2014/02/04 by jixin

【pal*system】〝みんなのキッチン〟から始まる、想いをかたちにするための第一歩

みんなのテーブル メサ・グランデ(川崎市中原区)

昔ながらの商店街が残る川崎市武蔵新城に、2012年4月オープンした「メサ・グランデ」。食と野菜をテーマにしたコミュニティスペースで、店内にはピカピカに磨かれた大きなテーブルと共有キッチンがあります。ここで今、さまざまなつながりが生まれ始めています。

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写真:オープンキッチンと飲食スペースが一体になった店内。惣菜・弁当はテイクアウト用。店内でランチを食べることもできる(ドリンクメニューあり)。

 

食の課題から、食の起業へ

キッチンが育むつながり

 

JR南武線・武蔵新城駅近くにある「メサ・グランデ」は、スペイン語で「大きなテーブル」という意味。コミュニティビジネスの起業支援や子育て支援、食と農の交流支援事業などを続けてきた、NPO法人ぐらす・かわさきが運営する、「食のコミュニティスペース」です。『のんびる』では、昨年7月号の特集「地域のたまり場!」でご紹介しました。

店では、地元の生産者が育てた安全・安心な地場野菜や、店内手作りのお弁当と惣菜などを販売。

コンロや調理器具など充実した設備のキッチンとテーブルは、ワンデイシェフ、自炊カフェ、キッチンレンタルなど、さまざまなかたちで利用できます。メサ・グランデのコーディネーター・田代美香さんは言います。

「野菜不足、不規則な食生活、孤食化など、“食にまつわる地域の課題”を解決したかったんです。地域の食の課題は各家庭ですべて解決できるものではありません。川崎には、おいしい地場野菜がたくさんありますし、食材とキッチンを共有して、みんなで食事を楽しんでほしいと考えたんです。お惣菜とお弁当の販売や、カフェコーナーもありますが、一方的に食事やサービスを提供するレストランとは少し違います」

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写真:店の前では朝10時から、収穫されたばかりの地場野菜を販売。数軒の農家と連携し、安全・安心にこだわった野菜を提供している。

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写真:新鮮で、安全・安心なこだわり食材がメサ・グランデのモットー。

 

普段は、9人のスタッフのローテーションで運営され、野菜や惣菜・弁当販売で収益をまかない、「ワンデイシェフやキッチン・スペースレンタル、起業講座を事業につなげることも今後の課題」と田代さんは言います。

オープンから1年弱ですが、メサ・グランデでは、さまざまな動きが始まっています。自宅で料理教室を開いていた女性が店内で料理教室を始めたり、自宅で製造許可をとって作ったジャムや焼き菓子をここで売り始めた人もいます。ほかにも、ひとり暮らしのお年寄りが友人と一緒に手料理を楽しんだり、男性同士で親睦を深める「男の料理パーティ」など、食を通したつながりが続々と誕生。「秋野菜の料理教室」「島唄と沖縄料理を楽しむ会」「手打ち蕎麦一日教室」などなど、食のイベントも多彩です。

さらに田代さんは、「“食にまつわる地域の課題”を解決しようとする人たちの起業支援も、メサ・グランデの重要なミッション」と言います。田代さんはこれまでに、フェアトレード事業を手がけたり、川崎の特産品を活かしたコミュニティビジネスを模索するなどの経験があり、飲食で起業したい人にとっては心強い存在です。

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 「『食で起業したい!』『食を通じたコミュニティで、地域の課題を解決したい』という女性や若い人は多いです。ただ、実際に始めるまでの一歩がなかなか踏み出せない。そういう人たち同士で情報交換したり、悩みを共有する場にしてほしいとの想いもこめました」

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写真:「メサ・グランデ」コーディネーターの田代美香さん。

 

地元の商店会とも連携

街の活性化も大事な使命

 

地元に住む“人”と、食で起業したい“人”。しかし、メサ・グランデが対象にするのは“人”だけではありません。“街”も、そのひとつです。メサ・グランデでは、地元の商店会に新たに加入。ぐらす・かわさきでは、行政や地元大学、地元商店会と連携してきた経験もあります。

「武蔵新城は、古き良き商店街が残る街ですが、最近は交通の便がいい武蔵溝ノ口(溝の口)と武蔵小杉にはさまれ、あまり元気がないんです。武蔵新城には子育て中の世帯も多いですし、近所のお店と一緒に、この街を活性化していくことも、メサ・グランデの大切な使命だと考えています」

地元の商店会といえば、新しいものを受けいれることに躊躇し、閉鎖的になる場合も多いですが、武蔵新城の商店会長さんの協力もあり、メサ・グランデは徐々に、ご近所に溶け込む存在になっているとか。隣にあるパン屋さんにピザ生地を発注したり、近くの飲食店の人たちが野菜を買いにくるなどの関係も生まれています。

「縁があって、この街にオープンしたわけですから、地域の人に愛され、地域を元気にするスペースに育てていきたいです。地元の商店会とイベントを企画するのもおもしろいでしょうね」

田代さんは、2月のセカンドリーグ神奈川法人化記念シンポジウムにパネラーとして登壇予定です。セカンドリーグ神奈川に、ひとことお願いします。

「セカンドリーグ神奈川さんでは、『コミュニティカフェ実践起業塾』が開講されていますが、『コミカフェを開きたい! でも、あと一歩が踏み出せない』という方はたくさんいると思います。ぜひメサ・グランデを利用してもらい、“想い”を“かたち”にするお手伝いができたらうれしいですね」

 

みんなのテーブル メサ・グランデ 〒211-0044 川崎市中原区新城5-2-13プリマSK武蔵新城1F

TEL:044-872-9795 E-mail:tachib@grassk.org HP:http://mesa-grande.blogspot.jp/

【営業時間】10:0018:00(金・土は21:00まで/野菜販売10:00から/ランチ・弁当11:30から/祝日休)

水・日はワンデイシェフのみ営業。惣菜・弁当販売は休み(ワンデイシェフがなければ店は休み)

 

 

執筆者

執筆者所属

翻訳と校正

メディア

パルシステム・セカンドリーグ月刊「のんびる」No.76(2013年2月号)より転載(pp.40-41)

 

 

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