2012/12/10 by yanyan

CSnet Mail Magazine No.22

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日中市民社会ネットワーク(CSネット)メールマガジン  201211月号(第22号)

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【目次】

  • はじめに:「24人」
  • お知らせ:「クリスマス直前!なぜか伊藤健さんを囲む会」に出かけてみませんか?
  • CSネット活動報告&今月のお薦めコンテンツ
  • 連載:日中間の不理解に挑む「JICAの仕事はこれからが本番!」
  • 今月のありがとう!

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【はじめに】24

何を隠そう。いまは空を飛んでいるところです。

NH905便で成田から北京に向かっています。島騒動以来、初めての帰国(中国人なので、一応「帰国」になりますよね)。しかし、この異常さはなんなのでしょうか?!真ん中に一本の通路、片側3席ずつの小さな飛行機。それなのに一人一列を独占してもなおがらがら状態。

24人。何度数えても、乗客はこれしかいません。GDP第二位と第三位のいわゆる二つの経済大国の首都を結ぶエアラインとは到底思えません!来日18年、数えるのが面倒になるほど日中間を頻繁に行き来しておりました。こんな異常事態は初めてです。テレビのニュースだけを見ていては、これほどひどいとは想像もつきません。

少々打ちのめされました。日中関係のこの冷え込みは、じっと冬ごもりをしていれば自然に通り過ぎるものではないのかもしれません。国家関係から卒業し、日中間で市民関係を築き上げようとするCSネット。この冷え込みに耐えながら、暖かい息を吹き込むことができるのでしょうか・・・

(やんやん)

 

【お知らせ】CSネットフレンズの集まり 12月22日開催中!

日時 12月22日(土)14:00~17:00

場所 いつもの「根津スタジオ」http://nez-studio.jp/?page_id=9

テーマ 「クリスマス直前!なぜか伊藤健さんを囲む会」

理由はなくても、誰かを囲んでわいわいお話をするのは、とても楽しいことですよ。

伊藤健さんの紹介

外資系金融機関勤務、NPO法人ISLを経て、2010年より慶応SFC博士課程に在籍しながら、政策・メディア研究科特任助教。http://www.facebook.com/ken85306/info

伊藤健さんは、ソーシャルイノベーション分野で長年活動されてきて、現在Asian Venture Philanthropy Networkのアドバイザをおつとめされています。大学は台湾で、MBAはアメリカで勉強されていたので、中国語も英語も堪能です。(すご~い!)

出欠 15日までにinfo@csnet.asiaへ。

 

【CSネットの活動報告と今月のお薦めコンテンツ】

★東アジア環境交流プロジェクトは、来年に延期となった屋久島への視察に備えるために、中国側のキーパーソンと意見交換しました。

★JICAの草の根技術協力事業に正式に採用されたプロジェクト、「地域密着型自然学校づくりのための人材育成とネットワーク形成プロジェクト」は、11月から正式にキックオフとなりました。早速事務局長朱恵文(Fancy)が日本側の専門家、北海道ねおす自然学校の高木晴光さんとともに、中国側のカウンタパート山水自然保護センター主催の「自然教育分野交流会」(北京と成都)に出席してきました。参加者は両地で合計150名を超え、大変な熱気でした。詳細はまたサイト上で報告します。

★代表のやんやんが日本環境フォーラムによる清里ミーティングに参加し、パネルディスカッション「アジアの一員として、日本が今できること~『リオ+20』の年に考える~」に出演(?)しました。清里ミーティングならではの3.5時間ワークショップは、ペレットストーブの普及について検討するワークショップに参加しました。日本のエネルギー問題と森林の維持と活用、そして林業の復活、地方の活性化と雇用創出など、一石数鳥のすごい取り組みだと思います。節電を迫られる北海道の今の窮状を見ると、ますますそう思います。何が何でも普及してほしいと思います。

 

11月はサイト上では6本の記事を更新しました。今月は、事務局の棚田さんがプロボノによる新サイトの開設準備作業を行っていたため、通常のサイト更新作業はボランティアの松江直子さんのご協力によって行われました。深謝!!

 

★GGF災害コラム

http://csnet.asia/archives/10832(四川大地震ボランティアの成長記録(下))

http://csnet.asia/archives/10900(災害救援、誰もが第一線に立つべき?(下))

★お薦め事例:愛馨養老(上) ~草の根の高齢者サービス団体が歩んできた、思いやりの心の模索

http://csnet.asia/archives/10886

★お薦め事例:去り逝く人に暖かい抱擁を

http://csnet.asia/archives/10904

 

【連載:日中間の不理解に挑む】「JICAの仕事はこれからが本番!」

またまた空を飛んでいます。「はじめに」は北京に向かう飛行機の中で書き、今は東京に戻る飛行機の中です。乗客は・・・21名です。はい。

でも、めげたりしません。今後100年の日中関係をきちんと考え、築き上げていく良いきっかけとして捉えようではありませんか。ボタンの掛け違いが多すぎたのです。そろそろこの辺で一度整理してみるべきかもしれません。

今回の出張は、清華大学NGO研究所が増愛基金会と天津市行政の支援を得て、天津の高級ホテルで開催した「第三回公益テーマ国際シンポジウム」に出席するためでした。贅を尽くした会議の接待には違和感を覚えながらも、中国、韓国、香港と台湾、欧米からの研究者・実践家の優れた表現力、雰囲気の盛り上げ方にはいつものように感心しきりでした。何事も演出が大事なのです。「そんなうわべの工夫よりも中身を」と日本では考えがちなのですが、演出は決してうわべではありません。確固たる戦略に基づいている訳ですし、相当実質的な影響力が出るのです。物事の形を作り上げるのは、中身よりも表現のほうだったりします。

話を戻しますと、会議の帰りに、空港に向かう前にJICA北京事務所にお邪魔しました。長い間日中間の草の根技術協力事業、NGO・NPO間の協力事業に尽力してきたJICA北京の周妍さんのご依頼を受けて、勉強会で講師を務めさせていただきました。光栄なことに所長さんをはじめ大事な方々に出席していただきました。ちょうど『中国の市民社会』を岩波新書から出版したばかりということもあり、本のエッセンスを述べ、それを踏まえた上でJICAの仕事に提言をさせていただきました。

日本国内ではとにかく財政支出の削減が先行されているため、JICAの事業は当然「血税」を使うのにふさわしいものなのかどうか、議論の対象となっています。日本国内の税収状況と国際情勢の変化に応じて、JICAの事業規模と内容を見直すのは至極当然のことだといえます。しかし、単に「削減ありき」ではなく、こういう時だからこそ「戦略」が必要なのです。

日本の円借款とODA、そしてJICAの事業における日本の専門家たちが、中国の改革開放後の発展にどれだけ大きな貢献をしてきたのか、中国の各界のリーダーやキーパーソンたちにまだ伝わっていないのですし、中国国民も当然まだ知らないのです。工業技術や電子技術などのハードな技術ではなく、法律、環境、医療、福祉などソフトな技術、これらこそがJICAが地道に行ってきた「技術」援助だったのですが、ようやく中国国内で切実なニーズが出てきた頃です。この時点で単に「もうやめた」と規模縮小し、撤退してしまうと、今までの努力が相応の実りが得られないどころか、中国に対して、「ソフトな技術」という日本の強みを発揮する機会を放棄することになりかねません。

「円借款をやめるときも、ちょうど小泉政権で関係が悪化していた頃なので、円借款の功績ではなく、日中関係が悪くなったということばかりを印象づける結果となってしまいました。いまODAを単にやめてしまうだけだと、同じことの繰り返しになる」と、周さんが空港に送ってくれる途中で話してくれました。「終わらせてはならないと言っているのではなく、うまい終わり方が大事なんです」。

まさにそのとおりではありませんか?戦略的な演出力がなさ過ぎたのです。先進国という名の上であぐらをかき、経済力にものを言わせて「上から目線」の「援助」の時代は、中国では転換期を迎えています。そこから卒業し、日本の国家戦略を「表現」するような、真の「国際協力」は、まさにこれからが必要なのです。

JICAの仕事は、これからが本番ではありませんか?単に端数切り捨て的に予算を細らせるだけのJICA改革ではなく、中国で日本が行うべき「国際協力」とは何か、戦略的に考え、演出を工夫するのが、JICAの真価を発揮するのに不可欠なことなのではありませんか?

・・・いつの間にかスカイライナーの中。あと少しで家に着きます。(やんやん)

 

【今月の“ありがとう!”】

今月もサイトの更新は翻訳ボランティアの皆様のご協力によって無事進められました。日頃の感謝をいっぱいいっぱい込めて、ここで「ありがとう!」をお伝えしたいと思います。

三浦祐介様、 岡田由一様、川口晶子様、劉楠様、廖芳芳様、松江直子様、黄淑珺様、王潔麗様、王愛清様、張玉梅様、陸依柳様、呉雪遠様

ありがとうございました!!

 

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※このメールマガジンの転載を歓迎します。ご転載、ご引用の際は、日中市民社会ネットワーク(CSネット)からの転載であることをご明示ください。

※このメールマガジン(月末もしくは翌月初め発行)は、CSネットのスタッフ(李妍焱、朱恵文、松江直子、李君暉、于瑾、季新、棚田由紀子)と縁のある方々、CSネットおよび前身であるGLI東京事務所の活動に関わった方々に配信しております。現在の配信対象者は日本では680名ほど、中国では450名ほどです。配信がご不要の方は、info@csnet.asiaにご連絡ください。

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