2013/05/24 by Tanada

心目図書館: 心を開いて視覚障害者と一緒に読書しよう

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「心目図書館」は、2011年1月29日に北京市西城区に設立された視覚障害者のための民間の図書館である。ボランティアが図書の録音作業に参加して、CD、点字図書、インターネット等を通じて、視覚障害者に録音図書や映画を提供している。

録音図書の制作と普及によって、視覚障害者が視力障害のために失ってしまう情報を補い、多様な学習と情報取得のルートを提供している。また、北京紅丹丹教育文化交流センターの「障害者と健常者が共に歩み、共に生命を享受する」という理念を受け継いで、より多くの人が録音作業に参加し、社会の障害者に対する理解と関心を広め、障害者を助けることを唱導している。

膨大な読書のニーズ

中国では、約600万人の視覚障害者がおり、北京だけで約12万人いるそうだ。しかし、民間の視覚障害者用の図書館は全国でも数少ない。国内には2000余りの公立図書館の内、視覚障害者用の閲覧室を設置しているのは100余りにすぎない。また、録音図書は数が非常に限られており、受け付けることができる視覚障害者の数はわずかだ。一方、日本には30万人の視覚障害者がいるが、97の視覚障害者用図書館がある。点字図書の出版においては、中国点字出版社が2010年に新規出版した図書は285種類のみで、過去5年間の年平均は約260種類にすぎない。その一方、日本点字図書館は、ボランティアの参加を得て、年間300種類にのぼる録音図書を録音している。比較してみると、中国で出版されている点字図書は非常に少なく、視覚障害者の読書ニーズを満たすことができていないことが明らかだ。

先進的な閲読の技術

心目図書館は、北京市西城区の鼓楼西大街の北京紅丹丹教育文化交流センターの中に、30平米の録音室を有しており、ここでは4名のボランティアが同時に録音図書の録音を行える。この他に15平米の閲覧室もあり、視覚障害者に図書の貸出などのサービスを提供している。

心目図書館では、録音図書の録音に日本点字図書館から提供されたDAISY(Digital Accessible Information System)という制作技術を採用している。また、録音図書の再生にも日本点字図書館から提供されたDAISY再生機を使用しており、録音図書におけるページめくりやブックマークなどの機能を楽に実現し、それぞれの視覚障害者が持つ、読書に対する要求を満たしている。

現在、心目図書館では5台の再生機を有しており、今のところ視覚障害者に貸し出しサービスは提供できていない。DAISY再生機の操作はとても簡単だ。スタートボタンを押し、書名を聞いたあと、再生ボタンを押し、出版社名と出版年月日などの基本情報と目次を聞いた後に再度再生ボタンを押すと、本の内容が聞ける。予想外なことに、本の内容を聞くだけでなく、ページをめくったり、タグをつけたり、前回聞いたところから続けて聞くこともできる。しかもこれらは普通のオーディオブックにはない機能で、それぞれの視覚障害者が必要としている読書に対する要求を満たしている。

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写真: DAISY再生機

「あなたが私の目となって」—— 心目図書館のボランティア達

これまでに録音図書の録音に参加した人々は、全てボランティアであり、中には北京テレビ局の司会者もいる。全ての作業は無償で行われ、さらにボランティアらは図書館に書籍も寄付している。現在心目図書館のボランティアは数十人おり、主にホワイトカラー、教師や退職者らだ。読書好きなボランティアらは、心目図書館にて、朗読という方法を通じて視覚障害者と一緒に本の魅力を味わっている。心目図書館のトレーナーの大偉は、ボランティアたちに感情豊かに表現するよう話している。視覚障害を持つ読者は新着図書を「読みたい」と思っているので、ボランティアたちも一刻も早く録音できるよう頑張れる。ボランティアの協力の下、「心目図書館」は2011年に100本の録音図書を製作する計画を立てた。

心目図書館の責任者によると、図書館は、図書の録音作業に参加してくれるボランティアをより多く必要としており、より多くの新書の音源を制作し、視覚障害者の読書のニーズを満たしたいと考えている。公益活動に情熱を持っており、読書好きで、標準語が正しく話せる人は、図書館にぜひ連絡してほしい。

心目図書館の任務は重く、歩む道は長い

心目図書館の設立は、視覚障害者にとってこの上なく良い知らせであり、また、公立図書館による視覚障害者への閲読サービス展開に対する手本でもある。録音図書の録音と普及を通じて、より多くの視覚障害者が現代文明の精神面における成果の恩恵を受けられるようにし、彼らの生活をより豊かにすることができる。同時に、視覚障害者がもっと簡単に社会的インフラを共有し、社会に溶け込めるよう、貢献している。

しかし、心目図書館の実地調査の結果を見ると、まだ一連の難題を解決する必要があることが明らかだ。例えば、資金が不足しており、事務室、倉庫、録音室が足りない。ボランティア募集について言えば、ボランティア自身の情熱は高まりつつあるが、研修や録音する場所等については多くの制限がある。

心目図書館は、事業の運営面において、人材という難問に直面している。図書館の全てのスタッフは古くから心目図書館に関わってきた、過去にしばられ新しいことを受け入れようとしない面々で、図書館学専門の出身者は一人もいない。このことは、今後デジタル図書館の蔵書の長期的な発展を困難にする可能性がある。デジタル情報資源の構築の初期において、録音図書の数が限られていることから、蔵書の数が増えるにつれて、制作と検索における問題が次第に顕著になるであろう。

このため、蔵書の長期的な発展を鑑み、専門性のある人材を録音図書のデジタル情報資源の構築に引き入れ、学科に基づいて厳格に分類し、録音図書の特徴に見合った目録基準を制定し、今後大量になるデータの検索のための確実な基礎をつくりあげる必要がある。ほとんどの資源は音声であることを考慮し、今後の資源構築において音声検索技術を導入し、音声データ検索システムを構築し、「声によって読みたい図書を検索する」ことを実現することも検討している。この他、ボランティアによって標準語のレベルにある程度は差があるため、後に音声検索を行う際、音声識別技術やあいまい検索技術などの高いレベルのシステムが要求される。

多くの困難があっても、心目図書館は勢い良く成長し続けている。子供が愛と思いやりが必要なように、心目図書館の成長にも多くの人の力、資金と技術的サポートが必要だ。だが、私達は、愛は奇跡を生むと信じている。

心目図書館の図書寄付活動に関する情報

皆様:

心目図書館では、現在、文学作品類の図書の収集および校正と編集が喫緊の課題となっております。より多くの方々に図書の収集をお手伝いいただきたいと願っています。必要なのは、正規の著名な出版社が出版した図書で、海賊版は堅くお断りいたします。

図書は、次の住所に郵送をお願いいたします:郵便番号100009、北京市西城区鼓楼西大街79号、北京紅丹丹。

お願い: 重複を防ぐため、図書を寄付する前に、事前に紅丹丹にご連絡ください。電話:  010-51663030 Annie(安妮)先生  Email:hdd_xmtsg@163.com

心目図書館ボランティア申し込み手順

紅丹丹視覚障害者支援ボランティアの申し込み用紙に記入し、申込み用のメールアドレスに送った後、電話で問い合わせ、現地にて写真を貼付して下さい。

注意事項: (1)サイズ1インチの写真(無帽)と身分証を持参して下さい。(2) 申し込み用紙に、申込者の情報を漏れなく正しく記入して下さい。

ボランティア申し込み用紙:

http://blog.sina.com.cn/s/blog_7340748d0100xnw0.html

http://xmtsg.blog.sohu.com/#tp_7b49ba513da

執筆者
執筆者所属 創思客
翻訳と校正 翻訳:川口晶子 校正:棚田由紀子
メディア NGO发展交流网 《心目图书馆:打开心目和盲人一起阅读》http://www.ngocn.net/?action-viewnews-itemid-86580

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