2013/10/04 by Tanada

盧思騁:中国の環境保護団体は如何に国際活動に参加してきたか(下)

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概要:いつも言っていることだが、一つのチームとしての視点で環境保護運動を考えなければならない。環境保護運動が「Think Globally, Act Locally(地球全体の問題と考え、行動は身近なことから)」であるべきと唱えるとき、すべてのNGOがみな国際会議に参加せよという意味ではないのだ。環境NGOも一つの生態系であって、それぞれに長所があり、それぞれの特徴をお互いに生かしていくべきだ。今問題なのは、地球全体の問題に取り組むNGOと、コミュニティの問題に取り組むNGOとの交流がほとんどない、ひどくなると相手の仕事は重要ではない、自分の仕事の方が重要だなどと思いがちなことだ。

霍偉亜(以下、霍氏):環境保護NGOは、常に世界各地を飛び回っている印象がありますが、なぜ環境保護NGOはそれほど頻繁に国際的な場に出て行かなければならないのでしょう?

盧思騁(以下、盧氏):そこにはちょっと誤解があります。環境保護NGOが国際会議を開くのが好きだということではなく、環境問題とは本来国際的な、グローバルな課題なのです。気候変動、森林の減少など、すべての環境問題はグローバルな問題であり、一つの国や都市、一つの組織で解決できることではありません。

国際環境運動は80年代に既に「Think Globally, Act Locally」を提唱しました。行動は身近なことに焦点を当てつつも、国際的な視野を持とうということです。もしくは逆に、国際的な立場で行動しなければならないが、身近な視点も持たなければならないともいえます。

霍氏:今、中国の環境NGOは、国内での仕事に注力しているものもあれば、国際的に仕事することに長けているものもあります。両者はどのような関係と考えますか?

盧氏:いつも言っていますが、一つのチームとしての視点で環境運動を考えなければなりません。環境運動がグローバルな視点と、ローカルな行動が必要だというとき、NGOがみな国際会議に参加しなければならないということではないのです。

環境NGOも一つの生態系であって、それぞれに長所があり、それぞれの特徴をお互いに生かしていくべきです。今問題なのは、地球全体の問題に取り組むNGOと、コミュニティの問題に取り組むNGOとの交流がほとんどない、ひどくなると相手の仕事は重要ではない、自分の仕事の方が重要だなどと思いがちだということです。

すべてのNGOの仕事が重要なのであって、どれが欠けてもいけません。国際会議に参加するためにいつも飛び回っているけれど、身近なことに触れず、コミュニティの中で起こっていることを知らないのではだめで、その逆も同じです。焼却炉建設に反対する活動をたくさんのところでするのはいいですが、焼却炉に関連する国際条約が実際あるのか、同じような活動に取り組んでいる人がいるのか?(そのようなことも知らなくてはなりません。)

霍氏:NGO同士の交流のほか、環境NGOと政府の間の交流もどんどん増えており、国際的な場で独自の発言をしたいという要望もあります。国際社会の、中国の環境NGOに対する期待もありますし、環境NGOはやはり中国政府の態度を考慮しなければならないという側面もあります。独自の発言をしたいというとき、この三者の立場を考え、それぞれを考慮する過程が必要ではないでしょうか?

盧氏:環境NGOは、問題に立脚しなければならず、その主張に立脚するわけではありません。私たちの仕事は、実際の状況に基づいて、現状を正しく処理するのが望ましい。実際の状況に基づいて、実行可能で、積極的な、かつ建設的な解決方法を考えるということです。この原則に従えば、それ以上のあまり多くのことは考えなくてよいのではないでしょうか?取りこし苦労なのではと時々思います。

霍氏:国内NGOが国際的な仕事をしようとするとき、どのような課題があるでしょうか?

盧氏:気候変動という課題を例にとってみましょう。

第一に、我々の国民参加型プロジェクトが、まだまだ一面的で、限界があり、変わりばえしないということがあります。国民参加型プロジェクトを実施するときは、国民が真に関与できるようにすることが望ましいです。それは、国民の目線から考えるということではなく彼らのできることは何であるか、ということです。

環境NGO「自然の友」の実施している、低炭素家庭プロジェクトはとても良い取り組みです。しかし、人的リソースや財政面の限界などから、北京でしか実施していません。とても良い活動であるならば、民衆の中に入っていかなければならないわけで、自己満足でネット上に書き込みをし、資金提供者に対して説明して終わり、というのではいけません。誠意をもって国民参加型活動をすることが重要で、環境NGOは自己満足であってはならないのです。

第二に、政策面では、天津の気候変動国際会議以降、進歩がありました。

気候変動会議では、2年以上活動を続けている気候政策グループを組織しています。20数名が定期的に参加し、気候政策に関心のあるスタッフが定期的に集まって討論し、勉強会を開き、テーマ別にワークショップを開き、お互いにそれぞれの専門領域について紹介しあっています。

気候変動会議はファンド、適応、技術、森林保護、二酸化炭素排出量取引等多方面にわたるため、一人のスタッフでフォローするのは大変です。このグループ検討では、メンバーが異なる分野について基本的な知識を持ち、今後共同の立場に立つことも容易にできます。現在、グループは国家気候法の提言について検討しており、我々の考えを検討しているところです。

政策面の仕事は専門的にしなければなりませんが、一つの組織だけで専門的にやるのではなく、すべての業界が一つの土俵の上で、助け合い、協力してやらなければなりません。

第三に、環境NGO自身が自分の考えを持たなければならないということです。

天津の気候変動会議も含め、私たちの立場は多かれ少なかれ、国際的に主流なNGOの意見に沿っています。まだ真剣に討論されていない分野もあります。例えば、二酸化炭素税の導入と、二酸化炭素排出量取引のどちらがより良いのか、といった問題について、まだ討論されたことはありません。

自分の考えを形成する前提として、政策テーマについて把握し、考えるのは自分自身です。実践を通して、もしくは実際の状況での調査研究を通して、直接影響を受ける人々と交流し、その問題がもたらす結果について把握することで、自分の考えを持つことができるのであって、国際会議の資料に目を通すということではないのです。もちろん、これは一つのプロセスです。

以上のことはみな戦略上のことですが、戦略として、環境NGOが内部の仕事をしっかりやるということは非常に重要です。能力、長所、疑問を問いただすこと、社会責任を問うこと、専門性の有無、企業や政府と協力する力、、、みな重要なことですが、うまくやろうと思ってすぐできることではありません、自分の底の深さが必要です。

これらのことは、一つのNGOが全てやり遂げられることではなく、NGOが協力し合って一つの集団となり、やり遂げることが必要です。一つのNGOが全てうまくやらなければならないと言っているのではありません。一つの組織が中国の環境問題を解決できるなど、夢にも考えられず、不可能なことです。

霍氏:それをうまくやっていて、中国が参考にできるような国外のNGOはありますか?

盧氏:私の友人は、気候変動会議を受けて、森林関連のことを非常によくやっています。国際環境NGOで森林をテーマに、あるコーディネートグループのコーディネーターをケニアでやっている人です。会議に沿って非常に専門的にしていますが、地域住民との交流はそれほどうまくできていませんし、エネルギー発展に関連した気候変動分野は、彼でもうまくやる能力はないでしょう。

気候変動という分野はとても広く、どの組織が良くやっていると言うのは本当に難しいです。気候変動という分野の中のある部分で、ある時点では比較的おもしろいことをやっている、という風にしか言えないですね。

霍氏:だから、国際的な環境の仕事に関与する中で、環境NGOは協力し合って仕事をしなければならないわけですね?

盧氏:もちろん、協力しなくてもいいのですが、もしみなが一緒に協力すれば、情報量も大変多くなります。

例えば、気候変動会議のとき、同時に別々の部屋で、それぞれのテーマについて、各国が話をしていました。では一つのNGOは何人を派遣したらすべてを聴くことができるのでしょう?全体を把握するためには、誰かに手伝ってもらって自分の専門とする領域のテーマを聴きに行ってもらい、報告分析してもらい、共に討論する、そのようにして初めて多少なりとも総合的な把握ができるのですが、真に総合的な視野を持つというのは難しいでしょう。

気候変動会議の間は、朝から晩まで会議でした。環境NGOは手分けして参加し、後で情報共有していました。非常に細かく、専門的に分担していました。基本的には、テーマ別にグループを作り、グループごとに責任者を置いて、ファシリテーターは大体、世界各国のNGOから会議に参加している人でした。その後、共同で分析し、情報を集め、判断を下し、提言を出していました。

国内環境NGOの内部でも、だんだん業務分担がなされてきていますが、誰も踏み入れていない領域もまだたくさんあります。例えば気候融資など、大きく、専門的で難しい分野については、国内NGOはほとんどだれも専門家がいません。

執筆者 霍偉亜
執筆者所属 青年環境評論
翻訳と校正 翻訳:三津間由佳 校正:棚田由紀子
メディア http://www.greenyouther.org/page/?id=1071

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