2014/06/05 by Tanada

CSnet Mail Magazine No.38

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日中市民社会ネットワーク(CSネット)メールマガジン 日本語版

20146月号(第38号)

http://csnet.asia

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【目次】

はじめに:「動物園のない未来へ

CSネット活動報告

CSネット活動予告

★マンスリー・ダイジェスト

連載 日中間の不理解に挑む: 「中国人の誤解 日本人の誤解

今月のありがとう!

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【はじめに】 動物園のない未来へ

 日本社会の深刻な高齢化は、生活の隅々にまで顔を覗かせている。70代の運転手が事故を起こして80代が亡くなったとか、殺人事件で加害者も被害者も高齢者だとか。化粧品も健康食品もアンチエージングがテーマで、かつて若い女性がほとんどを占めていた銀行と郵便局の窓口担当も、いまや再雇用された中年女性揃い。そしてついに、動物園の動物も高齢化し、このままだと動物園からその種類が消えてしまう、ということがNHKのクローズアップ現代で取り上げられた。

ゾウやキリンは、最盛期から4割以上減少し、ゴリラやコアラも半数以下に。海外から新たに動物を買おうとしても、中国など新興国で新しい動物園をどんどん作っているため価格が高騰している。このままでは、2050年にゾウやキリンが日本の動物園から消えてしまう。国内で繁殖させようにも、各自治体の財政で成り立つ動物園。繁殖用に貸し出すと入園者数(?)に響くため、貸したくない。コメンテーターが言う。「今まで日本の動物園は、動物園はなんのためにあるのかというふうな、そういう議論が一切されておらず、議論の成熟がないんですね。皆さんは動物園に行ったら、楽しい動物がいるというふうに思ってらっしゃると思います。しかし、動物園全体を維持していくためには、種の保存の役割を担っていると動物園を位置づける必要があると思います。地方の市民の税金を使ってやってますけれども、そのやってる事業がグローバルな日本、あるいは地球全体の種の保存だったり、生物多様性保全に貢献するというものとリンクしていくわけです。」

「何のための動物園なのか」。たしかに考える必要があると思う。しかし、種の保存を動物園でやらなければならないのか、という疑問がある。そもそも、「園」まで作って、もともと地球の反対側でしか生息しない動物たちをわざわざ人間様に見せなければならないものなのだろうか。自分が暮らす地域でどんな動物たちがいるのかも知らないのに、地域の山に登って動物に出会う経験をしたこともないのに、オリに囲まれたアフリカ象を見て何が楽しいのだろう。アフリカ象の種の保存は、日本の動物園が税金を使ってやらなければだめなものなのだろうか。

動物園から動物が消える。結構じゃないかと、私なんか思ってしまう。そもそも、そこで暮らすべき動物じゃないんだからさあ。(やんやん)

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★会員募集とご寄付のお願い★

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CSネット活動報告】

★4月26日に、事務局長の朱が日本エコツーリズムセンター主催のエコツアーカフェで東アジア地球市民村の活動報告を行いました。

http://www.ecotourism-center.jp/article.php/cafe_tk140423

★4月27日に、事務局長の朱が、三鷹で「人を結ぶ―自然共生型社会を目指して」というイベントで講師を務めました。

★4月28日に、代表の李が、サステナビリティ日本フォーラムの研究会で「下から中国を見る」というテーマで講演を行いました。

<サステナビリティ日本フォーラム> http://www.sustainability-fj.org/

★5月19日に、代表の李が、CN(コミュニティネット)のグローバル人材育成セミナーを主催しました。

<(株)コミュニティネット> http://c-net.jp/

★5月27日から29日まで、国際交流基金が主催したツアーで事務局長の朱が通訳を務め、代表の李がレクチャーを行いました。

★5月29日に、代表の李が、浩志会で講演を行いました。

<浩志会> http://www.z-koushikai.or.jp/index.html

CSネット活動予告】

★6月8-14日、事務局長の朱が、森環境教育研究所主宰、森美文さんとともに、雲南省で自然共生型エコツアー活動に関する視察を行います。

★6月8日、代表の李が、日中社会学会年次大会シンポジウム「中国にとって『市民社会』とは」にて、研究報告を行います。

★6月15-23日、事務局長の朱が上海で、来年3月に予定している第1回東アジア地球市民村の開催準備のための活動を行います。

★6月28日-7月4日 CSネットが絵本をテーマに、中国から来日研修ツアーを受け入れる予定です。

【マンスリー・ダイジェスト】

5月は、新たに6本の記事をサイトへ掲載しました。

★主要プロジェクト

日本の自然学校 研修日記(4)

http://csnet.asia/archives/16037

三江源の研修生:荒野で過ごした青春【後編】

http://csnet.asia/archives/16097

★環境・災害支援・高齢化問題

【SBN災害復興】意欲ある女性が活躍する「場」づくり~オンパク手法による地域活性化~

http://csnet.asia/archives/16081

岷県地震の巡回リハビリテーション支援プロジェクトに関する所感(後編)

http://csnet.asia/archives/16044

★草の根活動、公益活動

【pal*system】記念対談:子育て支援から、住みよい暮らしの環境づくりへ(前編)

http://csnet.asia/archives/16054

中国公益組織の女性リーダーたち

http://csnet.asia/archives/16101

皆様、どうぞhttp://csnet.asia をよろしくお願いします。

【連載:日中間の不理解に挑む】 「中国人の誤解 日本人の誤解

フランスの極右政党「国民戦線」が、EUのヨーロッパ議会選挙で3分の1近くの議席を獲得し、最大勢力になる見通しだと報道された。EUが抱える問題の根深さを思うと共に、民族差別や自国優位主義が広がらないことを願うばかりだ。

東アジアは東アジアで、落ち着かない雰囲気が漂う。東シナ海、南シナ海、あっちでもこっちでも海の上での攻防が続く。何か変化があると報道され、相手国に対して猜疑心や警戒心を抱き、それが不信感や嫌悪感につながるのは、ここ何年間で何度も目にし耳にしている。

アイツラハ シンヨウデキナイ。ヤラレルマエニ ヤッツケロ。

すべての諍いは、相手への不信感や嫌悪感から生まれる。

為政者同士の駆け引きが外交においては必須であることは、よく分かる。強気に出ないといけない場合があることも、よく分かる。だからといって、一般市民までが強気に出て、他国を嫌悪する必要はないだろう。今こそ、異なる国の市民同士が、お互いの真の姿を見せ合い理解し合うことが本当に大切だ。

しかし、私のような日本に住む日本人が、中国や中国人について、その本質を知ることはなかなか難しい。日本で報道される中国のニュースといえば、反日デモやPM2.5、コピー商品や詐欺まがいの商売といった、あまり好ましくないものが多い。わざとそういうニュースしか流さないのかな、と勘ぐってしまう程だ。

そんな中で出会ったのが、『中国人の誤解 日本人の誤解』(中島恵 著、日経プレミアムシリーズ)。ニュースや新聞では伝えられない、中国人の日本に対する理解や誤解、それに対する著者なりの考えが述べられており、気付かされることが多かった。

プロローグに、こんな一節がある。

「多くの中国人は強い被害者意識を持っていると思います。それはかつて日中戦争で日本にひどく痛めつけられたという被害者意識であり、そうした意識は戦後70年近く経っても、まだ中国人の心の奥底から抜けていません。そう思い続けるのは教育のせいもあるかもしれない」

中国人がそんな風に感じているとは、大多数の日本人は露ほども思っていないだろう。攻めた側と攻められた側の認識は大きく隔たっており、攻められた側はそう簡単には水に流せないという当たり前のことを忘れてはいないだろうか。

さらに著者は、中国人の中には「もう1回日本と戦争して、今度は勝ちたい」と思っている人がいる、とも書いている。教育の影響もあるのかもしれないが、びっくり仰天だ。

そこまで中国が日本を意識するのは「中国人が唯一、引け目を感じている国が日本であるから」だという。小さな国・日本が、戦争で中国に大打撃を与えたばかりか、文革で大混乱に陥った中国のすぐ隣で、コツコツと働いて驚異的なスピードで経済発展を遂げたからだそうだ。

中国は、今や日本を追い抜いて世界第2位のGDPを誇る大国。投資に走り、日本で買い物しまくる富裕層の姿も報道されている。元気のない日本と比べて、勢いのある中国。そのうちに負かされてしまうんじゃないか・・・と、引け目を感じているのは日本の方だと思っていたら、中国もそう感じているという。

似た者同士なのに、お互いに相手を異星人くらいに思っている両国。

どうすれば、中国の一般市民にリアル日本を伝えられるのか。どうすれば、日本の一般市民にリアルな中国の「老百姓」の姿を伝えられるのか。これからもずっと考え、行動していきたい。(Y.T)

【今月のありがとう!

 今月もサイトの更新は翻訳ボランティアの皆様のご協力によって無事進められました。日頃の感謝をいっぱい、いっぱい込めて、ここで「ありがとう!」をお伝えしたいと思います。(順不同)

翻訳: 藤澤 美歩様、三津間 由佳様

記事選定: 趙秀梅様

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