2014/03/11 by Tanada

社会福祉の仕事について私が思うこと:保護施設での活動の日々

(浮浪者の)保護施設が接するのは特殊な類の人々だ。これは、女性にとっては、実際のところそれなりに難しい。ただ、私は以前に浮浪児たちと接したことがあり、こういった仕事に興味を持っている。深く研究する価値があると思ったのだ。

東城区の保護施設は、国家信訪局(訳注:地方政府で問題が解決されない場合の市民からの陳情申し立てを受け付ける政府部門)のそばという、地理的に特殊な位置にある。陳情に来た人が、問題を解決できなかったときに保護施設を訪ねてくるのだ。彼らの多くは、故郷に帰るお金が欲しいというだけでやってくる。ただ、保護政策上では、基本的な生活保障がない人だけが保護の対象となる。そのため、私たちが彼らにしてあげられることは、実家と連絡を取ったり、あるいは本当に必要に迫られた場合には帰郷のための切符を買ってあげたりすることだ。

私は、保護施設で毎週4日間働いており、金曜日には所属組織に戻って定例の会議と監督・指導会議を開く。監督・指導会議は、私が仕事に対して抱いている疑問や惑いを解消してくれる。保護施設で仕事をしているときは、施設内で情報の問い合わせに応じたり、エリア内を見回るスタッフからの情報に基づき外回りをしたりする。東城区では、管理がネットワーク化されており、各見回りスタッフが自身の持ち場で起こった様々な状況をネットワーク管理センターに報告し、センターがホームレスの物乞いの人など保護施設に関連する人を私たちのところに引渡す、という仕組みになっている。

見回りスタッフからの情報を受けて外回りに行く度に、まずするのは、相手が「職業物乞い」かそうでないかを見分けることだ。職業物乞いの人には典型的な特徴があり、(お金を稼ぐためという)明らかな目的もある。もしそうでない場合、最低生活保障の証明書があれば国の保護政策の対象となるため、私たちは保護することはできない。また、最低生活保障の証明があっても、北京戸籍の人ではなく、帰郷したい場合には、私たちが送り返すこともできる。

東城区と西城区には、ともに保護に関する問い合わせ施設があるのみで、ほかの区にある保護管理施設とは異なる。問い合わせ施設は、情報の問い合わせや案内などのサービスを提供するのみで、保護が必要な人については、他の保護施設に引渡したり、故郷に返したりする。送り返されたり、その場を離れるよう勧告されたりした後、その人々をトレースするのが、社会福祉の仕事となる。一般的には、北京の戸籍を持つ人については、生活を落ち着かせるよう関連の街道(訳注:末端の行政を担う派出機関)に連絡をとり、北京以外の戸籍を持つ人については、故郷に送り返した後に、生活を落ち着かせるよう現地の派出所や居民委員会(訳注:行政階層上、最も下部に位置する自治組織)、村委員会などに連絡をとる。

その後、もし関連の部門から、その人が既に基本的な生活保障を受けて社会に再復帰したとの回答があれば、私たちの仕事はこれで終わる。浮浪者の中には、職を求めて北京に来たものの、一時的に見つからない人もいる。そういった場合には、私たちは、可能な限りの伝(つて)を使ってその人のために仕事を探し、保護施設を出た後に自分で生活していけるよう手助けすることもできる。1年半のプロジェクト期間中、私としては、少なくとも20件は終えたいと思っている。

コミュニケーションをとる際には、その方法に非常に気を配る必要がある。まず、彼の状況や目前の切迫したニーズを理解し、もし必要とあらば、先に食事や衣服の面で助けることもできる。こうすることで、一種の信頼関係を構築してから、具体的にどのように助けるかについて話すことができるのだ。

半年も経たないうちに、私は東城区の各重点エリアについてとても詳しくなった。例えば故宮の北門の辺りだ。観光シーズンのときには、全世界からの観光客がここにやって来るため、たくさんの職業物乞いもここに集まってくる。頻繁にこのエリアに顔を出しているうちに気付いたのは、この物乞いの人たちも千差万別ということで、中には、良いポジションを長期にわたり占拠できる人もいる。私たちには、法を執行する権限はないため、できることといえば、できるだけ人間的な方法で彼らと交流すること程度だ。勧告や指導をする際には、絶対に相手と衝突してはならない。相手が自分の話のつじつまを合わせることができずに自分自身をさらけ出してしまい、声も出さずに立ち去ってしまうこともあれば、たくさん質問をし過ぎて相手が激しく罵ってくることもある。罵られることは少なくないが、職業物乞いの中には比較的おとなしい人もいる。例えばよく見かける、両足に障害のある男性は、自分からあいさつをし、私たちの仕事を邪魔しない意思を示してくれる。

保護そのものは、とても複雑な仕事で、専門的な方法やテクニックを要する。人によっては、話しただけで保護の対象とケンカを始めてしまったり、何も質問できなかったりするかもしれない。これは、まさしく体制の中で、多かれ少なかれ行政的な色彩を帯びてしまっているスタッフにはまぎれもなくできないことだろう。私たち社会福祉の仕事では、サービスを提供する相手が生きている状況に、より一層注目することができる。

私には、もうひとつ仕事がある。つまり、保護施設で働くスタッフの心理的プレッシャーを減らすようサポートすることだ。長い間保護に関する仕事にあたるなかで、皆は様々な強いプレッシャーに直面しており、情緒面や心理面の問題につながる可能性がある。そのため、スタッフが心理的プレッシャーを減らす訓練を意識的に行うとともに、社会福祉の仕事の理念や価値観を普及させているのだ。

執筆者
執筆者所属  
翻訳と校正 翻訳:三浦祐介 校正:棚田由紀子
メディア

NGO発展交流ネット

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