2013/02/04 by Tanada

【宮崎いずみエッセー】ごみは分別回収のはずが…

日本の実家に帰ると、何曜日は何のごみの回収日か、どのごみはどう捨てるのか逐一考えなければなりませんが、数年前まで北京ではごみの分別とは全く無縁の生活を送っていました。

以前から中国では、ごみ回収を生業としている出稼ぎの人々がおり、その人たちはごみの中から再利用可能な資源(例えばペットボトルなど)を取り出し、それを売ることで生計を立てています。ちなみに、このごみ回収は夫の実家がある固始県出身者が多いことで有名で、中にはそれでけっこうな財をなし、帰郷して家を建てた人もいます。

そんなわけで、ここに住んでいると、うっすらとごみは自然に誰かが分別しているもの、という意識があったのですが、2年ほど前、政府主導で本格的にごみの分別回収の普及が行なわれ、各家庭にごみ分別に関する冊子(写真1)と生ごみ用のポリ袋(写真2)、家庭での分別用ごみ箱(写真3)が配られました。ここのマンションだけでなく、付近の他の住宅でも行なわれています。そして敷地内には、「生ごみ」、「資源ごみ」、「一般ごみ」の三つのダストボックス(写真4)が。

(写真1)ごみ分別に関する冊子(切り抜き)

(写真1)ごみ分別に関する冊子(切り抜き)

(写真2)生ごみ用ポリ袋

(写真2)生ごみ用ポリ袋

 

 

 

 

 

 

(写真3)分別用ごみ箱

(写真3)分別用ごみ箱

 

 

(写真4)分別回収用ダストボックス

(写真4)分別回収用ダストボックス

 

 

 

 

 

 

 

 

ダストボックスのとなりには、それぞれのごみについての説明と回収責任者が記された掲示板(写真5)も置かれています。

(写真5)分別回収に関する案内と責任者リスト

(写真5)分別回収に関する案内と責任者リスト

さて、これがちゃんと機能しているかというと、ダストボックスをのぞいてみても、各家庭の分別からしてかなりアバウトな状況。もともと、ごみの回収日という制度もありませんし、捨てる側はいつでも捨てたいときに捨てるという習慣なので、毎日のようにごみを出しています。ところが、この生ごみ用の袋、40cm×50cmほどあり、3分の2以上の量を入れて出すようにと書かれています。我が家では3~4日しないとこれだけのごみは出ないのですが、生ごみを家に置いておくのが嫌で、結局小さな袋に入れて毎日ごみを出すことに。でもやはり専用袋でないとダメなのか気になるので、ごみを回収している人に聞いてみたら「どうせどれも一緒にして持っていくんだ。どうでもいいよ。」と言われてしまいました。つまり、どのごみも一緒に持っていくということ。

(写真6)ごみの山から換金できる資源を集めるごみ回収業者

(写真6)ごみの山から換金できる資源を集めるごみ回収業者

実際のところも、ごみが別々の責任者によって処理されているような様子は見られず、毎朝同一のごみ回収者が、一応分別されている(はず?)のごみを三輪車の荷台(写真6、中央部の四角いもの)にどれも一緒に入れ、マンションの敷地入口すぐそばの空き地へ運んでいます。そして、写真のように、集めてきたごみから資源ごみを集めて、換金。生ごみはマンションの入り口あたりに回収専用車が来るので、一応一部は集めてそちらに渡しているよう。(ここで写っているごみの山の中にも生ごみ用の袋が混じっていて、生ごみの分別がきちんとされているのか疑わしいかぎり…。)そして、残った「一般ごみ」は…このようにその場に放置されているだけ。実際、このごみの山の中で私がダストボックスに出したごみを発見したことがあります。(日本から持ってきたレアな食品のパッケージなので、間違いない!)

しかし、人間、自分がしたことの結果を目の当たりにするというのは大きな効果があるものですね。このごみの山に自分が捨てたごみがあるのを見て以来、毎回ごみを捨てるとき、その最終的な行き場にまで思いを馳せるようになりました。(というか、自分が捨てたごみがまたあそこに放置されるのだと考えると、罪悪感を感じるようになったという感じですが…。)分別回収がきちんと行なわれ、利用できないごみもきちんと処理されることを願うばかりではありますが、同時にそれが機能していないがゆえに、学ばされることもあるものだと実感した次第です。

文:宮崎いずみ

 

 

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