2013/02/18 by jixin

高齢化分野における日中協力~中国政府視察団による、草の根協力事業の現場訪問~

2012年12月18日~19日、科学技術部、全国老齢工作委員会弁公室、民政部による中国政府視察団が、「上海医療福祉関係人材養成事業(JICA草の根技術協力)」の現場を視察しました。高齢化分野における今後の日中協力可能性の検討に際し、これまでの協力の経験や成果を把握することが今回の訪問の目的です。

上海市民政局からは、本事業の日本側実施機関である社会福祉法人旭川荘の協力で実施した訪日研修の成果が報告されました。日本の福祉・介護制度は、医療と福祉が結合している点や、サービスのきめ細やかさ、介護人材の高度な専門性等が特徴的です。上海では、この研修で学んだことを活かして、色彩心理学に基づいた廊下や部屋の色の塗り直し、”高齢者本位”の意識の浸透、家庭に近い雰囲気づくり等の取り組み等が、実際に行われています。

上海は60歳以上の高齢者人口が24.5%にのぼり、中国国内で最も割合の高い都市として、市政府は各国の経験を取り入れながら、高齢化対策に取り組んでいます。今回の視察では、「徐匯区湖南社区デイサービスセンター」と「第一社会福利院」を訪問しました。前者は”社区(地域コミュニティ)養老”の施設であり、政府が出資・管理し、民間に委託経営しているデイサービスセンターです。高齢者は、僅かな費用で、食事や理髪、マッサージや運動・健康指導等の多様なサービスを受けることができます。同センターのスタッフは、NPO法人日本心身機能活性療法指導士会から介護予防体操の指導を受けており、週に2回、実際に高齢者に体操を教えています。また後者は、”施設養老”と呼ばれる政府経営の養老施設であり、ここでも訪日研修の成果を活かして改善された施設やサービスを実際に見るこ とが出来ます。

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写真:デイサービスセンターの様子     写真:家庭的に内装された社会福利院の部屋

中国では、60歳以上の高齢者が全人口の13.7%を占め、1.85億人に達しており(2011年)、毎年860万人のスピードで増加することが見込まれています。中国政府が公布した「老齢事業発展第12次5ヵ年計画」では、2015年をターゲットとして、養老ベッド数の倍増や、都市社区の80%、農村社区の50%において養老機能のあるサービスセンターを建設すること等が目標として掲げられており、中国各地で、これらハード面の整備が急ピッチで進められています。一方で、基準やマニュアルの制定、施設の運営管理、人材育成やサービス充実等、ソフト面の整備が、引き続き課題となっています。

今回の視察を通じて、中国における高齢化の課題や日中協力の可能性について、熱心な議論がなされました。上海において日本の経験が活かされているように、今後、日本の有益な技術やグッドプラクティスが、中国に浸透して行くよう、引き続き、JICAは中国側との意見交換を続けていきます。

上海医療福祉関係人材養成事業

現地報道(中国語) (外部サイト)

執筆者 鮑迪娜
執筆者所属 独立行政法人 国際協力機構(JICA) 駐中国事務所
翻訳と校正
メディア 独立行政法人 国際協力機構(JICA) 駐中国事務所ニュースより転載:http://www.jica.go.jp/china/office/others/newsletter/201301/02.html#a01

 

 

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