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汶川地震 ~5年後の今~(最終回)綿竹【エピローグ】
前編は、こちらから → http://csnet.asia/archives/16817
後編は、こちらから → http://csnet.asia/archives/16963
ブン川地震被災地の再建プロジェクトは、まさに中国の国家としての実力と効力の表れだ。震災復興に豊富な経験をもつ日本であっても、3年以内に被災地の再建を完成させた再建スピードの速さと再建規模は、比べ物にならないと多くの日本人が称賛した。今年3月末に、私は成都でCODE日本海外救援市民センターの新任理事長吉春雅道氏と再会した。彼はこのように述べた。「2011年3月の東日本大震災から3年も経ちますが、30万人の被災者はいまだに仮設住宅での生活を余儀なくされている。日本の土地は個人所有のため、政府と地主との間でいまだに双方が満足する使用協定に至っていない」。確かに国を挙げて再建を行うやり方は中国しかできないかもしれない。しかし、スピードを追求する再建方式には議論すべき点は多々あると思う。
被災地の再建地は名実共に大きな建築現場だ。建築プランナー、デザイナー、建築士は大きな脚光を浴びた。彼らは廃墟をきれいな家に変え、真実を知らない外来者に「四川人は震災のおかげで得した」との錯覚すらもたらした。しかし、ゆっくり話を聞いてみると、この美しく新しい都市や村は人々の抱えている大きなプレッシャーを隠しきれない。第一に、債務返済のプレッシャー。農村地域では、新しい家を建てるのに殆どの人が借金している。2012年から、銀行から借りた少額借入金は元利返済の最終期限を迎える。多くの被災者はそれに大きなプレッシャーを感じている。経済的なプレッシャーと人情のプレッシャー。一般的に彼らは多重債務を抱えている。少額借入金であってもそのうえに人情という債務を負っている。農村では返済の期日になると、借金を借金で返すやり方が多くみられる。従って、被災者が借金して再建を行うやり方は、被災地の人間関係をいっそう複雑かつ脆弱なものへと変えた。第二に、物価高騰のプレッシャー。物価の高騰は全国でもよくあることだが、被災地は特に高騰が激しい。3年以内に完了させるという再建スピードに疑問を感じている被災者が増えている。「物価の高騰は地震の後からだ」と、殆どの被災者が震災のせいにしている。3年以内に再建を果たす目標は、建築現場の人手不足、建築材料不足をもたらした。また建設援助隊の増員は、穀物類や野菜などの食材不足ももたらした。再建終了後、援助隊が撤退し、爆発的に拡大した消費市場が急激に冷え込んだ。多くの被災者は債務を抱えているため、内需の拡大が急務となった。高い物価は商売人にも被災者にも大きな打撃を与え、歩いていると、最も聞こえてくるのは物価の高さへの不満だった。「家はきれいになったけど、生活水準は落ちた」、これは多くの被災者が現状生活に対して抱く評価だった。綿竹と北京の果物の値段を例に比較すると、リンゴ、ナツメ、バナナなど、綿竹のほうが30%ほど高い…しかし、ここの一般社員の月収は1500元以下だ。
「見かけ倒し」、これは私が重大被災地を一周してきた全体的な印象だ。
執筆者 |
譚斯穎 |
執筆者所属 |
|
翻訳と校正 |
翻訳:王麗 校正:棚田由紀子 |
メディア |
ブン川[W1] [y2] 地震被災地の再建プロジェクトは、まさに中国の国家としての実力と効力の表れだ。震災復興に豊富な経験をもつ日本であっても、3年以内に被災地の再建を完成させた再建スピードの速さと再建規模は、比べ物にならないと多くの日本人が称賛した[y3] 。今年3月末に、私は成都でCODE日本海外救援市民センターの新任理事長吉春雅道氏と再会した。彼はこのように述べた。「2011年3月の東日本大震災から3年も経ちますが、30万人の被災者はいまだに仮設住宅での生活を余儀なくされている。日本の土地は個人所有のため、政府と地主との間でいまだに双方が満足する使用協定に至っていない」。確かに国を挙げて再建を行うやり方は中国しかできないかもしれない。しかし、スピードを追求する再建方式には議論すべき点[y4] は多々あると思う。
被災地の再建地は名実共に大きな建築現場だ。建築プランナー、デザイナー、建築士は大きな脚光を浴びた。彼らは廃墟をきれいな家に変え、真実を知らない外来者に「四川人は震災のおかげで得した」との錯覚すらもたらした。しかし、ゆっくり話を聞いてみると、この美しく新しい都市や村は人々の抱えている大きなプレッシャーを隠しきれない。第一に、債務返済のプレッシャー。農村地域では、新しい家を建てるのに殆どの人が借金している。2012年から、銀行から借りた少額借入金は元利返済の最終期限を迎える。多くの被災者はそれに大きなプレッシャーを感じている。経済的なプレッシャーと人情のプレッシャー。一般的に彼らは多重債務を抱えている。少額借入金であってもそのうえに人情という債務を負っている。農村では返済の期日になると、借金を借金で返すやり方が多くみられる。従って、被災者が借金して再建を行うやり方は、被災地の人間関係をいっそう複雑かつ脆弱なものへと変えた。第二に、物価高騰のプレッシャー。物価の高騰は全国でもよくあることだが、被災地は特に高騰が激しい。3年以内に完了させるという再建スピードに疑問を感じている被災者が増えている。「物価の高騰は地震の後からだ」と、殆どの被災者が震災のせいにしている。3年以内に再建を果たす目標は、建築現場の人手不足、建築材料不足をもたらした。また建設援助隊の増員は、穀物類や野菜などの食材不足ももたらした。再建終了後、援助隊が撤退し、爆発的に拡大した消費市場が急激に冷え込んだ。多くの被災者は債務を抱えているため、内需の拡大が急務となった。高い物価は商売人にも被災者にも大きな打撃を与え、歩いていると、最も聞こえてくるのは物価の高さへの不満だった。「家はきれいになったけど、生活水準は落ちた」、これは多くの被災者が現状生活に対して抱く評価だった。綿竹と北京の果物の値段を例に比較すると、リンゴ、ナツメ、バナナなど、綿竹のほうが30%ほど高い…しかし、ここの一般社員の月収は1500元以下だ。
「見かけ倒し」、これは私が重大被災地を一周してきた全体的な印象だ。
[W1]PCの手書き入力はできなくなってしまったので文川としました。修正お願いします。
[y2]「シ文」の字は変換できませんよね。翻訳者泣かせです。このような場合、CSネットでは原文からコピペして貼り付けるか、カタカナで「ブン川」にするか、どちらかで対応しています。
[y3]叹には、嘆く(悲しみ)という意味と褒める(喜び)という意味の両方があります。ここは、中国の再建スピードの速さに感心していると解釈した方がいいと判断しました。
[y4]「要」には既に「~しなければならない、~すべき」という意味が含まれているので、「議論すべき点」か「要議論の点」のどちらかが適切な表現です。