2013/05/10 by Tanada

米国人の寄付金の出し方についての考察

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(ユタ州オレム市長であるジェイムズ.T.エヴァンズ氏は同市の可処分所得の14%を慈善団体に寄付した。市長とタナ夫人は25万米ドルの大金をブリガムヤング大学の女子バスケットボール選手に寄付した。)

作者:エミリー・ジップル、ベン・グース

Chronicle of Philanthropy誌(慈善活動情報誌)の最新研究によると、米国人の寄付の意識には大きな差異が現れているそうだ。この研究では米国の全ての州、都市や町のコミュニティーの寄付の形態について分析を行った。

ユタ州やミシシッピ州では一般に一世帯につき、収入の7%を慈善団体に寄付しているが、マサチューセッツ州やニューイングランドのその他3つの州の平均寄付額は収入の3%を下回っている。

米国の50の大都市の調査結果についても同様の結果となった。Chronicle of Philanthropy誌の研究によって、ソルトレイクシティー、メンフィス、バーミンガムなどの都市の住民は平均で少なくとも7%の可処分所得を慈善団体に寄付し、ボストン、プロビデンスなどの住民は平均で収入の3%を寄付していることがわかった。

各地の生活費の差は大きいので、Chronicle of Philanthropy誌は住民税や住宅に関連する費用、食費などの必要な支出を差し引いた上で各地の住民の寄付の割合について研究を行った。この研究は国税局に控除項目として登記されている米国人の記録を基にしており、2008年の収入が5万米ドル以上の納税者に対し、調査研究を行った統計である。寄付の形態を研究する機関であるGiving USAの統計によると、対象となる人たちの慈善寄付の平均は可処分所得の4.7%で、総額1350億米ドルとなり、2008年の全国個人寄付総額2140億米ドルのおよそ2/3を占めている。

研究では重要な発見が多くあった。

富裕層が一番気前良く寄付をするという訳でもない。中産階級の寄付額の可処分所得に占める比重は富裕層よりも大きい。家庭の収入が5万米ドルから7万5千米ドルの住民の平均寄付額は可処分所得の7.6%で、収入が10万米ドルの住民の寄付額は可処分所得のわずか4.2%にすぎない。ワシントン市では中・低所得層のコミュニティーであるメリーランド州のスートランドやキャピトルハイツなどの住民の寄付額の可処分所得に占める比重は、より豊かなコミュニティーであるメリーランド州ベゼズダやバージニア州のマクリーンなどの住民の比重より高い。

大富豪と呼ばれる人たちの寄付の意識にも法則がある。調査で分かったのは、富裕層のコミュニティーの住民は収入が一定でないコミュニティーに住む富裕層より寄付意欲が少ないことだ。年収が20万米ドルを越す人口がこの地区の納税人口の40%以上を占めるコミュニティーにおいて、当地の富裕層の平均寄付額は可処分所得の2.8%であり、収入が20万米ドルより低い人たちの平均寄付率は4.2%である。

共和党選挙区の住民は、民主党選挙区の住民より気前良く寄付をする。2008年に寄付が最も多かったのはマケインを支持した8つの州の住民で、寄付額が最低だった7つの州は当時オバマを支持していた。

望んで寄付するかどうかは、当然、税収制度の影響を受けることになる。もし、政府の政策が寄付をしてくれる人にとって十分な支援となれば大きな励みになるであろう。米国には少なくとも13の州が善意で寄付をする人たちに特別な税収を適用し、その恩に報いている。

ここ数年来、アリゾナ州の慈善団体は毎年税収の優遇によって1億米ドル余りの収入を得ることができている。

宗教信仰もまた寄付の形態にとても大きな影響を与えている。宗教信仰が盛んな地区では住民の寄付への意識がより強い。米国で寄付額が最高である上位9つの州の中で1位と2位はユタ州とアイダホ州である。住民の大部分がモルモン教の信者で、少なくとも収入の1/10を教会に寄付するという伝統を受け継いでいる。その他の7つの州は米国南部のキリスト教地域に分布している。

宗教上の寄付の要素を除いて寄付量の統計をとった場合、東北の州の寄付額も10位以内に入る。例えば、ニューヨーク州の寄付額はランキング第2位で、ペンシルベニアも40位から4位に上がる。

州や都市、各コミュニティーでの寄付量の差は深く根付いた政治や伝統に因るところが当然大きく、住民が行政機関や慈善関連の部署のそれぞれの役割をどのように理解しているかということでもある。

ある専門家は、米国が大不況に陥って以来最悪の経済状態の中、比較的住民が気前の良く寄付をする州や都市では、失業者やその他の経済的に苦しい人たちに何百、何千万という援助をしていると指摘する。

米国ブルキングス学院副主席のブルース・カッツ氏は「すさまじい暴風雨が来ようとしているのに、米国国民は準備ができているのだろうか」と警告する。

カッツ氏は各地の行政機関はどうしたら住民が気前良く寄付金を出し人助けをしてくれるかを考えなければならないと述べた。また、「現在の社会福祉プロジェクトはすでになく、以前より更に必要としているのはより多くの個人の寄付だ」とも述べた。

(翻訳:王宏峰)

出典元:http://philanthropy.com/article/America-s-Generosity-Divide/133775/

執筆者 Emily Gipple、Ben Gose
執筆者所属
翻訳と校正 翻訳:藤澤美歩 校正:棚田由紀子
メディア

GLI 《美国人如何慷慨解囊》

http://www.globallinksinitiative.com/news/?p=2933

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