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2013/06/25 by Tanada

「1+無限」 ~干ばつ区での貯水タンク建設の新方式~

20130624-1

共産主義青年団(共青団)雲南省委員会書記の楊軍氏、雲南省水利庁副庁長の王仕宗氏は、2013年に初めて共青団希望貯水タンクの恩恵を受ける農家の秦潤科氏に、貯水タンクの寄付記念盾を共同で手渡した。(写真:本紙記者 趙永鋒)

希望貯水タンク「1+X」公益活動

「1+X」活動とは、2010年から2012年までに行った「共青団希望貯水タンク」建設援助活動を基礎としたものをグレードアップ、刷新したものである。原則として援助する人の意思に従い、「社会への寄付(3,000元/件)+現地政府の補助+援助を受ける農家の労働力の投入」の方式の下、被災地の人々に援助を提供する。基準、資金、通し番号を統一してプロジェクト管理を行い、共青団希望貯水タンクの容量はどれも25㎥以上のものとしている。

「1」というのは、各クラスの共青団組織が組織化動員を通じ、青少年一人一人が毎年自ら進んで1元を寄付することを提唱する意味である。「X」は各クラスの共青団組織が社会化動員を通じ、愛心企業(慈善事業に積極的に携わる企業)と社会各界の名士が進んで寄付をし、共青団希望貯水タンク建設援助に積極的に参加するよう提唱することを意味する。2013年から2015年には、毎年3,000万元以上の資金を調達して、共青団希望貯水タンク10,000基の建設援助を目標にし、山間地に住む人々の生活用水が調達困難な局面をなるべく早く打開するよう努めていく。

石林県鹿阜街道事務所内の大哨村委員会が管轄する秦家寨村は典型的な高地寒冷の山間区で、生活用水の調達はすべて自然の降雨に頼っているが、毎年の干ばつにより村で唯一の貯水池がほぼ干上がってしまった。300ムー(1ムー=6.67アール)近くの土地が水不足のため、すでに5年も農作物を植えていない。飲料水は3~4日ごとに約20分間給水することに統一されている。状況によっては、自ら村外へ車で出向き、飲み水を運ぶこともできるが、労働力のない家庭にとっては飲み水の確保は最も困難なことである。また、家畜は1~2km離れた場所にやっと小さな水源があり、そこで水を飲ませなければならない。

村民である秦潤科氏は、以上のように状況を説明した。この村の主要栽培はタバコだが、干ばつで水がないため、車やトラクターをたくさん借りて10km余り離れた場所へ行って水を汲み、村民がタバコを移植する所まで水を運ぶほかなく、農家の生産コストが大幅に増加してしまった。しかし、2010年より、関係部署と社会各界の強力な援助の下、村民委員会が一部に建設した小型貯水タンクが、特に初春の作物の栽培で優れた効果を発揮した。しかし、干ばつの状況がますます深刻になるにつれ、現存する貯水タンクの数は、生活用水の需要に対し全く足りなくなってしまった。

これは水不足の農村の一つの片鱗にすぎず、雲南省で干ばつの被害を受けている農村はまだまだ多い。干ばつの被害を受けている農村がこの局面を乗り切る手助けをするため、雲南省共青団希望貯水タンク「1+X」の公益活動を現在展開し、共青団雲南省委員会にて昨日午前10時に記者会見を行った。

干ばつが続く限り行動を続行

共青団雲南省委員会副書記、雲南省青少年発展基金会副会長の羅永斌氏は、まず雲南共青団組織の2010年から2012年までの干ばつ対策作業の進展状況を振り返り、共青団希望貯水タンクが山間地、中山間地の水不足に悩む住民の干ばつ被害との戦いに際し、積極的役割を果たした様子を放映した。

2010年、雲南は百年に一度の大干ばつに遭遇した。共青団雲南省委員会は、一方では雲南の干ばつ被害救済作業に対する社会各界の支援を広く取り付け、「共青団希望貯水タンク」建設を着実に推し進め、「苗を潤す活動」を有効に展開した。100余日の間で、共青団雲南省委員会、雲南省青少年発展基金会が受け取った援助金、援助物資の累計は62,444,214.76元に達した。これに伴い、全省が建設援助した「共青団希望貯水タンク(池)」などの小規模水利工事は16,000件余りで、被災の程度が酷かった家庭の大学生、中高生、小学生2.3万人余りが資金援助を受けた。もう一方では、被災地の人々の生活困難を全力で救済するため、「青春彩雲南・皆で干ばつと戦う活動」の一連の活動を実施し、被災地の人々に飲料水2.7万トンを送った。

2011年、2012年と雲南は干ばつの状況が引き続き、共青団雲南省委員会、雲南省青少年発展基金会は資源を統合して300余万元の資金を調達し、共青団希望貯水タンク建設援助に使用した。ここ三年で建設された、16,000余基の「共青団希望貯水タンク(池、水路)」は紅土大地の畑のへりや家の周り、学校の校庭に分布し、山間区の農家、校庭は干ばつ期の生産や、生活用水の供給源となった。

2013年、社会各界の愛心企業と名士の強力な支援の下、共青団希望貯水タンクはまごころのこもった援助金130余万元をすでに集めていて、400余戸の農家がその援助を受ける予定である。報告会では、共青団雲南省委員会書記の楊軍氏、雲南省水利庁副庁長の王仕宗氏が、2013年に初めて共青団希望貯水タンクの恩恵を受けることになる農家の秦潤科氏に、貯水タンクの寄付記念盾を共同で手渡した。

「1+X」とは

雲南省共青団希望貯水タンク「1+X」公益活動の意義は、青年団、少年先鋒隊員、社会各界の積極的な参加を幅広く働きかけることで、公益理念を効果的に普及させることだそうだ。また、共青団組織の団結力と求心力をかき立てることで全社会が節水、干ばつ対策を行い、思いやりを捧げる良好な雰囲気を促進、提唱することもそうだという。「1」は、各クラスの共青団組織が組織化動員を通じ、青少年一人一人が毎年自ら進んで1元を寄付することを提唱しているのを指す。「X」は、各クラスの共青団組織が社会化動員を通じて、愛心企業と社会各界の名士が自主的に寄付金を出し、共青団希望貯水タンクの建設援助に積極的に参加することを提唱しているのを指す。これもまた各省、市、区、中国共産党中央直属機関、中央企業(訳注:中央政府が管理監督している国営企業)、軍隊などの共青団系列の支援を積極的に受けている。

共青団省委員会書記の楊軍氏は次のように説明した。今回の公益活動は、2010年から2012年までに行った「共青団希望貯水タンク」建設援助活動を基礎としたものをグレードアップ、刷新したもので、「まず、募る資金額を重視する。同時に、水資源の節約、環境保護や慈善公益理念の広報、普及により一層力を入れていく。『共青団希望貯水タンクに寄付一元』など多くの形式を通じ、三年間途切れず続いた実績の下、援助を受ける人々と支援に参加する人々が共に効果的に増加していくことを願っている」。次に、各クラスの共青団、少年先鋒隊、中華全国青年連合会などの組織が皆積極的に行動するよう努める。三番目に、今年から、「建設援助をする共青団希望貯水タンクの容積は25㎥以上でなければならず、援助金の基準は3,000元となる」。

雲南省共青団希望貯水タンク「1+X」公益活動が募る援助金は、原則として援助する人の意思に従うという基本的な考えの下、「1+1+1」すなわち、「社会への寄付(3000元/件)+現地政府の補助金+援助を受ける農家の労働力の投入」の「三つの1」の方式に基づき、被災地の人々に援助を提供する。集中した地域に建設する方式を採用することでスケールメリットを得、「貯水タンク一基ごとに通し番号を付け、村の入り口の樹に番号を彫る」というモデルを作り、統一された基準、資金、通し番号を用いたプロジェクト管理を実現する。また、共青団希望貯水タンクはどれも容積25㎥以上のものである。建設援助作業はなるべく地域を集中させるという基礎理念の下、農家が自主的に申請することによって、村落がとりまとめて手配して公示すると同時に、特に状況が困難な住民に対して優先的援助を行う。

雲南省共青団希望貯水タンク「1+X」公益活動が募ったすべての寄付金は、雲南省青少年発展基金会がまとめて受付と領収証の発行を請け負い、専用の記録簿で管理した上で、寄付金をこの活動のためだけに使う。資金の募集と使用状況については、雲南青年情報ネットワーク、雲南希望プロジェクトネットワークが定期的に社会に向け公表し、会計監査部門と社会各界からの監督を受けている。雲南省青少年発展基金会は、年度のプロジェクトが全面竣工したあとに、年度内すべての「共青団希望貯水タンク」建設援助プロジェクトに対し特別資金の会計監査を行うとともに、プロジェクトの社会的評価を問う。会計監査結果と評価の結果は、関係する広報団体を通じて広く社会に公表すると同時に、プロジェクトの実施状況に対しては県を単位としてサンプル抽出を行い、場合によっては会計監査を延長する。

3月22日は第二十一回「世界水の日」で、3月22日~28日は第二十六回「中国水週間」である。国連は今年の「世界水の日」のテーマを「水への協力」と決めた。「我々がこのように持続的に雲南省共青団希望貯水タンク『1+X』公益活動をアピールするのは、より多くの集団や個人が『節水して干ばつと戦う・思いやりを捧げる』仲間となって、少しでも多くの山間地の住民が再び干ばつに悩まず、土地も干上がることのないようにし、住民たちがより安心してこの土地で農業や生活ができるようになることを望んでいるからです」と楊軍氏は語った。

干ばつの山村

雲南青少年発展基金会の潤土互助工作組は、2013年2月初めと3月初めに禄勧県屏山鎮緑槐村と尋甸県柯渡鎮三転湾にそれぞれ分かれて訪問し、現地の干ばつの状況に対して調査研究を行った。

禄勧県屏山鎮緑槐村は、屏山街道から約10キロ離れた中山間地に位置する。全村939戸で、2010年の一人当たりの年間純収入は2260.00元で、典型的な中山間地の貧しい少数民族の村である。調査研究で分かったのは、2012年10月から緑槐村内ではほとんど雨が降らず、降雨量は平年の半分以下で、コムギ、ソラマメなどの農産物の収穫量が50%~80%減少したことだ。例年1ムーあたりの収穫高が150㎏のコムギが、今年はわずか約20㎏の収穫しかなく、「採種しかできない」とある村人は語った。苗の水やりや、2ムーのソラマメへの散水に、ガソリン代だけで140~150元掛かる。これは一家で三人が一日働いた場合の収入に相当し、農業の生産コストが大幅に増加してしまった。

山頂に位置する董家山、大紅坡、龍潭山は、もっとも水不足が深刻な苗族の三つの村で、農業が自然の恵みに頼っているだけでなく、現在は人や家畜の飲み水までもが不足している。大紅坡の村落の長である張志澤氏は「すでに3~4戸の住民が山のふもとの湖へ行き、飲み水を汲んで運んでいる。水は汚いが、仕方がない。」と言う。あと数回の大雨が降らなかったら、春節明けには村人全員が水を運んで飲むことになるであろう。「水不足が一番深刻なのは3月と4月だ」。水不足のために水を探したり、水を運んだりすることが、女性や子供にとって大きな負担となっていて、子供のか細い両肩に早くも生計の重荷がのし掛かっている。

尋甸県柯渡鎮三転湾村のある村落は山間地にあり、平均海抜は2,500m、柯渡鎮全体で最も高い位置にある自然に形成された村落である。場所が辺鄙で、交通も不便、たった一本の人や馬しか通れない道で外界と繋がっている。猴町役場出張所管内の15の村落で、唯一自動車道路が通っていない村だ。高い山に位置しているのに加えて長年の干ばつにより、村民の生活用水の確保が深刻な状況になっている。村全体の約250ムーの干ばつ地で、小春期に種まきをしたムギやエンドウマメはほぼ全く収穫できなかった。生活用水は牛に運ばせたり、馬に背負わせたりの状態が20年も続いていて、水量が少ないのみならず、水質も保障されていない。村民は「水は泥の味がする」と言う。

生活用水の問題を解決するために、村民たちはあらゆる方法を講じ、持っているほぼ全ての容器に水を入れたり、汲んだりしている。三転湾村で一人暮らしをするお年寄りの王富有さんは水を汲む道具が足りないため、他人が使用して捨てたプラスチックの油のボトルを拾ってきて、水を運ぶのに使っている。村の人々はトタンや竹を利用して軒下に掛けている。そうすることで、軒に溜まった水がトタンや竹を流れて貯水タンクや容器に集まり、その集まった水を保存しておくのだ。生石灰を少し加えて水を消毒し、その水で野菜を洗ったり、食事を作ったり、また、ブタに飲ませたりしている。

四年連続の干ばつに直面し、三転湾の村民は土を掘り、砂や石を運び、皆で(コンクリートの)型枠を支えて貯水タンクを作った。このようにしても、収入源はただ一つで、金額も極めて少なく、「一年の収入は貯水タンク一つ分」である。村落長である明応士氏は、多くの家庭は一年の貯蓄をもってしても貯水タンク一つを建てるのには足りない。それぞれの家庭が貯水タンクを半分建てたところで、砂や石、鉄筋を買うお金がなくなってしまう、或いは、ガムテープを少し買ってきて一時的に水入れにすることしかできない、と語る。

小さな貯水タンクが大きな効果を発揮する。雲南青少年発展基金会潤土工作組は、社会各界の名士や愛心企業が積極的に援助の手を差し伸べ、雲南の山間部の人々の干ばつとの戦いを助けることに関心を持ち支援するよう呼びかけた。

記者会見では、現地で雲南青少年発展基金会とタオバオ(淘宝=ショッピングサイト)によるオープンな公益オンラインショップの協力により、共青団希望貯水タンクの「寄付一元」、「寄付一つ」の公益プロジェクトをインターネット上にアップロードしてもらったことが伝えられた。タオバオという速さに優れたオンラインシステムを通じて、慈善活動に関心のある人々がより多く活動に参加するよう呼びかけ、庶民の公益や人々の公益活動が社会に対して確かなプラスのエネルギーとなることを期待しているという。

2010年より共青団希望貯水タンク建設援助活動を展開し始めてから、2012年12月までに、すでに建設援助をした共青団希望貯水タンクは16,371基で、これらのタンクは山間地や中山間地の住民たちが干ばつ被害と戦う過程で、積極的な役割を果たした。共青団希望貯水タンク「1+X」公益活動では善意ある参加者を切望しており、2013年から2015年まで毎年3,000万元以上の資金を調達し、共青団希望貯水タンク10,000基の建設援助を目指している。

執筆者 汝海霞 揚雨薇
執筆者所属 雲南信息報
翻訳と校正 翻訳:藤澤美歩 校正:棚田由紀子、劉楠
メディア NGO発展交流網 《“1+无限” 干旱区水窖建设新方式》

http://www.ngocn.net/?action-viewnews-itemid-86452

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