2013/02/20 by Tanada

「幸福養老大課堂(ハッピーシニアスクール)の温向明事務局長に単独インタビュー【後編】

(前編 http://csnet.asia/archives/12855 のつづき)

二つの実験におけるシニア層の大きな変化に指導者・専門家もびっくり

記者:2009年には「教育による老後生活」の理念を打ち出されました。いわく、教育の本質は資源、つまりエネルギーであること、老後生活は無限の可能性を秘めており、この理念が健康、長寿、喜び、調和を作り出し、低いコストで大きな成果を出せる、ということでした。しかし、まだまだ多くの人はそう考えておらず、シニア教育など、たかがコーラス、絵画、習字、カメラなど、金と暇と品位のあるシニア層が趣味的にやるものとしてとらえられていました。その後、温さんはハッピーシニアスクールの持つ無限の可能性を証明しようと、二つの実験的取組みをされました。疾病を含む、シニア層の抱える多くの問題をスクールが解決していけること、スクールはシニア一人一人が受けるべき基礎的な教育であることを、事実を以て証明されたわけです。彼らを大きく変え、指導者や専門家を驚かせた実験について、話していただけますか?

温事務局長:はい。2011年8月から2012年5月まで、重要な意義のある二つの実験を行いました。それは、「ハッピーシニアスクール社区計画」の「北京オリンピック村実験」と、「ハッピーシニアスクール老人ホーム計画」の「北京康夢園実験」の二つです。

「北京オリンピック村実験」は、2011年8月から始まりました。スクールに通う高齢者に3か月間のトレーニングを実施したのです。内容は、「健康を心がけ、仲の良い家庭を持ち、社会に貢献する」という3つのプログラムで、トレーニング基準はとても厳しいものでした。スクールで学んだすべての内容は、実際の生活の中に具体的に落とし込み、学んだ内容を一定の水準で実践できるようにするため、毎日記録をつけ、自己制約・自己管理するように求めたのです。3か月後には、多くの人が、足腰の痛み、うつ、脳動脈硬化など、シニア層によくある三つの持病が明らかに改善したことや、家庭内の長年の不和が改善したこと、ボランティアに参加することで心身ともに大きく変化した喜びを、涙を流しながら分かち合いました。その光景は、多くの指導者や専門家を感動させました。

「北京康夢園実験」は、さらに驚くべき結果でした。文化部華夏文化遺産保護センターが実験を主催し、彼らの推薦で9名の医学、文化、教育等の専門学者が全行程でフォローアップ考察を行いました。23種類の合併症や不治の病で、現代医学に見放された患者たちが実験に参加しました。年齢は45歳から82歳まで、平均68歳でした。30日間にわたるスクールの自然の健康トレーニングを経て、薬を飲まず、注射も打たず、点滴も打たず、手術せず、化学療法を行わず、放射線治療を行わないで、「特殊」な効果が28%(回復80%)、「顕著」な効果が44%(回復60%)、「一般的」な効果が28%(回復30%)現れ、合計で100%の人に何らかの改善が表れたのです。9名の専門家はこれには驚き、実験の報告書に厳かにサインしていました。

スクールに戻り、生命や病気を認識し、改めて健康を重視し、意識して楽観的な生活スタイルを取り、規律正しい生活習慣に厳しく従い、スクールの健康重視の新しい生活を送りさえすれば、必ず健康と幸福を得られるということが、この二つの実験で証明されました。科学的な実験データと、重病や不治の病の患者が明らかに回復していく事実を前にして、指導者や専門家は非常に驚き、ハッピーシニアスクールに対して大きな信頼を寄せました。ハッピーシニアスクールが、シニア層の危機の解消と幸福の実現、また調和のとれた社会の促進に大きな貢献をすると認識されたのです。

「スクール式老後生活」は新しい時代のシニア層のトレンドへ

記者:ハッピーシニアスクールの打ち出す「スクール式老後生活」のモデルは、止められない勢いで高齢者たちの新しいトレンドになりつつあります。主な内容はどんなものですか。

温事務局長:「スクール式老後生活」とはつまり、規律正しく、生き生きしたシニア層の精神世界を改めて作り出すということです。消極的な老後生活から積極的な老後生活へ、病気の生活から健康な生活へ、物質的な生活から精神的な生活への大きな飛躍なのです。具体的に言えば、学校に立ち返り、組織に立ち返り、秩序に立ち返り、知恵に立ち返り、大いなる愛に立ち返り、自律的な生活に立ち返ること。人生の第二の青春において、新しい夢を持ち、新しい知恵を養い、大いなる愛を持つこと。生活の新しい目標、新しい内容、新しい秩序、新しい仲間を持つこと。学び、鍛練、娯楽、ボランティア、助け合いなどのスクールの活動を通じて、「体も、気分も、精神も良く」「長生きし、豊かで、健康で、品格があり、善く人生の終わりを迎える」「理想、道徳、文化、紀律、能力、そして成果を持つ」という、「3つの良い、5つの福、6つの『持つ』」を実現することが、新しいシニア層の幸せな老後です。スクールは、つまり組織であり、プラットフォームであり、媒体であり、幸せの船なのです。

「ハッピーシニアスクール」は、シニア層の幸福への道

記者:「ハッピーシニアスクール」は、シニア層を幸福にし、家庭を仲良くさせるとともに、コミュニティ(社区)や社会をも調和させ、社会の管理に新しい道を切り開きました。シニア層を敬い助け、国や国民の利益にもなる、このような慈善的なプロジェクトは、普及させていく上で困難もありますか?

温事務局長:その通り!宣伝力も、知名度も足りません。特に、各レベルの幹部や、慈善活動家のみなさんの理解度もまだ高くないので、支持を得るにも限界があります。スクールを広く普及させたいのですが、それには政府の支持を得ることがとても重要です。スクールの拠点はコミュニティにあり、コミュニティは政府の指導下にあるからです。政府からの強力な後押しがないと、このプロジェクトを多くのシニア層に裨益させるのは難しくなります。さらにしっかりと基礎的なモデルプロジェクトを進め、少しずつ影響を拡大していきたいです。全社会のより多くの力が、特に慈善企業家の方々の多くの寄付が「ハッピーシニアスクール」に集まり、この少ない投資で高い効果を生む敬老慈善公益事業を大きく支えてくださることを心から望みます。我々は、ハッピーシニアスクールは低コストで効果的に高齢者を変革し、幸福を生み出す大きな力を持っていると深く信じているので、高齢化の進む中国の重大な危機に対し、独特な形で解決に寄与することがきっとできます。だから、しっかり前を向いて、振り返ることなく、シニア層の幸福への道を切り開くこの公益事業をやり通す覚悟です。

翻訳と校正 翻訳:三津間由佳 校正:棚田由紀子
メディア 中国発展簡報の”NGOニュース”より転載・翻訳原題:专访“幸福养老大课堂”总干事温向明

http://www.cdb.org.cn/newsview.php?id=5493

This post is also available in: 簡体中国語

Facebook Twitter 微博

CATEGOLY