2014/03/26 by Fancy

キラキラした目を持つ青年たち:「東アジア地球市民村」参加者感想by高木晴光

混迷する、国家体制の中にある中国。 就職困難は日本の比ではない競争社会の中国。 大都市の郊外の農村地域には都会から逃避してくる若者もいるとのことだが、農村地域でも、大都会のど真ん中でも、キラキラした目をの輝きを持つ20代30代前半の数多くの若者たちにであっている。

日本でもいろいろなセミナーや研修会を開催し、その講師やらで参画することも多い私だが、日本ではキラキラした目に最近ではなかなかお目にかかれない。

社会問題の違いはあるだろう、国家体制の違いも大いにあるだろう。しかし、日本であろうと、中国であろうと明日を未来を作る困難の違いはあっても、困難であることは同じだ。 その困難に立ち向かうか、立ち向かわないかで、未来は決まる。

アベノミクス・国家借金を増やす政策に頼るだけでなく、ひとりでも多く、自主自律・自立的に生きようとする若者や中高年齢が現れる日本しないと、日本社会はもうすぐにアップアップしてしまいかねないね。

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3月10日 有機農家視察

昨日は日曜日だったので、大気は比較的クリアーな晴れた一日でしたが、今日は月曜日、ホテルの前の道路は朝から渋滞し、空気はスモッグ模様でした。PM2.5は基準値の10倍以上とかと朝から話題でした。もどんよりと高曇りの遠くのビルは霞んでみえました。 大型バス一台にて宿から1時間半程上海の郊外に出た揚子江(長江)の河口の中洲の大きな島、崇明島の有機農業の農家を2件訪ねました。

島と言っても、巨大な中洲ですから山がありません。平らな土地が広大な十勝平野のように広がり地平線が見えてしまいます。北海道は広いとは言え、山が畑の向こう彼方に見えますが、畑の先が地平線という場所はめったにありません。道東へゆくと360度見渡せる展望台がある場所がありますが、酪農地帯なので牧草です。 普段は山が見える農村地域に暮らしている私なので、この広い風景の中にいるとなんとも落ち着きません。

農業は高齢化しており離農が続いています。かつては農業が盛んでしたが、若者は都会に出て過疎化が進んでいます。慣行農業を続けている農家にも大型トラクターはほとんどなく広大な土地も人力に頼って農業をしているので限界なようです。また、農産物は安く農家の暮らしは貧しい・・これが一般的な中国の農家のイメージです。

しかし、この島には立派な大きな家がたくさん建っていました。その違和感がどうも不思議でたまりませんでした。

農業後継者がいないので、国が大規模農業を目指して耕作権利を買い取り、その賠償金で(土地は国有なのですが耕作権はあるらしい)家の新築が続いているそうです。しかし、高齢者がひとりかふたりで住んでいる家がほとんどだということでビックリ。 ここに国の方針とは異なり、6、7年に上海の市街地から移住して独自に有機農業、それも不耕起栽培に挑戦している30代位が経営する農場を2箇所視察しました。 移住者たちは口を揃えて言いました。

「いくら大きな御殿を建てても「若い人たちは戻ってこないだろう」

地元の農家と組んで有機農業を始めた青年の5ha農場。Ecofarmと英語名の旗も拠点としている一軒家に掲げていました。上海市街地の有機野菜レストランに出荷しています。他にも有機農法を始めている農家もあり、その地域には、日本で言う農家レストランも経営されていました。昼食はそこでとりました。上海の中華料理は味があっさりしており日本人の味覚にも合い、冬でも収穫している野菜は新鮮でとても美味しくいただけました。 少人数の来訪がある時は、農場の中にあるEcofarmの事務所にもなっている家の前で食事を提供するそうです。 バラマキした人参畑は絨毯のようでした。

4軒の新規参入者で合作会社で経営を始めた若い30代夫婦の農場。 15haには畑と田んぼがあります。

おふたりを囲んで、都会の生活をやめて就農をしたお話を聞きました。 今はまだまだ大変ですが人も雇用して夢と希望を持って頑張っている様子には感銘を受けました。

肉体労働は貧しい人がする仕事という考え方が(中国には)あるが間違っている。農業は人と土地が繋がる。人の尊重・命の尊重の仕事である。農業を文化的な仕事にしたい。田舎の人は上海に生活を求め、上海の人はアメリカの生活を求める、それは間違っている。人間はひとつの問題を解決するためにより多くの問題を生み出す、もっとシンプルに生きるべきだ。

中国人の視察者から「子育てもしていますが、子どもの教育についてはどう考えているのか?」との質問がでました。 学歴ではない、家庭教育が大切である。学校は地域の普通の学校に通わせる、やって来る人たちが先生でもあると、子どもの教育についてもしっかりとした考えをもっていました。

インターネットでボランティアも募り、滞在して一緒に仕事をする、体験する若者も現れている、その若者たちへ価値観の転換を求めているおふたりの姿勢がとても立派でした。 農法は日本の自然農法の師である福岡さんの本が中国に訳されて出版されているそうで、それを読みながら独学で自然・不耕起農法に挑戦しているとのことでした。

還暦を迎える我が身を清められるような、溌溂とし毅然とした態度、そして、来訪者を迎える温かさを持ち合わせたお若いお二人に、グローバル経済に、猛烈に経済発展する中国社会に翻弄されずに生きようとする東アジアの若い活力を見ました。

昨日の地球市民村のワークショップでも、20代から30代前半の参加者が圧倒的な多数です。日本にいるとニュースでは、国と国との対立、急激な経済成長、中国社会の負の側面しか報道されませんが、中国の草の根市民活動の台頭は目覚しいものがあります。 環境問題に対して持続可能な社会を創ってゆこうとする人々が物凄い勢いで増えています。 中国は大国ですから、そう簡単には社会変革とはゆかないでしょうが、NGOや新しい生き方をする人たちも、人口が多い分だけ数多く現れています。

今日は、別プログラムで、日本人スタッフによる自然教育の研修会があったのですが、それにも50人の募集に100人以上の応募があったそうです。

執筆者: 高木晴光
メディア: http://blog.goo.ne.jp/haruneos/e/a928173b8bb03326ef58479e349bf812

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