2015/04/07 by Tanada

CSnet Mail Magazine No.48

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日中市民社会ネットワーク(CSネット)メールマガジン 日本語版

20154月号(第48号)

http://csnet.asia

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【目次】

はじめに:「覇権より文化力と民力を大切に

CSネット活動報告&活動予告

★マンスリー・ダイジェスト

連載 日中間の不理解に挑む:「中国に対するイメージの世代間格差

今月のありがとう!

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■バックナンバーは、こちらから → http://csnet.asia/archives/category/mailmagazine

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【はじめに】

覇権より文化力と民力を大切に

中国主導のアジアインフラ投資銀行に、米国側とされる欧州の国やオーストラリア、韓国も参加を表明し、ロシアまでも加わり、中国が国際社会における勢力の強さを誇示することができた。政治評論家が言う。覇権を支えるのは軍事力、政治力と経済力。日中によるアジアでの覇権争い。政治力でも経済力でも中国に敵わないのはもはや明白。だから日本の首相が「我が軍」と口走るほど軍事力に賭けるようになったのでしょうか。しかし、10倍の大きさの隣国に、軍事力で挑むのが、賢い選択なのでしょうか。

国の強さって何でしょう。軍事力と政治力、経済力は表面的な要素に過ぎず、文化力、民力こそが重要なのではないだろうか。中国人が羨む日本とは、技術力や経済力の日本、ましてや軍事力の日本ではない。社会的格差が広がらず、人々が他人に配慮しながら振る舞い、丁寧にそれぞれの仕事と責務を果たし、秩序を重んじ、穏やかで教養ある日常を送ることができる社会としての日本です。アジアの真のリーダーでいたいならば、そのような真の強み、文化力と民力を守り抜き、さらに強化していくことが求められるのではないだろうか。

そもそも覇者やリーダーが幅をきかせること自体、日本の文化ではなじみがない。数千年もエリート統治を貫いてきた中国は、リーダー重視の文化。それに対して、島国日本は、共生と予定調和を重んじる文化だといえる。日本におけるこのような文化力と民力がアジアで、世界全体でより多くの共感を得ることができれば、より多くの人が、覇権争いやリーダー争いの構図から抜け出し、共生の価値に気づくようになるのではないだろうか。

3月中旬に私たちは上海で2回目の「東アジア地球市民村」を主催した。昨年度は塩見直紀さんの「半農半X」の思想、今年は辻信一さんのスローライフの思想を中国の皆さんに伝えた。予想をはるかに超える熱い反響から、私たちは「価値観」の魅力と力強さを改めて感じ取りました。

中国との競争が避けられないというならば、戦略は「提示する価値観、社会像と世界像の違い」を打ち出すこと、それしかない。「我が軍」をなんぼ強くしても、勝てませんって。世界一強い軍を持つ米国だって、あっちこっちで負けっ放しじゃないか?

(やんやん)

CSネット活動報告】

★3月12日と13日に、国際交流基金民間教育者来日ツアーに代表の李が参加し、長野県のグリーンウッド自然体験教育センターと泰阜村の小中学校を案内しました。大変中身の濃い交流と訪問となりました。訪問団の一人、北京西部陽光教育基金会の楊さんの感想文(中国語版)が以下にあります。

http://mp.weixin.qq.com/s?__biz=MzA5MDQ2NjIzMw==&mid=204064151&idx=1&sn=c3ed1d66b2497f2fbc3b69663f440eb4&scene=1&from=singlemessage&isappinstalled=0#rd

★3月14日から16日の日程で上海にて開催した、第1回東アジア地球市民村が無事閉幕しました。上海でのメインプログラムの他にも大理でフィールドワークを行い、より充実した地球市民村となりました。参加された方々よりレポートもいくつか届いておりますので、順次サイトへ掲載&翻訳していく予定です。

★3月19日から22日に開催されました「海南琼中自然教育フォーラム&ワークショップ」に、代表の李が参加しました。日本の自然学校運動の経験を地元の方々に紹介し、現地の自然教育事業の進め方について意見を交わした以外にも、自然教育関係者との関係構築もでき、今後のCSネットの活動に生かしていきたいと思います。

CSネット活動予告】

★4月25日から28日まで、事務局長の朱が森環境教育研究所の森所長に同行し、北京で自然体験活動指導者の研修セミナーを実施します。

★5月下旬に予定されているJICAプロジェクト自然学校来日視察の準備作業に入ります。

【マンスリー・ダイジェスト】

3月は、新たに3本の記事をサイトへ掲載しました。

★主要プロジェクト

<中国に自然学校を>

C-Zoneを突破し、ゆっくりと成長する

http://csnet.asia/archives/17048

★環境・災害支援・高齢化問題

『老小孩』 ~ 高齢者のための娯楽ツールを【後編】

http://csnet.asia/archives/17088

★草の根活動、公益活動

2014年度 有機会 優秀青年功労者 トップ10

http://csnet.asia/archives/17068

→ 9番目に、事務局長の朱が紹介されています。ぜひご覧ください!

皆様、どうぞhttp://csnet.asia をよろしくお願いします。

【連載:日中間の不理解に挑む】

中国に対するイメージの世代間格差

「はじめに」でも触れている、中国主導のアジアインフラ投資銀行のニュースを始め、中国に関するニュースが流れない日はない。旧正月の頃は「爆買い」と騒がれ、つい先日は、お花見で訪れる中国人観光客が、桜の名所近くの宿を軒並み押さえる「爆宿」が発生したという。何でもかんでも「爆○○」というネーミングはさておき、政治的にも経済的にもお互いに無関心・無関係ではいられない両国である証だろう。しかし、その中国に対して日本人が抱くイメージは、世代によって大きく異なっているようだ。以下、あくまでも私の周りの人間を観察した結果であることを断りつつ、書いてみたい。

まず、おおむね60歳代後半から上の世代。この世代は、中国に対してとても良い印象を抱いている傾向が強い。1972年の日中国交正常化を肌で経験した世代だ。中国首脳陣と笑顔で握手する首相がテレビで放映され、友好の印であるパンダがやってきて、一気に親中ムードが高まった。悠久の歴史と時に育まれた、ゆったりとおおらかな中国の人々に接し、より好意を抱いた人も多かっただろう。「これからは中国の時代」を実感した世代でもある。

次に、その下から40歳代くらいまでの世代。この世代は、中国に対して良い印象を持ちつつも、好ましくないニュースや現実に暗澹たる思いを抱いている人が多いように思う。実際に中国に住んでいる人も、過去に抱いていたイメージと激変する社会との間で苦しんでいる割合が高い。一番複雑な心境を抱いている世代と言ってもいいだろう。

そして、30歳代以下の世代。この世代は、中国に対していいイメージを持っている人がとても少ない。バブルが崩壊し、社会的にも経済的にも「しょんぼり」した経験をしてきた。低迷する日本と反対に、どんどん経済力をつけ破竹の勢いで急成長する中国を目の当たりにした世代だ。そのせいか、実際の中国ではなくニュースで報道される中国の姿に嫌悪感を抱いている傾向が強いように思う。「中国、嫌い」とハッキリと口にする世代でもある。

もしかしたら、中国人が抱く日本のイメージも、意外と世代間によって異なるのではないだろうか。日本の豊かさに憧れた世代と、豊かさを目指して邁進した世代と、すでに豊かさを享受している90后(90年代生まれ)世代では、日本に対するイメージが異なるであろうことは想像に難くない。世代によって異なる日本観を広く知ってもらうことで、人的交流や相互理解も進むんじゃないだろうか。反日デモで声を荒げる人や、日本で高額の買い物や豪遊をする人以外にも、もっといろんな中国人がいることを、日本人にもっと知ってもらいたいと切に思う。(Y.T)

【今月の“ありがとう!”】

 3月もサイトの更新は翻訳ボランティアを始めとする皆様のご協力によって無事進められました。日頃の感謝をいっぱい、いっぱい込めて、ここで「ありがとう!」をお伝えしたいと思います。(順不同)

翻訳: 三津間由佳様、藤澤美歩様、市橋美穂様、植木亜里沙様、佐藤祐子様、

記事選定: 趙秀梅様

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