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2013/05/24 by Tanada

環境保護提案の背後にあったボランティアの力

今年の両会(全国人民代表大会と全国人民政治協商会議)で、阿拉善SEE生態協会(SEE)の理事であり、全国政治協商会議委員でもある万捷氏は、 「重点汚染源情報の公開を一刻も早く実施することに関する提案」を提出した。この提案の裏には、多くの環境ボランティアと組織の努力があった。

毛 建偉氏は、湖南省湘潭市雨湖区で小売店を営んでいる。店舗は湘江から600メートルと離れていない。以前、湘江のあたりの人々は川遊びを楽しんだものだ が、現在は、川に入ろうものなら、上がるとすぐに全身がかゆくなり、肌には油が付着する。2008年末、湘潭市環境保護協会のボランティアであった毛氏 は、グリーン湖南(緑色潇湘)の「湘江を守るプロジェクト」に加入した。企業の排水口を初めて見たとき、毛氏は身の毛もよだつ思いだった。排水口からは汚 水が湧き出し、大量の泡が水に浮いている。毛氏は汚水を採取し、専門の検査部門へ持って行ったところ、重金属のカドミウムが標準値を超えていた。そこから 数百メートル行けばもう湘江である。毛氏や、付近の人々の飲料水はこの川から採取している。工業汚水はまさに飲料水の安全を脅かしていた。湘江にはこのよ うな汚染源が何箇所あるのか?地方政府の環境保護部門サイトを見ても、情報はほとんどない、、、、

毛氏は川に沿って調査し、自力で排水口を 見つけ、企業の基準違反の排水を監督することにした。こっそりとそれを調査するのは容易ではない。あらゆる手を尽くして、排水管を地下に埋設し、排水口を 何キロも離れたところに設置する企業もあり、環境保護部門も確固たる証拠をつかむことができず、基準違反の排水に対して打つ手がないのだった。

証 拠を掴むため、毛氏はボランティアたちとともに、24時間体制で、基準違反と思われる工場を見張り、ビデオですべての過程を撮影し、関連部門に報告したこ とがある。「湘潭市内では既に30か所以上の汚染源が見つかりました。湖南省全体では2,3百くらいもあります」と毛氏は言う。様々な人々の後押しによっ て、2011年から、湘潭市の多くの企業の排水口には看板が付き、排水口がどの企業のものであるか、汚水にどのような重金属が含まれているかなどの重要な 情報が明記されるようになった。

毛氏は多くの環境ボランティアのうちの一人にすぎない。彼らは全国各地にいて、環境汚染情報を集めている。 これらのボランティアが集めた情報は「中国汚染源分布地図」に集約され、地図には15000以上の企業の汚染排出状況について記されている。これらの企業 は、全国の65%以上の排ガス、排水、重金属汚染物を排出している。この地図は、まさに万捷氏の提案の最も重要な根拠であった。

環境の監督管理が脆弱な地域では、汚染を生み出す企業はその地の地方政府のために利益を生み出している。環境情報の公開が、その企業の発展に悪影響を及ぼすと、環境保護部門は上位部門の介入を受け、情報公開にストップがかかる。

2008 年から、全国各地の環境部門が環境情報を公開することを目指し、民間組織である公衆環境研究センターが、都市の汚染源の監督管理情報公開指数の測定を推し 進めた。指数評定は中国の113都市に及び、公衆環境研究センターの馬軍主任によると、初回の指数評定では、全都市の平均は31点、4年後には大幅に上 がったものの、平均値はまだ合格点ではなく、総合的な評価をすると、0点となる都市も依然としてあるという。

馬主任の分析によると、大部分の都市の指数がこのように低いのは、環境保護部門による日常的な監督管理の情報公開や、公衆環境研究センターが確認した上での情報公開、及び公衆環境研究センターによる合法的な汚染元の情報公開申請のいずれも十分ではないからである。

評価の過程で、馬主任は試しに自分の部下に各地の環境保護部門に対して連絡を取らせ、法に基づいて企業情報の公開を求めたことがあるが、対応は良くない例が多かったという。

「あ んた誰だ、どこの部門だ、企業のリストをどうするつもりだ?」「処罰された企業のリストなんか申請して、どうするつもりなんだ?」「環境保護局は企業に対 して責任を負っている。このリストは簡単に出せるものではない」「上司に確認して、許可が下りないと答えられない」などなど。馬主任によると、地方政府の 環境保護局の中には汚染企業の肩を持つものもあったそうだ。また、上司がダメと言ったら環境情報の公開などできないと言ってはばからない環境保護部門も あったそうだ。

馬氏は、汚染情報の公開制度がもっと進歩しなければならないと思っている。国際社会では、「多くの国で、汚染物の排出、処 理、運搬状況を含む登記制度があり、企業はすべて政府に報告しなければならない。その内容は全て公開される」と語る。しかし、中国では、この点は依然とし て進んでいない。

阿拉善SEE生態協会が馬氏に対し、この提案について協力してほしいと言ったとき、馬氏は喜んで参画した。

2 月22日から24日まで、民間の環境保護組織である阿拉善SEE生態協会の理事たちは、黒竜江省で開かれた「中国企業家フォーラム年次総会」にて、申し合 わせたように中国の環境危機への懸念を表明した。阿拉善SEE生態協会の理事、また全国政治協商会議委員として、万捷氏はフォーラム上で、環境保護への取 り組みを既に3年間にわたり呼びかけていることを表明した。彼は、もし政府が主体的に重点汚染源の情報を公開すれば、これを制度化し、法律化することがで きると考えたのだ。

「重点汚染源情報の公開を一刻も早く実施することに関する提案」は、このようにして提案されたのだった。

執筆者 候雪竹
執筆者所属
翻訳と校正 翻訳:三津間由佳 校正:棚田由紀子
メディア 公益慈善周刊2013年第10期(出典元:京華時報

http://beijing.jinghua.cn/c/201303/18/n3845366.shtml

転載に際し、要約および編集しています

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