキーパーソンとともに参加します。自然学校専門家の若林千賀子さんと森美文さんが、それぞれ「人材育成」と「安全管理」の分科会で発表する予定で、朱も「自然芸術」の分科会で日本の事例を紹介します。
★11月13日から17日にかけて、代表の李がTEEN(日中韓環境教育ネットワーク)専門家を案内して、中国の環境教育とESDの現状に関する実地調査を行います。まず杭州で第2回自然教育全国フォーラムを取材し、その後北京に赴き、自然の友や山水自然保護センター、阿拉善SEE基金会、中国環境省環境教育宣伝センターの宣伝基地などを訪問する予定です。ESDとは、「持続可能な開発のための教育」(Education for Sustainable Development:)のことで、こちらの文部科学省のページをご参照ください →→ http://www.esd-jpnatcom.jp/about/index.html

 

【マンスリー・ダイジェスト】

10月は、スタッフ多忙のため、記事の更新はありませんでした。申し訳ありません。
11月にご期待ください!

皆様、どうぞhttp://csnet.asia をよろしくお願いします。

【連載:日中間の不理解に挑む】 「日本の市民活動はなぜ新しいメディア技術を使おうとしないの?」

 先月、環境NGOの中間支援を行う団体のリーダーが、国際交流基金の招聘を受けて、1ヶ月程度日本で環境NGOに関する研究活動を行いました。私たちもサポート役として入門講座を担当し、団体データベースの紹介、推薦団体のリストアップ、アポ取りと通訳サポートを提供しました。彼は大変精力的に日本の多種多様な環境NGOを訪問し、できるだけ立体的に、全面的に日本の環境NGOの現状、特徴を捉えようとしました。

滞在の最終日に、今回の招聘活動の主催者国際交流基金と彼、そして私も加わり、今回の研究活動のまとめを行いました。彼は日本の環境NGOについて、いくつかの課題を指摘しましたが、最も強調したのは、「なぜ日本のNGOは容易に変化を受け入れられないのか」ということでした。世代交代の難しさもそうですが、ことに顕著なのは、情報発信の問題だといいます。

総じて日本の団体は新しいメディア技術を活用できていないと、彼は指摘します。不特定多数を想定するWebサイトでの発信は、今の中国ではもはや主流ではありません。Webから団体を検索して読む人はそれほどいません。ほとんどWeChatだそうです。日本にもWeChatとほぼ同じ機能を持つLineが使われていますが、なぜLineを市民活動のエンパワーメントに使わないのか、彼は不思議がっていました。中国ではWeChat上で多くのグループが形成され、そこでは活動のお知らせだけではなく、議論が交わされ、参考になる文章の紹介、テーマに関連する政策、制度的動向の紹介、斬新な取り組みの紹介など、貴重な情報がたくさん得られます。もちろんテーマを共有するグループなので、そこでつながりができて実際連携して活動を行うこともたくさんあります。活動の参加費や寄付も、ネット上ですぐに決済できて便利だと言います。更にグループで紹介された文章をたどっていき、その発信元が気に入れば「講読」に登録しておくことができます。そうすれば雑誌のように、お気に入りのリソースの最新記事を読むことがいつもできるわけで、これなら確かにWeb検索しなくなるなあと、私も思いました。

日本ではなぜ情報発信をWebメインで考えるのか、彼は疑問に思っていたようです。国際交流基金の方は、Lineはもっぱらプライベートの交友関係にしか使われないのは、セキュリティの問題(情報漏れの心配)によるのではないかと話しておりましたが、彼はあまり納得しませんでした。

私にもよく分からないのです。なぜ日本では便利なIT新技術を市民活動促進に使わないのか・・・FBはあるのですが、Lineほど手軽ではありません。

日本は30年以上模索しながら活動してきたので、すでに「スタイル」ができあがっているため、新しいスタイルになかなか転換できないのでは?と、彼は指摘しておりました。そうなのかもしれませんね。そもそもここで書いている「メルマガ」も中国ではもはや流行っていないのです。メールそのものも、WeChatに取って代わられようとしています。「メール出したから、見てね」ってWeChatで頼まないと、読んでもらえないかもしれない状況です。とほほ。(やんやん)

【今月の“ありがとう!”】

 サイトの更新こそできませんでしたが、今月も翻訳ボランティアを始めとする皆様のご協力によって作業が進められました。日頃の感謝をいっぱい、いっぱい込めて、ここで「ありがとう!」をお伝えしたいと思います。(順不同)

翻訳: ヒョウ ウン様、王麗様、野地りえ様、三浦祐介様、川口晶子様、松本喜子様
記事選定: 趙秀梅様

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