2013/06/25 by Tanada

中国における企業CSR

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今回のフォーラムの司会者は、「東方企業家」雑誌社の発行人、張忠氏

概念的には、企業のCSRとは、企業が発展していく段階で、自らの社会的責任に目を向けることです。別の観点から見れば、CSRへの投資と影響力は、それだけの見返りがあります。どんな人でも、何かをする前には、積極的に社会を改善することを最終目標としており、企業の利益追求も、その目標の一部分です。

企業のCSRとNGOとの違いは、企業は一般的にCSRを戦略的に考えているということです。そのため、企業はその資金源を考え、CSRの位置づけを考え、どのようにして自社製品のブランドと結び付けた事業を行うかを考えなければなりません。

インテル・チャイナ CSR担当 主席 楊鐘仁氏

ソーシャル・イノベーションには、人々の策と力が必要

企業の持つ使命はたくさんあり、どの企業も社会に属しています。インテルの場合、我々のグローバルな使命は、どのように科学技術を通して人々の生活を向上させるか、世界をより美しいものに変えるかということに尽きます。この観点から出発して、我々インテル・チャイナは4年前から社会分野で3つのことをなすという長期計画に取り組み始めました。一つ目は、インテルは中国の教育分野で加速的な改革を進めたいとの願いから、教育界において大規模な資金投入を行い、トレーニングプログラムを立ち上げました。二つ目は、汶川地震の後、たくさんの研究を行いました。その結論は、中国の持続的な発展は、活発な社会の連鎖の上に建設する必要があるということです。三つ目は、どのように科学技術を利用して、中国の省エネと排出削減に貢献するかということです。

今日のテーマはCSRですが、当時、インテルは汶川地震の被災地に200か所のEラーニング教室を建設するサポートをしました。しかし、中国の社会公益の問題を根本から解決したのでしょうか?欧米では、特にヨーロッパでは、社会公益組織のGDPの二酸化炭素排出量は平均の15%にも達しません。10年、20年後に、もし中国の経済が持続的で寛容性のある知恵を増やせたら、このような目標を達成することができるでしょうか?社会公益組織は、一種の接着剤です。この調子で発展させていくために、私たちには何が足りないのでしょうか?カネ、ヒト、マネジメント、技術はどれもイノベーションが必要です。では、どのようにしてイノベーション体制を作ればいいのでしょうか?

ソーシャル・イノベーションと言えば、中国に必要なのは、ソーシャル・イノベーションの実験室です。この実験室は、学校や会社、事務室の中にあるのでなく、社会の様々な側面にあるのです。インテルのいう「コア・ワールド(core world)」公益イノベーション計画とは、つまり一本の線に沿ってソーシャル・イノベーション実験室を作ることであり、すべての社会公益の力を一つに集め、共同の影響を生み出すことです。全世界で注目を集めているCSRのテーマと経験を中国の企業に集め、基金会やNGOで共同の検討を行っていくことで、より良い相乗効果を起こし、共同で発展の道を探っていくこと、これを今考えています。

中国マクドナルド 政府事務および公共関係 副総裁 栾江

企業のCSRは「急がば回れ」

実際、今私たちの言う公益事業もCSRも一つの大きな概念であるはずで、企業が毎年巨額の負担をして慈善事業をするとか、社会公益組織に資金支援をするとかいうことではなく、CSRの考え方を企業の経営戦略の中にどのように組み込むかということなのです。CSRは企業の戦略と分けるべきものではなく、3年から5年のCSR計画は、企業の戦略計画の中に組み込まれるべきなのです。

また、企業が選ぶCSRの方向性がもし企業の製品や業務と関係があれば、企業はその豊富な専門知識と資源を利用して、CSRの効果を最大限に伸ばすことができるのがメリットです。マクドナルドの店舗には、毎日多くのお客様が来られますが、私たちはこのお客様に向けた草の根の慈善事業をしています。店舗に募金箱を置いて、この小さな窓口を通して一般市民とともにCSRを行っているのです。ひとりひとりの募金額は少ないですが、年間では数百万元もの額になります。

繰り返し強調しますが、CSRに近道はありません。私たちは、一つ一つの仕事に対してそれぞれをニュースにしたりはしません。私たちの現在の出発点は内部にあるので、社員に会社のする一つ一つの事業を良く理解させています。以前、私たちは社員との意思疎通が足りず、CSR部門はCSRの仕事をし、会社は会社の業務をするということをしていましたが、これは良くない結果を招きました。汶川地震が発生したとき、マクドナルドは「一銭も出さないけち」だとネット上で広がりました。本当は、マクドナルドは当時、マクドナルド基金を通して3000万元を寄付したのですが、広報をしなかっただけで、人々に誤解されてしまいました。このことで、社員10万人が非常に傷つきました。その後、マクドナルド基金は、毎回の寄付のたびに、社員に積極的に参加してもらっています。例えば、年次総会の際にチャリティバザーのブースを設けています。毎回の寄付数は慈善パーティより少なく、その数%にしかならない時もありますが、このような行為を通して、社員は自分たちが行う慈善事業に真に入り込み、自分に誇りを感じ、自分の所属している企業が真に周囲のコミュニティに貢献していると認識するのです。

「南方週末」 北区 総経理 任峰

ベースライン、パターン、誰を主とするか

職歴上、私はまた異なる角度から、企業の社会責任というテーマについてお話しします。

一つ目は、ベースラインです。このベースラインについては、私たちはこれを明確にし、守らなければなりません。メディアとして、私たちには自分のベースラインがあります。例えば、報道の独立性をしっかりと守っていることです。報道と経営とは完全に分離されたもので、明らかな防火壁があります。企業の社会責任の調査研究は、完全に第三者の調査研究であり、経営と関係のあるどのような影響も受けない、これが最も基本的なベースラインでしょう。

二つ目は、誰を主とするかです。ウェイボーでよく見かけますが、多くの企業は善い行いの後に最もしてはいけないことをしています。それは、(何らかのメッセージが書かれた)横断幕を掲げた受益者の写真を載せるということです。これは、慈善行為が、行為を受けた人の尊厳を超えてはならないというベースラインを守っていないだけではありません。読者がこのようなことに対しどう判断するか、どんな感じを受けるかということを理解していないのです。

三つ目は、パターンです。中国における公益事業は、特に多くの企業CSRは、ちょうど盆栽のようなものです。詳細に造られてはいるが、環境とかけ離れていて、多大な対価を払って造られた、見た目だけとても美しいもの。これはもともと、持続する生命力を持っていないのです。そうではなく、熱帯雨林方式で行くべきなのです。熱帯雨林とはつまり、大地の力に接した社会生態系です。このような生態系のもとでは、関連する資源が生態系のパターンに則して、生存原則に基づいた発展方式を必然的に生み出します。同時に、熱帯雨林では、様々な要素が相互に絡み合っています。このような生態系の中で、個々の存在は、それぞれが一つの有機生命体であり、それぞれの機能を果たしているのです。現在の社会化されたメディアにおいては、ブランドのコントロール権は既に脆弱化しているので、コントロールしようとするより、権利放棄する方がいいのです。CSR分野での権利放棄は、最も良い権利放棄なのです。

新京報 副総編集長 何龍盛

CSRにより、企業は発展し、独善的でなくなる

私は一人のメディア関係者として、企業の社会責任をこのように理解しています。人と人の間の活動、企業と企業の間の活動は、既に社会全体を緊密かつ複雑に関連付けていて、誰も独善的になることはできません。この2月中、北京の天気は人々が注目するテーマでした。このような環境下では、誰も独善的になることはできません。この過程の中で、一つの非常に面白い現象がありました。大気汚染に配慮せず操業停止の措置を取らなかったいくつかの企業は、民衆からの非常に大きな批判を受けたということです。独善的になれない社会のシステムの下では、企業責任も、一種の理想化された独りよがりなものになることはできません。企業責任の意味するところは、より複雑になっていくでしょうし、企業が持つ責任のベースラインも、より高くなっていくでしょう。これが一点目です。

二つ目には、企業は非常に普遍的な社会組織として、その責任もどんどん拡大していくと同時に、人々も企業CSRに対して、さらに理性を持った見方をしなければならないということです。企業が利益追求するのはその本分であり、自然な合法性も持っており、さらに優秀な企業が慈善を行うのは必然性がある、と私は理解しています。しかし、焦ってやり方を間違えていいのでしょうか、と問いたいです。特に、CSRを判断材料にして道徳的な評価をしたり、道徳の名の下にCSRを強要したりはできないのです。「新京報」は、一つのメディアです。その最も大きな責任は、一つ一つの報道に責任を持つこと、次には、理性的で建設的な報道をすることです。私たちは、良い新聞を作りたいと願っているし、社会のために良いことをしたいという願いもあります。

三つ目ですが、昨年「新京報」で、一つのニュースを報道しました。それは、中国で初めて、国有企業の社会責任報告が発布されたことです。私は、これは非常に正しく、重要な方向だとみています。国有企業は、他の企業とは異なります。その運営においては、より良い資源を享受しますし、経済全体の発展を促すこともできます。能力はより大きく、権力もより大きくなり、組織本体のロジックから言うと、社会的責任も国有企業が担ってしかるべき責任です。これまで、国有企業はどちらかというとCSRについてはそれほどやっていませんでした。しかし社会公益組織や研究者も、このような報告を通して、国有企業のより積極的な社会的責任活動を促すべきです。メディアの視点から見ても、とてもうれしく思いました。

執筆者 閆冰
執筆者所属 公益時報
翻訳と校正 翻訳:三津間由佳 校正:棚田由紀子
メディア NGO発展交流網 《企业CSR的中国之道》

http://www.ngocn.net/?action-viewnews-itemid-86386

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