2014/09/08 by Tanada

日本の自然学校 研修日記(6)自然塾――自然体験の入口

田貫湖ふれあい自然塾は富士山の麓、伊豆国立公園内にあり、初めて日本政府によって創られた“自然学校”だ。2000年に一般向けとしてオープンし、WholeEarth(WENS)が常駐スタッフを派遣している。自然塾には二階建ての木造の展示空間、二つのサッカー場並みの大きな戸外の活動場所があり、機能は私たちの言う“ビジターセンター”に似ている。訪問客は自然と接触する体験を通じて喜びを得て、環境問題に関心を持ち、実際に行動するようになる。

WENSについて言えば、自然塾の未来は独立運営に向かって歩もうとしており、その運営理念も“自然体験活動の入口として、出来るだけ広範な人々に焦点を合わせ、彼らの再訪を促進する”ことと非常にはっきりしている。

20140908-01田貫湖ふれあい自然塾

心を込めた手作りの展示品

自然塾に入ると精巧で美しい手工芸店に入るようで、一つ一つの展示品のほとんどは従業員自身が制作している。“富士山Q&A”“昆虫の顔”、“モグラの家”及び各種の小さな玩具には、感嘆させられることしきりだ。

“オトナ”としては、“秋の虫の音”の展示が気に入った。戸棚を改造して作られているのだが、戸棚のとってのひもを見ると、戸棚の口を開けて中を見たくてたまらなくなる。2つ目のポイントは、この地で見られる昆虫が特徴ある写真と文章で紹介されていること、そして3つ目は更に珍しく、作業スタッフがボール紙で昆虫の羽を制作し、ちょっとこするだけで音が鳴ることだ。訪問客は自分で工作することで昆虫の発声の原理を理解できる。側には録音機があり、ボタンを押すと虫の鳴き声が再生され、数種の鳴き声を聞くことができる。カードを見せると、作業スタッフを探して話を聞くことができ、その際、作業スタッフは戸外に出て観察するのを勧めてくれるので、あちこちでこれらの昆虫を見つけることができる。

すべての展示品が語りかけているようで、ここの自然の物語を伝え、結果、作業スタッフの展示品が持つ背景は作業スタッフの考え方や感情に溶け込んでいる。自然塾のBob先生もこの点を強調した。注文して作った値の張る展示品と比べ、コストが低く便利で、自由に手を加えられる手作り展示品をどうして選択しないのか!

20140908-02心を込めた手作りの展示品

ビー玉はスタッフにかりてね

コーナーに一つの“魔力弾球”(訳注:MagicOrbzというスマートフォンやパソコンのゲーム)に似た玩具が置いてあり、これも“自作の手作り品”である。ビー玉を放つと、どのようなコースでゴールにたどり着くのだろうか?試してみようとしたが、どこを探してもビー玉が見つからない。よく見ると、玩具のタイトルの傍らに“ビー玉はスタッフにかりてね”と書いてあった。

自然塾は一般向けに開放されていて、訪問客の自由な見学を保ちながらも、訪問客ごとに合った説明をする方法がない。どうやって訪問客との双方向のやりとりを実現しているのか?展示品の出来映え以外にも、自然塾は特に作業スタッフと訪問客の直接交流を重視している。そこで、一部の展示品をデザインする時故意に「仕掛け」を施し、訪問客が作業スタッフのもとへ来るようにし向け、その際に、作業スタッフが訪問客と直接対話できる。スタッフは訪問客の求めと興味を了解し、更に的を射たサービスを提供する。話さざるを得ないのは、真に絶妙な考え方だ!

20140908-03「ビー玉はスタッフにかりてね」

四季を感じられる展望台

不変不易の展示ホールと毎回新鮮な感じの展示ホール、どちらがあなたを引き付けるか?私は、恋愛するのと同様、毎回の出会いが新鮮であることを望んでいると思う。自然塾の展示ホールも大自然とともに歩み、各種の方法を通じて最新の自然”情報”を提供する。展示ホールに入ると、”自然観察情報欄”があり、この季節と周辺の動植物の変化を写真と文字で説明している。

別の木製容器は碁盤の目のように仕切られていて、ちょっと見た時、たくさんの格子の小部屋が空っぽだったのが腑に落ちなかった。これは未完成の展示品か?その時気付いたのだが、これは“森林のかけら”という展示品で、毎月の自然の動態を記録しているのだった。毎朝、作業スタッフが付近を歩き回り、同じ自然物を拾って今日の発見として格子の中に入れる。日々増えていくので、月末には一つの生きた森林変化の物語の集大成が完成するわけだ。この小さな行為で、訪問客は身の回りの自然の変化に対する関心を持ち始め、同時にスタッフは毎日自然との接触を増やすことができるという、能力を高める一種の方法だ。

20140908-04「森のかけら」

昔遊びで一緒に遊ぼう

「竹トンボが天井板の高さまで飛んだら、大当たり!」ドラえもんでよく目にする竹トンボは、日本の一種の伝統玩具である。それを見ると、私たちは一人一人子供同様になり、一回また一回と如何に竹トンボをさらに高く飛ばせるか試す。このほかになおクリケット、いろいろな種類のコマ、かるたなどがある。

どうして昔遊びを自然塾に入れようとするのか?手作りで、材料が天然なのを除き、更に重要な仕組みは「こう着状態の打破」だ。訪れる家族客の中には、祖父母と両親、それと子供が一緒に訪ねてくる場合がある。昔遊びを見ると、年長者は往々にして子供と一緒に遊びに加わり、それまでの堅苦しさが解れ、あっという間に活発な雰囲気になる。学校の団体が訪れて、一緒に遊ぶと、普段は目立たない子供が特に上手に遊んだりする。このようなことを通じて、子供たちは、皆それぞれ長所があるということを知る機会となるのだ。

20140908-05自作のコマ

ビジターセンターの独創的な工夫が込められている展示の他にも、田貫湖ふれあい自然塾には、室内外で行われるカリキュラムや、エネルギー節約と環境保護を目した建築設計、政府と企業の協力の方法などを有し、参考にして学習する価値がある。中国国内の子どものために、このような体験環境が創造されるのを期待したい。

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日本の自然学校の簡単な紹介

現在、日本で比較的規模のある自然学校は3000余りある。これらの自然学校は、施設と野外活動場所などの、優良な環境教育や、大自然の中で様々な体験活動ができる場所を提供している。専門の指導員とプロジェクト活動人員を有し、自然体験と環境学習をテーマとする各種プロジェクトを通年で実施している。

日本の自然学校は多種の異なる領域(コミュニティ、企業、NGO、産業、文化等等)をつなぎ、地方のコミュニティから特色あるプロジェクトと人材が勢いよく現れるようにし、コミュニティに活力をもたらしている。今後、自然学校はなお日本社会に対しさらに大きな影響を生もうとしている。

作者紹介

茉莉 現地の自然教育センターのカリキュラム主管。西南林業大学の生態学修士、研究生期間に相次いで多くの社会実践に参加した。2007-2011年には、民間の環境保護機構グリーン昆明(緑色昆明)で実習し、多くの市民、家庭及び児童を対象とした自然体験活動を組織したことがある。現地の自然教育センターに加入する以前に非営利機構“ウィンロック・インターナショナル”に就職し、非営利組織機構の能力開発事業に従事。2013年11月末に、日本で二か月間の自然学校研修学習に参加。

執筆者 茉莉
執筆者所属  
翻訳と校正 翻訳:岡田由一 校正:棚田由紀子
メディア

http://blog.sina.com.cn/s/blog_b31740680101b21d.html

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