2013/05/24 by Tanada

慈善活動は「心」から

災害救援活動には、多くの人の努力が欠かせない。しかし、あなたは知っているだろうか。被災地で活躍する救援チームの中に、子供に1対1の心理サポートを提供し、専門的な心理ケアを通して彼らの成長を見守るチームがいることを。2012年9月7日に、雲南省彜良地震が発生した時、彼らは一時間以内に雲南省保山市施甸県障がい者連合会と連絡をとった。

「寄付と同時に気持ちの上でもサポートと慰めを与えたい」。こうした支援のプラットフォームを構築したのは、千訓愛心慈善基金会だ。同会は心理サポートと物資サポートを組み合わせて行うことを特色としており、中国の慈善分野に、ある種のイノベーションを起こしたとされている。先ごろ、同会理事長の蘇維鋒氏が本紙のインタビューに応じた。

「子供たちに心理ケアと生活追跡調査を行うこと。心理サポートは物質的サポートより、ずっと重要なのです」。会うなり笑顔を見せた蘇氏は短髪に白髪が少し混じり、もみあげ部分は白黒がはっきり分かれている。なぜ慈善基金会を創立したのか、またなぜ心の領域に注目するのかを問うと、彼の眼差しはすぐさま緩み、ゆっくりと語りはじめた。

微笑みから始まった

蘇氏はこう考えている。慈善とは、ただ物質を与えるだけではなく、心と心がつながること。高い者から低い者への施しではなく、お互いの内に在る自己の価値を呼び覚ますことだ。また、慈善は、個人がそれを通じて成長し覚醒に至る道であり、社会が調和とバランスに向かう道でもある。2012年8月24日、中国で初めて、メンタルトレーナーを発起人とする千訓愛心慈善基金会が設立された。「他人を助けて自らも成長し、愛を伝えよう」という理念に基づき、公益事業を行っている。一滴の水や細い流れもやがては大海となるように、すべての人が愛を少しずつ捧げれば、最も必要な所に、愛を伝えることができるとしている。

千訓愛心慈善基金会の前身は、2010年3月に設立された千訓同学会だ。事業的に成功したメンタルアドバイザーのグループである。実の所、千訓のメンバーは、基金会設立の前から、継続的にいくつかの公益事業に携わっていた。

「はじめての心理サポート活動は、道行く人から笑顔を引き出し、スマイルシールを渡すことでした」。蘇氏は言う。2008年3月、蘇氏と仲間たちは、揃いのTシャツに身を包み、深セン市南山区の街角で道行く人にこう語りかけた。「微笑みをくれませんか?お返しに私も笑顔を差し上げます」。しかし、反応の多くは、無理解と嘲笑だった。

千訓愛心慈善基金会が心理サポートを行うのは、深謀熟慮を経てのことだ。蘇氏は言う。昨今の社会公益活動は物質面に重点を置きすぎている。たとえば、災害救援、医療支援、障がい者支援、貧困扶助など、確かに非常に必要なことだが、どうしても限度がある。生命が成長してこそ活力をもたらすことができるからだ。千訓慈善の特質は、彼らの専門的能力によって、人々が心の深いところから自分の力を取り戻す手伝いができることだ。心理サポートを基本とし、その上で物質的支援を行う。

現在、千訓愛心慈善基金会の中核的事業となっているのは、「幸せの秘密」プログラムだ。「すでに、企業家向け、愛のガーデナー、親への忠孝、成長、幸福な人生――大学生就職支援公益講座などのカリキュラムが開設されている」と蘇氏はいう。中国各地や海外で、千訓同学会が請け負う「幸せの秘密」公益研修はすでに288期に達し、受講したメンバーは26,835人におよぶ。

心を砕いて慈善を行う

千訓の慈善の旅は2008年のブン川大地震に始まり、すでに5年目に入った。この5年近く、千訓慈善は何もわからぬ赤子の心を抱いてゼロから始め、現在はしっかりと秩序をもって大きな愛の道を歩んでいるが、メンバーのここに至るまでの努力は並大抵ではなかった。

千訓愛心慈善基金会の設立前後、募金は1200万元あまり集まっていた。2012年7月には、各タイプの慈善プログラムの支出が600万元あまり、支援を受けた人数も3万人近くとなり、中国の大多数の非公募基金会が同じ時間内で達成した業績を大幅に上回った。

「財源面では順調になったが、1円のお金も大変貴重なものだ。そこで、すべてのお金を半分に分けて使うことにした。そして2カ月ごとにウェブサイトで寄付金の使用明細を公開している。将来的には公開の間隔は1カ月ごとになるだろう。人々からの寄付がどう使われているかを明確にしたい」と蘇氏は言う。

「幸せの秘密」プログラム以外に千訓愛心慈善基金会が現在手掛けているプログラムとして、一人暮らしや貧困・高齢といった事情を抱え、白内障を患う人を対象とした「光明をもとめる旅」プログラムがある。これは、無料で視力回復手術を施し、心理面と技術面でサポートを行うことで、光あふれる希望の種を播くというものだ。そして、現地の一般市民が貧困を抜け出し、豊かになる道へと導く。現在までにのべ623人が白内障の手術を受け、600家庭に希望の光をもたらした。

青少年に対する学費助成プログラムは、主に貧しい山間部や被災地の学校に通う学生を対象とし、物資と心理ケアの二重の援助を行うことで、支援と同時に学生が自ら自分の内にある自分の価値を呼び覚ますことができるよう援助する。

日常的に子供たちとペアになって交流する以外に、千訓は毎年心理ケアのプログラムを開催しており、著名人を招いて子供たちを励ます講演を企画するなど、子供が健康的に成長できるよう、心を込めて見守っている。

執筆者 馬広志
執筆者所属 華夏時報
翻訳と校正 翻訳:松江直子 校正:棚田由紀子
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