2013/11/20 by jixin

【pal*system】自給トラスト運動「大豆レボリューション」は地域にシフトした第二のステージへ!

 

大豆 小さき粒につまった 食と農の夢

 

千葉に拠点を移した、トージバの農的暮らし

 

NPO法人トージバ事務局長神澤則生さん(千葉県神崎町)

 

大豆の自給率を高めようと、NPO法人トージバでは、2004年から「大豆レボリューション」と名づけた活動を各地で展開。『のんびる』2010年12月号で紹介しました。あれから3年、今、どんな活動に発展しているのか、あらためて取材しました。

 

大豆畑のオーナーになって

 

 「あのときの『のんびる』ですね!また取り上げてもらえるのは大歓迎です。私たちの活動はずいぶんと変わったので、ぜひ遊びにきてください」と電話口で話すのはトージバ事務局長の神澤則生さん。

 

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写真:右より、神澤則生さん、妻の薫さん、トージバスタッフの溝口さん。

 

後日、2013年1月号で募集した『のんびる』読者カメラマンの吉田昌子さんとご自宅を訪ねると、神澤さん夫妻が笑顔で迎えてくれました。さっそくお話を伺うと、トージバが変わった最大の理由は、やはりあの東日本大震災……。

 「もともとトージバは、10年経ったら地域に散らばり、それぞれの土地で活動するつもりでしたが、3・11のために、少し時期が早まりました」(神澤さん)

 

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写真:薪の火で、大豆をじっくり茹で上げる。

 

 「大豆レボリューション」は、参加者自ら「テイケイ畑」の種大豆オーナーとなり、種まき、草取り、収穫、味噌作りなど、消費者と生産者が協力して大豆を育てる取り組みです。震災は、テイケイ畑が全国各地へ広がるなかで起きました。その後、トージバ代表の渡邉尚さんは宮崎県の最南端、串間市のトージバ宮崎支部に移住し、スタッフも全国各地で農業を実践するなど、それぞれの地元に居を移し、地域の人々とともに大豆作りに取り組んでいるそうです。

千葉県の神崎町にある神澤さんのご自宅兼事務所も、トージバの拠点の一つです。古い農家を借り受け、農家暮らしを始めた神澤さんが作付けするのは、大豆、麦、米など穀類が中心。それを加工して味噌、醤油、ドブロクなども作ります。お邪魔した日は、味噌の仕込みを見せてもらいました。妻の薫さんやトージバスタッフの溝口さんと協力して、5キロほどの大豆を茹で上げます。

 

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写真:茹でた大豆を冷ましてから、肉をミンチにするミキサーで潰し(左)、大豆に麹と塩を十分にまぶして味噌状にする(右)。

 

 「茹でたての豆を食べてみてください」といわれて一粒つまむと、柔らかく、ほのかな甘さと豆の香りが口の中にフワ~~。「地大豆の『小糸在来』です。自分で育てた大豆なので『神崎在来』と名づけてもいいかなあ」と神澤さん。茹でた大豆は、冷ましてからミキサーで潰し、麹と塩を十分にまぶして味噌状にします。それを大きなおにぎり形に丸め、樽にいれて寝かせると、今日の仕込みは完了です。

 ちなみに、自宅の土間には、ドラム缶を利用した薪ストーブが。トイレの排泄物もバイオガスで、コンポストでの発酵に利用するなど、エネルギー消費をとことん抑えた生活を心がけ、パソコン以外の電化製品は見当たりません。

 

「湯治場」でのまちづくり

 

 味噌の仕込みの最中も、神澤さん夫妻は3・11の人災への怒り、放射能の影響などを語ってくれます。

 「私はもともと東京の人間ですが、今の中央政治には何も期待できない。それよりも、地域で自分たちのライフスタイルを作っていくことに決めたのです」

 トージバのスタッフが各地へ移住するなか、「地元の活動を深めることに専念したい」という神澤さんは、地域のイベントにも積極的に参加。デザイナーでもあることから、今年1月に開催された「全国発酵食品サミットinこうざき」では、ポスター制作を手掛けました。

 

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写真:『のんびる』201012月号より、トージバの「テイケイ畑」(千葉県匝瑳市の農家・みやもと山)での大豆畑の草取りの様子。

 

 「神崎町は利根川水系の肥沃な土地柄で、酒、味噌、醤油などの発酵食品の生産がとても盛んです。このサミットでは、発酵学者の小泉武夫さんの講演や地域の事例報告が行われ、トージバも実行委員会で参加しました。私自身、『発酵の町・神崎』の名を、全国に広めたいんです」

 「まちづくり」は、トージバの得意分野です。今年3月には、宮城県の東鳴子温泉を応援しようと「種まき人の集い2013」を開催。神澤さんと意気投合した、東鳴子温泉の旅館大沼のご主人・大沼伸治さんとともに毎年開催している行事(2011年9月号掲載)です。

 「東鳴子温泉は震災以降、客足がめっきり途絶え、どの旅館も苦しい状況です。そこで、トージバの名の由来である『湯治場』をたくさんの人に体験してもらおうと、トージバが窓口となり、『ディープな鳴子湯治場ツアー』を企画しました。東鳴子温泉には、福島の子どもたちも保養に訪れていて、湯治場という日本古来の『保養文化』の継承にもつながると考えています」

 都会の消費者を対象に、全国に「テイケイ畑」のネットワークを持つトージバ。志を同じくする仲間たちが全国へと広がり、ローカルに徹する第2のステージが今、始まっているようです。

 

取材現場を撮影して

実際に取材に同行させて頂き、生の現場で当事者及び関わりのある方々に接することが出来、新鮮な気持ちで、また問題意識を持ちつつ、シャッターを切らせていただきました。貴重な時間を過ごす事が出来、本当に良かったと感じています。

 

『のんびる』読者カメラマン 吉田昌子さん

 

トージバ http://www.toziba.net/         Eメール】npo@toziba. Net

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執筆者

 

執筆者所属

 

翻訳と校正

 

メディア

パルシステム・セカンドリーグ月刊「のんびる」No.79(2013年5月号)より転載pp.44-45

 

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