2014/04/14 by Tanada

国内初「赤ちゃんポスト」に潜入調査:捨てられた赤ちゃんに温もりのある「家」を【後編】

前編は、こちらから http://csnet.asia/archives/15639

中国語の原文は、こちらから http://csnet.asia/zh-hans/archives/15642

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見せているのは比較的健康な一部の子どもだけ

インタビューを受けた日はとてもいい天気だった。空は青く、光が降り注いでいた。児童養護施設内では四人の子どもが保育士とともに遊んでいる。

女の子がガラスコップを持って、窓から差し込んできたお日様に向かって、真っ黒なクリクリの目を開き、真剣に声をかけた。「おじちゃん……」と言いながら、不揃いな粘土をいくつも浸しているコップを見せてくれた。これは彼女が手作りした「ミルクティー」だ。

記者の前で、何人かの子どもが記者の服を掴んで、ひそひそと声をかけてきた。しかし、意味の通った言葉になっていなかった。

彼らは背が低く、三、四歳くらいの印象だった。実際には彼らはもう5歳を過ぎ、もうすぐ6歳となる。もし保育士が言わなければ、絶対に想像できないだろう。

秦波氏によると、この子たちは比較的健康な方だそうだ。病を患っているため、同年代の子どもに比べて、児童養護施設の子どもたちは身体の発達が遅く、知能面でも遅れていることがはっきりとしている。

多くの人は、テレビや新聞から捨て子の存在を知る機会があるが、レンズを通して、彼らの守ってもらいたいと切望する目線を誰も直視することはできない。

秦波氏によると、世間に見せたのは、児童養護施設で預かっている比較的健康な一部の子どもだけだ。そのほかの大部分の子は「重症患児や重い疾患及び合併症」で、そのほとんどは家族に連れられて、専門的な小児病院で検査したところ、治る見込みがないと言われ、捨てられていた。

秦波氏は、入社して早10年が経過した。卒業してから、ずっと児童養護施設で働いてきた。彼によると、口唇裂のような軽い患児は少ない。「多くは車いすに頼り、ヘルパーの介助なしで生活できない」と言った。

赤ちゃんポストの赤外線感知器が鳴るのは、ほとんどが深夜か明け方だ。ベルの音が鳴り響く。しかし、当直スタッフがポストに着いた時には、入口前の通り道はすでに静寂に包まれている。

秦波氏は「子どもを捨てる決意をしたら、親は見つからないようにまず昼間に下見しにくる。」と言った。たとえ、彼らを追いかけて説得し、子どもを連れて帰らせたとしても、「ほかの所に捨てられる可能性もある。」

児童養護施設の入口前の狭い道路の先の片側に、使われていない工場がある。おそらく、子どもを捨てた親はここに隠れて、自分の「宝物」を見守る。そして訪れる肉親の別れに沈黙し、葛藤しながら涙を流すのだろう。

「赤ちゃんポスト」の拡大は容易ではない

石家庄児童養護施設の場所はとても見つけにくい。「街なかの歩く地図」と呼ばれているタクシー運転手でも、眉間にしわを寄せながらしばらく考えて、「たぶんあそこだ。行ってみようか」としか言えない。

槐安西路に沿って西二環状線を越えると、ロマンチックなムードがあふれる商店街がある。その西側にある目立たない路地に入って、何百メートルか進むとさらに分かれ道があって、矢印が指す方向に石家庄児童養護施設がある。

「赤ちゃんポスト」は、路地の突き当りにある児童養護施設の入り口にある。「赤ちゃんポスト」を導入してから、計181名を預かっている。しかし、全国のリーダー的存在である石家庄でも、現在はここだけにしかない。

「マスコミは「赤ちゃんポスト」の役割を大げさに言うべきではない。」と秦波氏は言う。「赤ちゃんポスト」は、以前の受動的に受け入れる姿勢から能動的に受け入れる段階へと変化した。現在、「赤ちゃんポスト」の存在は、児童養護施設の周辺エリアの状況を改善させている。「児童養護施設全体のおよそ三分の一は、赤ちゃんポストで受け入れた子どもです」。

石家庄児童養護施設は、病院、駅、交番など、赤ちゃんが捨てられる頻度が高いエリアに赤ちゃんポストを設立しようと考えたこともあった。しかし、24時間当直が勤務する体制や場所確保など課題は多く、児童養護施設だけでは解決できないことばかりだった。

児童養護施設の受け入れの流れを見てみよう。赤ちゃんを見つけたら、まず警察に通報し、本人確認をする。その後、赤ちゃんの状況により、入院治療するか児童養護施設に入所するかを判断する。入所後、医療関係者による健康診断が行われ、隔離室で様子をみる。

秦波氏によると、受け入れは児童養護施設のみで独自に行える仕事ではない。民政局、公安局、衛生局、財政局、および人力資源社会保障局などの政府機関の協力が欠かせない。

韓金紅は、記者からのインタビューで次のように語った。「民政局及び公安局、城管局(都市管理局)、財政局、衛生局、社会保障局のほか、多くの行政機関と協力し合い、責任を分担するスタイルを作り上げていく必要がある。隙間なく「孤児、障害児保護体制」を作るべきである。」

「世の中のすべての赤ちゃんの命を大切にするべきだ」。「赤ちゃんポスト」の扉に書かれているこの言葉は、冬の日差しを受け、温かみを醸し出していた。

執筆者 出典元: 鄭州晩報    発行者:王戦龍
執筆者所属  
翻訳と校正 翻訳:陳セイ 校正:山原由美子
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