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2014/06/05 by Tanada

鄧飛:微公益活動の火付け役

2011年、「郭美美」事件では伝統的な公益のあり方が完全に疑われることとなった一方で、民間の公益活動は迅速に広がりつつある。微博(中国版ツイッター)から発祥した「無料ランチ」活動(訳注:貧困地区の小学生に無料でランチを提供するプロジェクト)は、政府の顕著な後ろ盾がない中、唯一拠り所となっているのは、互いに意見を言い合う交流プラットフォームである。だが、このような少ない投資で効果の高いホームページには、無数の一般人の善良さと思いやりが集まっている。「@」時代に入った今日、勢いのある「微公益」(微博を使った公益活動)を形作ることに成功した。その火付け役の一人がジャーナリスト鄧飛である。

鄧飛は多忙ではあるが、絶えず微博を更新している姿が見られる。11月24日、羊城晩報の取材を受けた鄧飛の声が、いささか疲れていたのは、児童難病医療保険公益プロジェクトの推進に加え、以前から取り組んでいる「微博打拐」(訳注:微博を使用し、人身売買を取り締まるプロジェクト)と「無料ランチ」の活動でちょうど忙しくしていたからだ。これは、彼が子供の命運に注目した「三大プロジェクト」である。

事の起こり ~女性、児童の権益に対する並々ならぬ敏感さ~

鄧飛には記者と公益ボランティアという二つの顔がある。公益慈善活動に関わる前、鄧飛は有名な調査記者であったことから、公益事業に関心を持つようになった。そのことは、鄧飛自身の過去の経験とも関係している。

当時、まだ大学を卒業していなかった鄧飛は、湖南の《今日女報》で実習をしていた。卒業後は、この新聞社に就職し、いち早く社内で最も優秀な調査記者へと成長した。鄧飛は最初に女性向け新聞の仕事をしていたため、公益事業に対する敏感さが養われたのだと語った。

現在、鄧飛は「記者と公益ボランティア」の二つの立場を絶えず行き来しているが、微博は常に彼の良き助手となっている。鄧飛は微博の人を救う力に突き動かされたのだ。彼の微博フォロワーはすでに240万人に達し、毎日数えきれないほどのフォロワーが@鄧飛を訪れる。

鄧飛は羊城晩報の記者に「微博は一人一人の意見を集めた上で圧力をかけることができる。」と語った。記者の彼としては、様々な事柄に出くわしたとき、伝統的な報道のやり方に沿って原稿を書いても無益であるから、微博から第一報を発信するのである。

鄧飛は例を挙げて言った。最近、陝西省で起きた「楊表哥」事件(訳注:陝西省安全監督局の楊達才局長による、総額1億元に上る不正事件。数多くの高級時計を所有していたことから、「楊“時計”兄貴」と揶揄された)では報道されてから免職に至るまでの時間が短いと言える。少し前の「天価煙」事件(訳注:南京市江寧区不動産管理局の周久耕局長が、会議中に高級タバコを吸っていたこと、高級時計や外車を所有していることがネット市民によって暴かれた事件)と比べると、明らかにスピードが増し、効力もある。

9月23日の夜、「難病医療保険」慈善オークションパーティーが北京で行われた。鄧飛はこの活動の発起人の一人である。彼らの目標はできるだけ多くの善良な寄付金を集めることだ。750万元が集まれば、10万人の子供が医療保険に加入できる。その日は最終的に合計800余万元の寄付金が集まり、当初の予想を超えたので、鄧飛を一安心させた。現在、児童難病医療保険は湖北省鶴峰県で、すでに試験的に導入されており、続いて、湖南、広東、浙江などの各省でも試験導入が予定されているということだ。

これは、「微博打拐」、「無料ランチ」に続き、鄧飛などの公益界の著名人が始めた三番目の児童福祉プロジェクトである。これも鄧飛が再び「微公益」の力を借り、実践したものである。

協力 ~民間の人身売買取り締まりが政府の賛同を獲得~

「深圳は我々の楽天地だ。」鄧飛は何度も彼と深圳との縁についての話題に触れた。彼の微博打拐はまさに、深圳の子供を救い出してから広がりを見せていたのだ。また、彼はその年の無料ランチプロジェクトの準備時、活動を始めるにあたり、2万元の資金を深圳の三門島から得ることができた。それだけでなく、深圳の多くのボランティアが無名であった「無料ランチ」計画に力を貸してくれたのだ。

鄧飛は、思い出して言った。2008年に広東で調査を行っていた時、過去10年に数千人の子供たちが誘拐され、売られたことが分かった。取材中、彼は深圳在住で、子供を誘拐され、辛い思いで子探しをしている父親の彭高峰さんと知り合った。鄧飛は彭さんを励ますため、「宝貝回家尋子網」(子探しのHP)に子探し日記を書き続けた。また、彼は、毎年正月になると、ネット上で彭さんが子探しの記事を掲載しているブログや微博に、誘拐された子供の写真を載せる手伝いをした。2011年の春節前夜、実家が江蘇徐州にある大学生が鄧飛の微博を見て、写真の子供によく見覚えがあることに気付いた。この大学生は彭さんの資料を検索し、心打たれる子探し日記を読むと、その子のことを確認しようと動いたのだ。

その時は旧暦の正月4日であったが、情報を知った鄧飛はすぐに徐州に駆け付け、この子供を救い、「奇跡」の人身売買取り締まりを行った。今回のことで、鄧飛は微博による利益を思い知った。微博フォロワーの絶え間ない上昇に伴い、彼は微博を使って「もう一働きすること」を思いついた。それが、微博打拐である。その年の春節、民間で組織された人身売買取り締まり活動は警察の関心を引き、最終的に一連の人身売買取り締まり専門の活動の成立につながった。

昇華 ~無料ランチプロジェクトが政府計画を促進~

鄧飛は微博打拐への歩みを決して止めなかったが、偶然に貴州の多くの農村の子供が、学校へ行っても昼食を食べられないと知ると、深く考え込み、自分で見に行くことにした。出かける前、「25日に貴州の断崖下にある農村の小学校に行きます。現地の小学生は昼食を食べられず、毎日昼には冷たい水を飲んで空腹を紛らわせています。我々はこの学校に食堂を建て、中国の貧しい山間地での無料ランチ計画を推進しようと試みています。」と微博に投稿した。

「この微博への投稿は思いがけず、すさまじいスピードで色々な人に届き、また、人材や財物、寄付金や寄付物資、ボランティアへの申し込みも迅速に集まった。」微博の力は再び鄧飛に得難い喜びと感動を与えた。その時から、微博は鄧飛の無料ランチプロジェクト運営の第一の拠点となった。

しかし・・・鄧飛は率直に語った。微博を使って監視するよりも、微博を使って公益を行う方がより難しい。専門的なレベルと受け入れ能力が必要なため、人材や財物は集まったが、組織を如何に運営するかは彼にとって全く新しい課題であった。疑いを持たれないために、鄧飛と仲間たちは無料ランチ計画の運営に対し公開、透明であることを要求し、あらゆる人々が監視をすることを受け入れた。

微博といううるさく騒がしい舞台上で、鄧飛は微公益のブームを貧困山間地の児童への思いやりプロジェクトへつなげようとした。彼の説明によると、現在までに、無料ランチプロジェクトにはすでに、4000万元近くが集まったということだ。

無料ランチプロジェクトは続き、熟成された結果、国からも重視されるようになった。政府の担当部署は彼らからバトンを受け、680余名の学生の栄養改善計画プロジェクトを発表した。しかしながら、広東の県は一つもこの計画に入っていない。だが、実際、広東省西北部には多くの山間部に位置する県があり、子供たちは、みなまともな昼食を食べられない。気になった鄧飛は視線を彼らに向けた。

良い知らせは・・・と鄧飛は羊城晩報記者に言った。現在、広東無料ランチ基金がすでに成立し、無料ランチ公益寄付のチャリティーショップが、「3元の寄付金を広東地区へ」という公益バーチャル商品の販売をすでに始めており、集まった義援金は広東の貧しい山間地の200余の学校へ送られる。現在、連山と肇慶の学校で試験的に無料ランチ導入が始まっている。

執筆者 陈晓璇 (来源:羊城晚报)
執筆者所属
翻訳と校正 翻訳:藤澤美歩 校正:棚田由紀子
メディア 中国発展簡報 NGOニュースhttp://www.chinadevelopmentbrief.org.cn/newsview.php?id=6422

藤澤美歩

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