2014/10/08 by Tanada

上海、コミュニティにおける高齢者互助サービスの提供を推進

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66歳の金珠(左)と74歳の張敬慈のペア、互いに助け合い思いやり、介護し不安を取り除く。(撮影:蒋迪雯)

もうすぐ敬老の日を迎える。

上海は中国で真っ先に高齢化社会に突入した都市であり、現在60歳以上の高齢者が347万6000人と全人口の24.5%を占めている。高齢者層が平穏に晩年を送れるように、近年、上海では介護サービスに力を入れている。介護施設のベッド数を増やし、高齢者の活動センター、デイサービス、食事の配膳センターを展開し、一人暮らしの高齢者のために在宅介護サービスを提供している。毎年市政府の具体的な施策の中には、これらのプロジェクトが必ず組み込まれている。

高齢者の生活をより幸福にさせるのは、高齢福祉のハード面の改善だけにとどまらない。高齢者の状況は人それぞれ異なり、多様で個人的なニーズを持っている。基本的な介護サービスを享受すると同時に、彼らはまた精神面、文化面などのニーズも持っている。老後の生活をみてもらう以外にも、社会に貢献し、様々な活動や学ぶことを通じて晩年を楽しむことを望んでいる。今日から本稿は“敬老の日、高齢者の心の声を聞こう”というテーマを取り上げ、記者は高齢者の生活に密着し彼らの思いに耳を傾けていく。

“あなたの心のこもった介護がなければ、私はいまこの世にいない。”この国慶節の長期休暇、淮海路和合坊に住む徐恵民老は突発的な不調に襲われたが、幸いなことに日頃からペアを組むシニア・パートナーの金珠がいてくれた為に、この老人は九死に一生を得た。

白髪一色の徐恵民老は80歳過ぎで、彼の妻は早くして亡くなった。息子も身近にはおらず、一人で暮らしている。国慶節の初日、金珠はいつも通り朝早く徐恵民老の家を訪れたところ、彼が眩暈に襲われ具合がとても悪いことに気づき、長年医者として培ってきた経験から、すぐに病院に連れて行った。「金珠さんがタイミングよく私を病院に運んでくれたおかげです。さもなければ私は家で脳梗塞になり、意識が戻らなかったでしょう」。当時の情景を思い出すと、徐恵民はやはり恐怖感を覚える。診察の申込みをし、検査をし、薬を調合し…金珠は四方八方奔走し、彼に付き添って医者にみせた。さらに徐恵民を感動させたのは、彼は毎日点滴が必要だという事情を知った金珠が、中秋節、国慶節の家族団らんの時間や休息時間を削り、6日間続けて自主的に徐恵民を病院に連れて行き、彼の点滴に付き添い、再び彼に付き添って家まで送り届けたことだ。“本当に私の家族よりもさらに親しい”と彼は述べた。

徐恵民と金珠ペアのような“シニア・パートナー”計画を推進することは、今年の市政府の具体的なプロジェクトである。1人の60歳から70歳までの健康な前期高齢者をボランティアとして、5名の同じコミュニティに住む80歳以上の独り暮らしの後期高齢者とペアを組ませ、前期高齢者による後期高齢者の在宅互助サービスを提供する。その内容は主に“健康的な生活方式”を主題とし、老いのため日常生活に支障をきたす状態になることを防ぎ、健康科学の普及、精神的な慰めなど家庭の思いやりと生活を補助するサービスを展開している。それによって、リスクの発生を予防または軽減させ、高齢者の生活の質と社会的な交流を促進している。瑞成コミュニティの書記を務める周旭東が紹介するところによると、この地域には60歳以上の高齢者が1416名おり、もし居民委員会幹部とソーシャルワーカーだけに頼るならば、一人一人の高齢者に対して行き届いた世話をすることは難しい。いまのところ、すでに55名の独り暮らしの後期高齢者とコミュニティの前期高齢者のペアが“シニア・パートナー”となっている。

福海団地では、蘇おじさん夫婦がすでに早い時期から階上に住む王おばあさん夫婦の生活を気にかけている。王おばあさんの夫は闘病生活が3年ほどになり、体つきは大きく、歩行に支障がある。息子は長期間シンガポールに住んでおり、四六時中彼らに寄り添って世話をするのは不可能である。

毎回家で何かあると、王おばあさんが最初に思い出すのは“蘇さん”である。

水道管が壊れたら“蘇さん”を呼んで直してもらい、水洗式便器が壊れた時も彼に直してもらう。また、扇風機の部品がバラバラになりセットできなくなってしまった時も、やはり彼に助けてもらう。長年、王おばあさんは“蘇さん”夫婦に大きな信頼を寄せており、給料を受け取りに行くことさえも“蘇さん”にお願いし、さらに彼ら夫婦にパスポートの手続きをするように催促したりもする。“息子に会いにシンガポールに行く自分に付き添ってほしいと、おばあさんはずっと私たちにパスポートの手続きをするようにと言っています。”と、蘇おじさんの妻である周おばさんは笑いながらこのように話す。“シニア・パートナー”計画を実施して以来、周おばさんはいつも王おばあさんの家に行き彼女の話し相手となり、何かお手伝いをする事がないか確認する。

記者が理解したところによると、現在黄浦地区では1720人の“シニア・パートナー”に携わるボランティアが、8600人の高齢者のために、すでに延べ11万4000回あまり自宅訪問サービスを提供しており、電話での慰問は39万6000回あまりとなる。

「“シニア・パートナー”のボランティアはいつも高齢者の自宅を訪問し、電話で彼らに温かく気を配り、一人暮らしの老人にさらに多くの世話をします」。徐恵民は満足すると同時に、「“シニア・パートナー”のボランティアには、常に私たちを外に連れ出し、高齢者が一日中家に引きこもる生活をさせないようにしてくれることを願っています」と語った。

執筆者 王月華(通信員)、談燕(記者); 解放日報(ニュースソース)
執筆者所属
翻訳と校正 翻訳:越川祐子 校正:棚田由紀子
メディア

http://www.cdb.org.cn/newsview.php?id=6251

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