2013/08/30 by Tanada

【宮崎いずみエッセイ】北京の不動産事情

最近、近辺のどこのマンションの敷地出入口ででも不動産仲介業者が看板と人員を配置しているのを見かけます。以前から不動産売買のセールスはよくありましたが、今年に入ってから激化しているように感じられます。

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(写真1:このような不動産仲介業者のセールス職員がどこの住宅地の入り口にもいる)

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(写真2:不動産仲介業者の店舗)

北京の不動産価格

現在の平均は2013年7月で1平米38, 497元(2013年8月22日現在1人民元=約16円)だそうです(依拠:安居客北京不動産ネット)。間取りの小さいものでも90平米程度、大きいものでは200平米を超えるものはざら。そんなわけで、私の近所では安いものでも総額300万元くらいからが相場といった感じです。

しかし、こんな価格のマンション、誰にでも買えるわけではありません。公布数値では北京の平均月収は5,223元。ただ、これは高所得者も合わせた平均であって、近所のレストランなどでの人材募集を見ていると単純サービス業務では月給2,000元ほど、管理職でも4,000元程度です。このような職場ではおそらく食事と住居はまかないのことが多いとは思いますが、それにしても1ヶ月に2,000元ほどの収入とすると、何年働けばこのようなマンションに手が届くのか…。もちろん公的資金で建てられた「経済適用房」という低所得者向けのマンションもあります(それでも市街地から遠くないところでは1平米4,000元~5,000元程度はする)が、申請したうえで許可が出ないと買えませんし、郊外で交通は相対的に不便で数もそう多くはありません。

北京は中国の首都だけあって、地方からお金持ちが押し寄せてきて不動産を購入します。石炭で財をなした人の多い山西省では、北京に不動産をもっているのがステータスだとか。しかし、浴室等に特別な付属機能があるわけでもなく、日本の住宅価格を知っている私からすれば、日本円にして5,000万円にもあたる価値があるとは思えませんが…。今でもどんどん高級マンションが建設されていて、一体誰が買うのだろうかと疑問になることもあります。

賃貸価格も、例えば我が家の近所の間借りでワンルーム15平米ほどでも月に1,500元程度しています。

不動産価格の推移

私が北京で家を購入した2003年時点で、北京の不動産価格の平均は1平米6,000元程度でした。西安ではその当時1平米2,000元にも満たなかったのを覚えています。その後不動産価格は高騰を続け、現在は北京では前述のように平均1平米38,497元。我が家は値上がり幅がかなり低いほうなのですが、それでも購入当時に比べ4倍程度になっています。

というわけで、不動産売却により少なからず儲けた人も多く、例えば、夫の友人は公務員で、勤務先から小さく古いながらも市街地に住居を与えられており、それを売却することでかなりの大金を手にし、それを元手にまた不動産を購入し、これも値上がりしたところで売却してさらに大金を手にしています。

また、開発による立ち退き対象になると、その補償金として立ち退き対象となった建物の面積に応じて補償金と住居が与えられます。もともとコンクリート打ちっぱなしの貧相な平屋やアパートを有していただけでも、大金と政府が立退き対象者のために建設したマンション数戸が手に入ったりします。その後は手に入ったマンションの賃貸料だけで十分遊んでくらせるというわけです。北京市は「城中村」再開発の費用に5年間で5,000億元を投じるとのことですが、その一部はこのような人たちに富を分配されていることになります。

不動産高騰対策

中国全体での不動産高騰が問題とされ、中央政府も対策を打ち出していますが、現在、北京では北京戸籍の場合、1家庭2件まで、北京以外の戸籍の場合は1家庭1件までしか不動産が購入できないように規制されています。(北京以外の戸籍で規定の条件を満たしていない人は1件も購入できない。)中国では「上に政策あり、下に対策あり」と言われますが、2件目もしくは3件目以上の不動産購入のため、離婚して戸籍を別にし、不動産を購入するというケースもよく見られるそうです。(もちろん、不動産購入後にまた籍を入れなおすのです。)

私は家は長く心地よく住むものと、一番気に入った環境にある物件を選び、日本の生活様式に合わせて内装を施したため、どうしてもこの家を手放す気にはなれないのですが、マイホームにこだわりがないほうが、お金儲けのためにはいいのかもしれません。

宮崎いずみ

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